Inside 9 East 71st Street, Jeffrey Epstein's Manhattan Home
セックストラフィッカー、ジェフリー・エプスティーンの
犯行現場でもあるNYの大邸宅、その異様なディテール

Published on 9/11/2025


2019年夏にセックス・トラフィッカー、ジェフリー・エプスティーンが逮捕され、FBIによる家宅捜索が入ったことで 一躍有名になったのが、マンハッタンのアッパー・イーストサイド、71丁目9番地に位置する地上7階建てのタウンハウス。
このタウンハウスはデパートのメイシーズの共同経営者で、タイタニックで命を落としたイジドール&アイダ・ストラウス夫妻の遺族、ハーバート・N・ストラウスが1928年に購入した土地に、著名建築家ホレス・トランバウアーに依頼して建設に取り組んだ、当時最大級かつ最も豪華な邸宅。財産をうなるほど相続したストラウスは、豪邸に費用を惜しまなかったものの、翌年のブラックマンデーで株式が大暴落。そして大恐慌に見舞われたことから、 1931年に完成を間近に控えて工事は中止。ストラウスは2年後に心臓発作により死去し、結局1日もこの邸宅には住まず終わったのだった。
その後、複数のオーナーに売買された同邸宅は、1989年、当時のリミテッド社の総業者で、後にヴィクトリアズ・シークレット、アバクロンビー&フィッチ、エクスプレス、バス&ボディ・ワークスといったブランドを傘下に収めたビリオネア、レスリー・ウェクスナーが 1,320万ドルで購入。著名建築家のティエリー・デスポン、当時富裕層に引っ張りダコだったインテリア・デザイナーのジョン・ステファニディスを雇い、このタウンハウスを究極のプライベート・レジデンスへと改築。 このレスリー・ウェクスナーこそが、ジェフリー・エプスティーンに早くから多額の資金提供をすると同時に、弱みを握られてきたと言われるビジネスマン。 壮麗なフランス・ルネサンス様式で完璧にデコレートされた邸宅は、当時アーキテクチャル・ダイジェスト誌のグラビアで大々的に取り上げられたもの。
しかしウェクスナーもここには1日も住むことはなく、彼は1993年に31歳の女性弁護士との結婚をきっかけに、リミテッド本社があるオハイオ州へ移住。 そして同年、この邸宅を インテリアごと タダ同然で貰い受けたのがジェフリー・エプスティーン。彼はこの邸宅の初めての住人となったのだった。




邸宅があるのは、5番街にほど近いマディソン・アベニューとの間で、向かいにはフリック・コレクションというミュージアムになった かつてのフリック家の大邸宅がある一等地。 地上7階のタウンハウスは総床面積が約2,800平方メートル。全40室で、そのうちベッドルームは10室、4階にはスイート・ルームが3ユニット設けられており、バスルームは15。
1回フロアは吹き抜けの螺旋階段という典型的な大邸宅の造りで、 エプスティーンは、自分の物になった子の邸宅をインテリア・デコレーター、アルベルト・ピントに依頼し、写真上のように、より華美で、豪華絢爛なデコレーションにアレンジ。 写真下のレスリー・ウェクスナーのクラッシーなデコレーション・スタイルとは一線を画すものに仕上がっていたのだった。


同じ贅沢なインテリアでも、レスリー・ウェクスナー()とジェフリー・エプスティーンのテイストの違いを最も感じさせたのが、下のダイニング・ルーム。 同じ部屋、同じオーク材のダイニング・テーブル&ダイニング・チェアながら、テーブル・クロスと、椅子の張替えで、家具だけでも全くの別物。(左側がエプスティーン、右側がウェクスナーのダイニング・ルーム)
エプスティーンのダイニング・ルームは、壁紙から、壁の装飾、ライティングに至るまでがダイニング・ルームというよりサロンというイメージで、 かなり好き嫌いに別れるインテリアに仕上がっているのだった。






写真上は全てエプスティーンのデコレーターによるインテリア。 高い天井、巨大な絵画やシャンデリア、アンティークの高額ファニチャーと、 その富をひけらかすスタイルから、かなりのナルシストであったと言われるのがエプスティーン。
彼の死後、この邸宅はインテリアを殆ど保存したまま 8,800万ドルで売りに出されたものの、 性的虐待の犯行現場とあって なかなか買い手が付かず、ようやく2021年に5,100万ドルで売却。 買い手はアメリカ国外に住むゴールドマン・サックスのエグゼクティブと言われ、売り上げはエプスティーン被害者救済のために使われたとのこと。


写真上は、エプスティーン邸の悪名高きシンボルで、彼の逮捕後に沢山の旅行者が訪れては、記念撮影をしていた巨大なエントランスドア。高さ4.5メートルのオーク材の扉は、これだけでかなりの金額ですが、そこにアンティークの超高額ドアノブがついており、FBIの家宅捜査が入った際もそのダメージは最小限に抑える計らいが見られたもの。表札の替わりにJEのゴールドの頭文字を入口にあしらわれ、 この扉は英国王室アンドリュー王子が、自ら開けて、被害者少女を迎え入れた様子がスナップされたことでも有名。


写真上、左から2枚は、扉を入ってすぐのエリアのエントランスホールで、天井から花嫁がロープで吊られている奇抜で悪趣味なデコレーション。 全般的にかなり偏っていて、毒気すら感じられたのがアートのテイスト。
写真左は、被害者少女からエプスティーン本人、及びゲストがマッサージを受けていた部屋。ヴィクトリアズ・シークレットのモデルのキャスティングに口利きをするという誘い文句で、 リクルート係の女性が連れて来たティーンエイジの少女に対し、性的虐待が繰り返し行われたと言われる犯罪現場。




写真上段左は、ヒラリー・クリントンのドレスを着用したビル・クリントン元大統領を描いた肖像画で。FBIの家宅捜索が入った際に最も話題を提供したアイテム。これを描いたのはブルックリンの女性アーティストで、 飾られていたのは物置のような隠し部屋。
またエプスティーンはキャビネットに著名人とのスナップを飾り、交友関係の広さや、社会の上層部とのコネクションを来客達にアピール。 その顔ぶれは、クリントン大統領、ビル・ゲイツ、ローマ法王ヨハネパウロ2世、ミック・ジャガー、フィデル・カストロ(故キューバ首相)、リチャード・ブランソン(ヴァージン・グループ創設者兼会長)、ラリー・サマーズ(元財務長官&ハーバード学長)、イーロン・マスク、ウッディ・アレン、スティーブ・バノン(第一期トランプ政権首席顧問)、ムハンマド・ビン・サルマン(サウジアラビアのプリンス)、そしてもちろんトランプ夫妻らに加えて、銀行業界のエグゼクティブなど錚々たるもの。 写真を飾られた側は大迷惑となっています。


写真上は邸宅内に10室あるベッドルームの1つで、天井に近いレッジにビデオ・カメラが複数台取り付けられています。 昼間の証明では気が付くカメラも、夜の暗い照明では気付かないと言われ、こうした部屋でリクルートした少女達をVIPにあてがい、 その様子を撮影していたと言われます。


写真上は、階上部分とバルコニーからのビュー。そして右は15のバスルームの1つ。
全てにおいて贅沢ながらも、セックス・トラフィッカーの邸宅、少女達が性的虐待を受けた事件現場だったというイメージが強いことから、 現在邸宅を改装中の新しいオーナーは、「スピリチャル・レベルから家全体を一新する」と語っているとのことです。


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