Jobs' Vulnerability to Being Replaced by AI
マイクロソフト社42ページに渡るレポートで総力分析、
最もAIに脅かされる仕事Topトップ10と最もAI脅威が少ない仕事Top10
Published on 12/11/2025
アメリカでは、企業がそれまでの従業員業務をAIで行うようになった結果、
エントリー・レベルを中心に大量のスタッフを解雇する ”AIレイオフ”が既に始まっていますが、
これまでだと大量レイオフと言えば、業績悪化による人件費節約という悪いイメージで、発表と同時に株価が下がったのが常。
しかしAIレイオフは、逆にAIの導入が着々と進み、AIへの投資と経費節減がバランス良く進んでいることを意味するとあって、
大量解雇をした方が株価が上がるという これまでとは異なる市場リアクションが見られています。
そんな中 チャットGPTの親会社、オープンAIに多額の投資をしていることでも知られるマイクロソフト社が、
アメリカ国内の広範囲の業務を調査、分析し、42ページにも渡るレポートに纏め上げたのが、「最もAIに脅かされる仕事と、
AIに奪われにくい仕事」のランキング。
このランキングが興味深いのは「最もAIに脅かされる仕事」よりも、AIに時代にも生き残れる仕事の方と言われ、
ブルーカラーの仕事でも政府プロジェクトが絡むような業務は、資格を取得してスキルアップをすると、
長く高額収入が見込めると言われるもの。
今後世界中でAIのための巨大なデータセンターや、その稼働に必要な電力を供給するための発電施設の建設が行われることから、
それに関連する建設業の未来も明るいと言われています。
AIに最も仕事を奪われる業種
以下は「AIに最も仕事を奪われる」というよりも、既に奪われている業種のトップ10。
AIはリサーチ、分析、執筆、画像制作、プログラミングなど、急速に活躍分野を広げているので、
ここには未だリストされていないものの、パラリーガル(法律業務補佐)やグラフィック・デザイナー、
エントリー・レベルのソフトウェア・エンジニアの仕事も今年半ば頃から急速に失われています。
- Interpreters and translators / 通訳・翻訳者(米国内推定就業者数 5万1,560人)
世界の言語をどんどん正確に通訳、翻訳するようになっているAI。かつて通訳、翻訳は金融、司法など専門用語が多い分野ほど
高額の給与が約束されていましたが、今ではそうした専門的な翻訳ほどAIが正確に行う時代。逆に新語が頻繁に登場するスラングの方が
適切な翻訳が難しくなっています。
- Historians / 歴史家(米国内推定就業者数 3,040人)
一度記録が入力されれば、その広範囲の分析や解釈、リサーチは人間よりもAIの方が遥かに優秀。
- Passenger attendants / 旅客係(米国内推定就業者数 2万190人)
この分野はAIもさることながら、今後ロボットの導入が見込まれています。
- Sales representatives of services / サービス販売員(米国内推定就業者数 114万2,020人)
今や洋服から保険まで、AIの分析で購入者にピッタリなプロダクトを選んで売り込める時代。
- Writers and authors / 作家・著者(米国内推定就業者数 49,450人)
メディアの記者から、Eブックの作家まで今や執筆と言えばAIの仕事。
- Customer service representatives / カスタマーサービス担当者(米国内推定就業者数 285万8,710人)
米国ではアマゾンを始め、多くのオンライン・ビジネスのカストマー・サービスがAIとのチャットで行わ、相手がAIだとクレーマーが諦めるのも早いというデータがでています。
- CNC (computer numerical control) tool programmers / CNC(コンピュータ数値制御)工具プログラマー(米国内推定就業者数 28,030人)
この分野は今後、最も就業者が減ると見込まれるセクター。ありとあらゆるエントリー・レベルのプログラマー職は既に絶滅の危機。
- Telephone operators / 電話交換手(米国内推定就業者数 4,600人)
AI導入以前からどのビジネスに電話をしても、人間が応答するケースは激減していましたが、AI導入で増えているのは、これまで人間が行っていたアドバイスをAIで
行うケース、もしくはこれまで個人経営や小規模オフィスが利用していた電話応対、転送&コールバック・サービスの完全自動化。
- Ticket agents and travel clerks / チケット係・旅行事務員(米国内推定就業者数 11万9,270人)
AIの影響もさることながら、この分野はオンラインでのチケット手配、旅行予約、Eチケットが当たり前になって以来、従業員がかなり減った業種。
- Broadcast announcers and radio DJs / 放送アナウンサー・ラジオDJ(米国内推定就業者数 2万5,070)
ビデオ・コンテンツ制作等で急増しているのがAIの読み上げアプリ導入。アルファベットの読み上げは、日本語のように漢字の読み違いが無い分、普及が急速に早まっています。
最も影響を受けにくい職種
以下は逆にAIに奪われない仕事のトップ10。
業種だけを見るとブルーカラー・ワークという印象を持つ人も居ますが、業務内容をチェックすると専門性が高い作業が多く、
トレーニング、経験、知識、そして生まれ持った器用さや、身体的資質が問われるケースが多く、
納得のラインナップです。
- Dredge operators / 浚渫(しゅんせつ)作業員(米国内推定就業者数:940人)
港湾や河川、湖沼、運河の維持・管理のための専門性の高い作業業務。多くの場合、高校卒業資格が求められ、雇用主となるのは政府コントラクター、建設会社等で、
さまざまな浚渫機械の運転、時にクレーン運転の資格が求められるケースも。
- Bridge and lock tenders / 橋梁・閘門管理作業員(米国内推定就業者数 3,460人)
橋梁や運河の閘門を操作・管理して船舶の海上交通と陸上交通の双方を管理。業務は橋の開閉、閘門機械の操作、船舶の監視、交通誘導、橋梁や閘門設備の定期点検と軽微な修理、
不具合報国、記録保管等が含まれ、数か月から1年にわたる実地研修を受ける場合もあり。
- Water treatment plant and system operators /水処理施設・システム作業員(米国内推定就業者数 12万710人)
下水処理 浄水場・浄水システム管理が主な業務で、安全で衛生的な給水と排水処理の責任を負うことから、高校卒業資格と、広範な実地研修が必要。
多くの州で作業員にはライセンス取得が義務付けられ、雇用主は環境科学や工学技術などの関連分野の資格、準学士号、または学士号取得者を優先的に高額給与で採用する傾向にあり。
- Foundry mold and coremakers / 鋳型・中子製造作業員(米国内推定就業者数 1万1,780人)
金属を特定の形状に鋳造するための鋳型と中子を作成する業務。型枠の作成、離型剤の塗布、機械の操作、手工具や吊り上げ装置を使用した重量部品の移動を行うため
身体能力が問われ、鋳造作業は金属溶解の際に非常に高温になり、適切な冷却プロセスが守られなければ水蒸気爆発も起こり得るためリスクが伴う仕事。
- Rail-track laying and maintenance equipment operators / 鉄道線路敷設・保守設備作業員(米国内推定就業者数 18,770人)
高卒資格と運転免許が求められ、屋外の様々な気象条件で 最低23キロを持ち上げて屈むことが出来る身体能力が必要最小条件。
多種の機器操作能力と知識、制御装置調整、レール切断や分岐器研磨といった手作業をこなす器用さ、
線路損傷検査を行う注意力、研磨、穴あけ等の作業スキルが必要。さらには仕事の性質上、安全への強いこだわりが不可欠な業務。
- Pile driver operators / 杭打ち作業員(米国内推定就業者数 3,010人)
杭打ち機を操作する熟練建設作業員。 機械の組み立てと操作、杭の配置、溶接と切断を行い、機械の安全とメンテナンスに責任を持つ。
耐荷重、技術仕様、設計図、そして様々な建設技術に関する知識が必要。
- Floor sanders and finishers / 床研磨・仕上げ作業員(米国内推定就業者数 5,070人)
研磨機を含む特殊な工具の操作を熟知し、完璧な仕上がりを実現するための鋭い洞察力、木材の種類や仕上げに関する詳細な知識が必要。
更には無理な姿勢での作業が長時間続き、物を持ち上げる動作も多いことから体力も問われる業務。多くが実地研修を通じて技術を学び、ヘルパーとして業務をスタートしているとのこと。
- Orderlies / 作業員(米国内推定就業者数 4万8,710人)
この作業員とは、重荷医療現場で医療活動以外の清掃や介助などの業務を担当するポジション、もしくは軍隊で軍事作戦以外の様々な作業を行うスタッフを指すよう。
- Motorboat operators / モーターボート作業員(米国内推定就業者数 2,710人)
船舶免許、操縦士資格、航行スキルとGPSおよび船舶無線の知識が必要。海や水辺の天候知識、優れた状況認識力と意思決定能力、多動性や手腕の安定性などの身体能力が問われ、
季節や観光ニーズに応じて雇用は増え続ける傾向。
- 伐採機械作業員(米国内推定就業者数 2万3,720人)
重機の操作とメンテナンスに関する深い知識と操作能力、経験が問われる職種で、チームで仕事をするケースが多いことから、
優れた協調性とマルチタスク能力、さらには良好な体調と、タフなスタミナが問われる業種。/li>



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