July Week 5, 2022
“Kelly Chain Jewelry”
ケリー・チェーン・ジュエリー
日本を含むアメリカ国外の友人とコンタクトすると 必ず訊かれるのが「NY(もしくはアメリカ)の景気ってどうなの?」という質問。
私に言わせるとNYは景気の現状を知るには全く指針にならない街。インフレが進んだとは言え 以前から物価もレントも高かったので、
TVのニュースでインフレの家計への影響を語る他州の住人のコメントを聞いていると「ちょっと大袈裟なのでは?」と思えるのが実情。
またNYには景気動向に関わらず同じ生活レベルを保てる人々が数多く住んでおり、シーズンに関わらず同様の経済レベルの人が世界中から頻繁に訪れるとあって、
レストランに出掛ければ常に座席は埋まっているし、街中はプレパンデミック・レベルとほぼ同等の混み合い。
でも個人的に危惧しているのは、特にダウンタウンに出向くと 清掃やゴミ回収が行き届かない部分が目立つのに加えて、やはり犯罪が増加していること。
発砲事件と殺人に関しては 増えたように思えるものの、実際には今年の上半期を終えた時点では前年より若干の減少傾向。
それよりも急増しているのが強盗や窃盗。
特に近年は なかなか罪に問われないティーンエイジャーが犯罪組織の手先になって犯行を繰り返す傾向が顕著で、
車やジュエリー等、以前なら売りさばく段階で逮捕されていたものが、組織によって州外や海外で問題なく売りさばかれてしまうのだった。
こうした強盗や窃盗は ストアを狙う大々的な犯行から、ストリートを歩く人を狙うものまでが増えているけれど、
数年前であれば通行人から奪うものと言えばもっぱらキャッシュとスマートフォン。でも今ではゴールドチェーンや時計もしっかり奪い取って行くようになっており、
少し前にレストランの前でUberを待っていた私の友人は、通り掛かりのティーンエイジャーのグループが彼女のネックレスを獲物のように睨みつけたのに
恐れをなして 店の中に戻ったと話していたのだった。
実際に 現在と同様にインフレが進んで治安が悪化していた1970年代のNYで起こっていたのが、
通行人がつけていたゴールド・ジュエリーが掴み取られる犯罪。
そのため投資目的を兼ねてゴールド・ジュエリーを購入してきた私は
「せっかくの大事なジュエリーを、何も今のご時世に あえて危険にさらさなくても…」という気持ちが高まっていたのだった。
そのため 外出の際には CUBE New Yorkでもベストセラーになっているロック&ボール・ハードウェア・チェーンを毎回のように身に着けてきたけれど、
これは友達にも、レストランやラウンジのメートルディーや来店客にも褒められるので私にとっては大ヒット・アイテム。
でも こればかり着けていると、そろそろ気分を変えたくなるのが女心というもの。
そこでハードウェア・チェーンのように アイキャッチ―でブランド・アイデンティティを感じさせるデザインでありながら、
シンプルでコーディネートし易く、レイヤーにもし易いジュエリーをインスパイア商品の中から探そうと思ったけれど、
今回はダイヤ(=ジルコニアかクリスタル)をあしらったデザインにしようと考えていたのだった。
ということで 私が新たに購入したのがケリー・チェーンのネックレスとブレスレット。
何故これを選んだかと言えば、先ずチェーン自体が ”ペーパー・クリップ” という私がこれまで持っていないスタイルであること。
実はペーパー・クリップ・チェーンは、昨年ハードウェア・チェーンをダイヤモンド・ディストリクトで見つけなかったら購入しようと思っていたチェーン。
シンプルかつモダンでリンクが大きめなので つけていると目立つデザインで、レイヤーにも最適なところが気に入っていたのだった。
加えてセンターにCZを埋め込んだバックルがあしらわれているのも
チェーンだけの物足りなさを補ってくれるだけでなく、リンクのシェイプにもマッチした格好のアクセント。
またクロージャーをどのリンクにも引っかけることが出来るので、全長約45cmのネックレスをチョーカーのようにつけることも可能なのだった。
私がインスパイア・ジュエリーを購入する際のポイントは オリジナルを購入すると馬鹿らしいお値段のものを
出来れば本物に見間違えてもらえるようなクォリティで選ぶこと。
こうすることによって本物に見えたとしても、見えなかったとしても褒められるのがインスパイア・ジュエリー。
ケリー・チェーンに関しては ネックレスのオリジナルが課税前で約1万3000ドル、ブレスレットが課税前で約1万1000ドル。
それが中古市場だと ネックレスが約7000~9000ドル、ブレスレットが5000~8000ドル程度に値崩れしているのだった。
私はそもそもデザイナー物、一流宝飾店のゴールド・ジュエリーは使用されているゴールドの量を考えると価格が高過ぎるので、
時代に関わらず値崩れしない一部のアイテムを除いては 賢い投資とは思ってないけれど、中古になった途端に
コンディションが良くても 価値が4分の3以下になってしまうようなお金の遣い方はよほどの大金持ちになってからでも控えるべきこと。
そもそも今はリセッションに備えて余計な出費は控えるべきであるけれど、だからと言って 安物を身に着けるのは逆に
お金が逃げて行く要因。なので景気が安定するまではクォリティの高いインスパイア・ジュエリーを選んで愛用しようと思うのだった。
執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |
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