ピュー・リサーチ・センターが2025年に25カ国を対象に実施したのが、各国の道徳性に関する世論調査。
この調査では25カ国の成人を対象に、飲酒、不倫、ギャンブル、同性愛、人工妊娠中絶、ポルノグラフィなど、9項目における道徳観を調査した上で、
同胞(自国民)の人間性が善良であるか、すなわち倫理や道徳について「良い」か「悪い」の評価を求めましたが、
その結果、対象国の中で、唯一、自国民を「悪い」と回答した人々が過半数を超えたのがアメリカ。
逆に自国民が「善良だ」と答えた人々が最も多かったのはアメリカの隣国、カナダ。
日本は、カナダ、インドネシア、インド、スウェーデン、オーストラリアに次いで6番目に「善良だ」という回答が多い国でしたが、調査対象国のラインナップは、以下のグラフの通り。
国によっては宗教観が道徳に大きく介入しているケースがありますが、
アメリカが自国民の道徳観に厳しい回答をした様子は、アメリカのメディアやインフルエンサーの間では、「ショッキング」という声と、
「トランプ政権下の現在は当然の結果」という意見に分かれているようです。
アメリカが唯一自国民に厳しい評価を下している要因が、「分裂された政治観にある」という指摘は多く、
政党別に見てみると、民主党支持者、および民主党寄りの無党派層は、共和党支持者や共和党寄りの無党派層に比べ、同胞のアメリカ人を道徳的・倫理的に「悪い」と評価する傾向が遥かに顕著(60%対46%)。
また過去の別の調査との比較でも共和党・民主党の双方の支持者が、「対立政党の支持者は非道徳的である」と考える人の傾向が高まっているとのことで、
単なる政治思考や考えの違いとして認識するのではなく、相手の道徳観や人格を否定的に捉える人々が増えている様子を示しています。
ただし、こうした党派や政治思想による分裂は、アメリカ特有のものではなく、調査対象国の半数以上において、政権政党を支持していない人々は
自国の同胞市民を非道徳的であると見なす傾向が強いとのこと。
それでもアメリカ人が、対立政党支持者を非道徳と見なす傾向が強いのは、アメリカ人が全般的な物事の判断にモラルの善悪を持ち込む傾向が強いことが挙げられ、
これは多様な価値観を持つ移民国家では、唯一、そしてどんなバックグラウンドの人々にもまかり通る価値観。
それとは別に、世界的にSNSで溢れているのが極右保守派の陰謀説や危険思想。ヒットラーやナチスを賞賛し、人種差別、女性蔑視等を堂々と謳うプロパガンダや陰謀説は
民主党リベラル派、無党派層のリベラル派が、対立思想を危険視する大きな要因。そしてトランプ政権の存在がそれに拍車を掛けていることも指摘されています。
上は同性愛とポルノに関する調査結果で、同性愛を不道徳と見なす人々は、どの国でも男性が圧倒的に多く、女性の方が理解を示しているのが特徴。
ホモセクシャル人口の方が、レズビアンの人口よりも遥かに多いにも関わらず、この結果は興味深いとも言われるもの。
ここで驚くべきは、同性婚が合憲なアメリカより日本の方が同性愛を不道徳と考える人々が少ないこと。
ちなみにアメリカは第二期トランプ政権になってから、LGBTQコミュニティへの風当たりが強くなっているけれど、トランプ政権に多額の献金をするアップル、オープンAI等のCEOはゲイで、
トランプ政権を裏で牛耳るヴェンチャー・キャピタリスト、ピーター・ティールもゲイ。政権関係者にも多数のクローゼット・ゲイが存在しているのだった。
逆にポルノに関しては女性の方が男性よりも批判的で、調査対象国の中で最もポルノにオープンマインドだったのが他ならぬ日本で、これはある意味で納得される結果。
最もポルノに厳しかったのがインドネシアで、女性と男性でポルノに対する見解が最も異なるのが韓国とスペイン、次いでメキシコという結果になっているのだった。
上はギャンブルとマリファナという、レクリエーショナル要素がある社会的タブーに関する見解。
ポルノ同様にギャンブルにも最も厳しい見解を示しているのはインドネシア。逆にギャンブルに寛容なのが、第二期トランプ政権になる前は
ラスヴェガスに年間最多の旅行者を送り込んでいたカナダ。それに次ぐのがアメリカで、アメリカはスポーツ・ベッティングが合法になり、
昨今では社会問題や選挙結果など、世情に関する予測マーケットでも賭けが出来るようになっているので、その選択肢は広がる一方。
マリファナに関しては、低学歴の人々ほど寛容かと思いきや、実際には高学歴の人々の方が安全なドラッグと認識して肯定する傾向が顕著。
国別で最もマリファナに寛容なのは、マリファナ栽培ビジネスが拡大しているカナダとアメリカで、何方もマリファナ違法時代から
愛好家が多く、罪悪感無しにマリファナ喫煙をしていた国。
ここでもインドネシアが最もモラル的に厳しく、トルコ、そして大麻取締法が厳しい日本もマリファナを害悪、不道徳と見なす国の上位になっているのだった。
25カ国の総計で、モラルをジャッジした9つのポイントについての見解を観てみると、25カ国共通で最も道徳的に受け入れられないという意見が多かったのが不倫。
離婚に関しては、カソリックでさえ柔軟な考えを示しているとあって、年々道徳的に認める意見が増えて居るものの筆頭。
避妊についてはアメリカの超保守派が人工妊娠中絶と共に違憲扱いに使用とする動きがあるものの、世界的には避妊をせずにセックスをする方が無責任と見なす傾向が顕著。
飲酒については道徳的にはさほど問題はなくても、世界的に飲まない人口が増えており、道徳よりも健康上の問題、もしくはお金の遣い方の問題と見なされる傾向が強いのだった。


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