プロのデコレーターがアドバイスする、
家の中がチープに見える 10のインテリア・ミステイク
Published on 7/18/2021
パンデミック中のアメリカでは都市部から郊外へ引っ越した人、自宅勤務のためのホーム・オフィスを作るために家の模様替えをした人などが非常に多く、
売れ続けたのが家具やデコレーション・グッズ。
それもあってプロのインテリア・デコレーターによるYouTubeのチュートリアルビデオが
多数のビューワーを獲得していましたが、インテリアの世界でも風水の世界でも、
好ましくないのは殺風景でパーソナリティが感じられない部屋や空間。
そうした家にはエネルギーが宿らず、家としての愛着が沸かないので安らぎも得られないとされています。
しかしせっかくデコレートをしても、安っぽく見える空間では そこで暮らしているうちに 人間性も安っぽく、鈍感になってきてしまうことはデコレーターでなくとも語ること。
それほど住む空間は人間に大きな影響を与えます。
もちろんインテリアにお金を掛けられればそれにこしたことは無いものの、お金を掛けなくても高級感のあるインテリアは演出できるというもの。
でもまず誰もが取り組むべきは部屋を安っぽく見えるミステイクを無くしていくことで、
以下にご紹介するのはプロのインテリア・デザイナーがアドバイスする家をチープに見せる10のミステイク。
日本とアメリカでは住宅事情が異なるとは言え、どの国にも当てはまるようなアドバイスで、
これらのミステイクを改善するだけで、部屋の雰囲気がグレードアップするはずです。
1. 照明器具に投資をしない
古い家やアパートでは 何年も前からあった照明器具がそのまま使用されているケースが少なくありませんが、
それをLEDライトに変えるだけで電気代が大きく節約できるだけでなく、部屋の印象も大きく変わります。
それは照明器具のルックスが改善されることもありますが、やはりモダンな照明器具は柔らかい光で部屋を明るくしてくれるので、
それに伴って部屋の印象もグレードアップします。
間接照明を増やして、壁や天井を照らすライトを増やせば更に理想的。
新しい照明器具はライトのカラーがブルー系、オレンジ系など、バルブの種類によって異なるので、それらを統一することも大切です。
2. 電子機器のコードが出ている
多くの電子機器がコードレスになってきただけに、益々目立つようになったのがコード。
部屋をチープに見せないためには、ありとあらゆる電子機器のコードを隠すの大切なポイントの1つ。
幸い今や充電までワイヤレス時代。しかもコードを隠すためのグッズが充実し、ラージ・スクリーンTVの場合コードは壁の裏に隠すなどが少しの投資を惜しまなければ、
アグリーなコードの問題は解決します。
3. IKEAの家具で部屋中が占められている
IKEAのファニチャーはリーズナブルな価格で、スタイリッシュなものが多いのはプロのインテリア・デザイナーも認めるところ。
そのためプロによるデコレーションでも頻繁に用いられる傾向にありますが、
問題はそのスタイルがあまりに知られていること。そのためIKEA製品で固めたインテリアは、「安い家具で揃えた」という先入観が部屋を安っぽく見せてしまうもの。
たとえIKEA製品の知識が全く無い人がみた場合でも、IKEA製品には組み立て家具特有のディテールや雰囲気がある反面、
多くの人々にアピールする無個性なものが多いので、一見スタイリッシュに見えても パーソナリティが感じられない部屋になってしまうことは避けられない状況。
プロのデザイナーの暗黙のルールには「IKEAアイテムは1部屋3つまで」というものがあるとのことで、
IKEAの家具を他のアイテムと上手くコーディネートして、ゲストが「これがIKEAの商品?」と驚くような高級感をクリエイトするのがインテリア・デコレーションのヴィクトリーの法則。
そのためにはカラーやテクスチャー、スタイルをエクレクティックにミックスするのが現在のトレンドです。
4. ソファーをセットで買い込む
IKEA製品一色の部屋よりもプロのデコレーターが問題視するのが、ソファーやチェアをセットで購入して、
1960年代のエアポート・ラウンジのようなインテリアにしてしまうこと。
見た目に統一感があるからと言って、雰囲気が良い訳でも、特に落ち着く訳でもないのがこうしたインテリア。
既に手持ちのソファー・セットがある人は、一部を別の部屋に移すなどして、部屋に入った途端に目に飛び込んでくる
ソファーの同じ素材のインパクトを軽減して、別のファニチャーとミックスすると「自分のためのスペース」という愛着が持てる空間になります。
それが出来ない場合には、視覚的にインパクトがあるクッションを複数置くのも有効です。
5. 大量生産アートを壁に飾る
写真上左はIKEAで大人気の写真のアート。中央はアメリカの大手家具チェーンで人気のアート商品で、
どちらもその出所が分からなくても、高い物でないのは一目瞭然。
インテリアのプロなら誰もが「部屋の雰囲気に高級感と居心地の良さをもたらすには、家具よりも 壁と床が重要」と語る通り、壁をどうデコレートするかは大切なポイント。
何も飾らない状態は部屋が素っ気なく、つまらない印象になるだけでなく、家への愛着も薄くなっていきますが、
飾るのであれば部屋全体の雰囲気を引き立てるもの、心が和むものを選ぶこと、面倒だからといって妥協をしないことが良いウォール・アートを選ぶカギ。
大判のアートが買えない場合は、小さなフレームを組み合わせるのも有益な手段。
適当なアートが見当たらない場合は、鏡を飾ると部屋が明るく、広く見えて、風水のパワーも高まります。
6. ベッドやソファーが壁にくっついている
部屋を広く見せようとして陥りがちなのがベッドやソファーを壁や部屋のコーナーにくっつけて置くというミステーク。
ベッドを部屋のコーナーにくっつけると、途端に寝室が学生寮のように見えてしまうだけでなく、ベッドメークがし難くなるので
常に 起き抜けの状態になってしまうのはありがちな傾向。
カップルのベッドを壁にくっつけてしまうと、壁側で眠っている側が相手を飛び越えてしかベッドへの出入りが出来ないとあって、
日常生活でも立場が弱くなり、不満を抱えるようになるので、その結果カップル間の仲も悪くなるのがこのインテリア。
リヴィングのソファーを壁にくっつけてしまう場合は会話がし難い、TVを見るだけの空間になってしまうケースが多く、
インテリアの世界で重んじられる部屋の空気のフローが損なわれてしまいます。
これは空調と言う意味ではなく、心地好い空間に漂うムードのことで、ソファーやテーブルを部屋の中心に持ってきて、団らんがし易い
セッティングにした方が 自分の目の前だけでなく、自分を取り囲む360度にゆったりとした空間や良い雰囲気が感じられるようになります。
7. ベッドルームがマッチング・ファニチャーで占められている
ベッドルーム・ファニチャーをコーディネート買いするのは、インテリアを考える必要が無く、しかもコスト削減にもなること。
しかしながら家具店のショールームのインテリアが、そのまま自宅で再現されるのは見た目に安っぽく、
パーソナリティが感じられないだけでなく、知らず知らずのうちに自分の思考やセンスも型にはめられていくことを意味するもの。
「どうせ寝ている時間しかベッドルームに居ない」などと、ベッドルームのインテリアを軽視する人は少なくありませんが、
寝室は眠りだけでなく、目覚めという大切な時間を過ごす場所。
既にマッチング・ファニチャーを所有している場合には、そのうちのチェストやサイドテーブルを他の部屋で使うなどして、
ファニチャーに部屋の雰囲気を占拠されてしまう状況から脱することがお薦めです。
さらには ”6” のベッドを壁にくっつけて配置するミスのセクションでもご説明した通り、
ベッドの位置もとても大切で、カップル円満のためや 独身でもバランスが取れた生活を送りたい場合には、
ベッドを中心としたシンメトリーのインテリアにすることが大切です。
8. サイズが中途半端 Or マッチしないラグ(エリア・カーペット)
前述のようにプロのデコレーターがインテリアで最も大切と語るのが壁と床。一般人が犯しがちなミステイクは、部屋のサイズやシェイプにマッチしないラグ(エリア・カーペット)を敷いてしまうことで、
特に写真上左のように小さ過ぎるラグを敷くと部屋が安っぽく見えるだけでなく、部屋の中の歩き方まで制限される気分を味わいます。
ちなみに英語でウォール・トゥ・ウォール・カーペットと呼ばれる、部屋一面の絨毯敷きつめは既に時代遅れ。床と壁のカラーや素材を考慮して、
家具等と総合的なバランスを取るカーペット選びがとても大切。また椅子を動かす度にカーペットがめくれたり、引っかかったりしないようにすることも怪我を防ぐために大切です。
9. 脱いだ靴がエントランスに出ている
近年ではアメリカでも 子供が居る家庭を中心に玄関で土足から部屋履きに替えるのは珍しくないこと。それを実践しているしていないは別として、
エントランス・エリアにシューズが並んでいる、もしくは脱ぎ捨ててあるのは ゲストの第一印象を悪くするだけでなく、自分の家に帰ってきた途端に
あまり気分が良くない思いをする要因。
今ではアメリカでも日本の下駄箱のような場所を取らず、出し入れが簡単なシューズ・クローゼットが登場している他、クローゼットを効率の良いシューズの収納用にコンバートする手段も増えてきているので、
それらを利用して余分なシューズを収納するのは住居をチープに見せないためにはマストの計らいと言われます。
10. 装飾品以外を外に出しておく
部屋の模様替えなどしなくても 部屋の雰囲気をグレードアップする最も手っ取り早い手段であり、多くの無精な人が犯しているミステイクが 頻繁に使うものを収納せずにすぐに使える便利な場所に出しておくというもの。
便利な場所というのは往々にして部屋の中で目立つ場所。そのため出しおいた物のせいで部屋がチープで煩雑な印象に見えてしまうのは非常にありがちなこと。
冷蔵庫やコンピューターの周りにポストイットでメモが沢山貼り付けてあったり、キッチン・カウンターに頻繁に使うグッズが出しっ放しになっていたり、1人暮らしの女性の家のダイニング・テーブルにスキンケアや化粧品が置いてあるなど、
「便利だから」という理由で物を出し放しにしたり、メモを張り付ける習慣は それを片付けた時に便利と引き換えに それ以上のストレスの原因になっていたこと、
お金に縁が無いインテリアにしていたことに気付くとさえ言われます。
どうしても出しておかなければならないものは 見場の良いトレーの上に纏めて置いたり、使い勝手の良い棚を購入してコンパクトに収納することがお薦め。
また何処に何を置いたか分からなくなることを心配している人は、新しい物の置き場のリストを作って、新しい場所に慣れるまではそのリストをチェックするようにすると、
物が見つからないイライラを経験せずに済みます。
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