TikTokを始めとするSNSで、今もコンスタントにアクセス数が稼げるコンテンツと言われるのが1990年代のスーパーモデルの写真や映像。
スーパーモデルという言葉が一般に大きく広まったのは1988年、シンディ・クロフォードがプレイボーイ誌でヌードを公開した際に、その表紙に
「スーパーモデル、シンディ・クロフォードをスーパーフォトグラファー、ハーブ・リッツが撮影」というヘッドラインがフィーチャーされて以来のこと。
スーパーモデルが登場するまでのモデル業界は、オートクチュール等のランウェイを歩くモデルと、雑誌やCMに登場するモデルは別カテゴリーで、前者に長身、スタイルの良さ、
華麗な歩き方が要求されるのに対して、後者は大衆にアピールする顔立ちや個性、キャラクターが優先され、必ずしも長身とは限らなかったとのこと。
それに対して、ランウェイもCMもファッション誌のグラビアも飾るスーパーモデルは、雑誌や広告でアピールする顔やキャラクター、長身かつ抜群のプロポーションを持ち合わせるまさにスーパーモデル。
雑誌や広告でその名前と存在が知られるスーパーモデルがランウェイを歩くようになった以来、彼女らの高額ギャラが払えるシャネル、ヴェルサーチ、ヴァレンティノといったブランドのファッション・ショーや
アフター・パーティーは、ファッション以外のプレスやセレブリティが多数訪れる大人気イベントとなり、モデル達自身がセレブリティになってしまったのは周知の事実。
そしてミュージック・ビデオにも、無名キャラクターではなく、スターとして登場するようになり、自分達のプロダクトを手掛けるなど、活躍の場がどんどん広がって行ったのがスーパーモデル。
ここではその90年代スーパーモデル全盛期を彩ったリンダ・エヴァンジェリスタ、クリスティー・トゥーリントン、
ヘレーナ・クリステンセン、シンディ・クロフォード、カレン・ミュルダー、ヤスミン・ゴ―リ、エレン・ア―ヴィン、クラウディア・シファー、ナオミ・キュンベルの9人を、3回のシリーズで隔週で毎回3人ずつ、全盛期とその後のルックスを比較しながら、彼女らがその後に歩んだ思わぬ道のりを特集していきます。
まず第1回目は、リンダ・エヴァンジェリスタ、クリスティ・トゥーリントン、ヘレーナ・クリステンセンにフォーカスします。
1965年5月10日生まれ。今年で61歳を迎えますが、
彼女がこれまでの生涯で唯一結婚したのは、エプスティーン・スキャンダルで何度も名前が出たモデルエージェンシー、エリート・フランスの社長、ジェラール・マリー。
リンダより15歳年上のマリーとの婚姻期間は1987年~1993年までで、彼は2020年に複数のモデルにレイプ、性加害で訴えられており、リンダは被害者をサポートするコメントを行っています。
リンダは社長夫人というポジションに加えて、スターメーカーとして知られるフォトグラファー、スティーブン・マイゼルのお気に入りとあって、
強気で傲慢な態度で知られ、IQが高く頭脳明晰なだけにスタッフのミスに腹を立てることが多かったようで、
故カール・ラガーフェルドが「リンダのことは大好きだが、彼女は時折スタッフにとって悪夢ような存在になる」とインタビューで語ったほど。
ジェラール・マリーと離婚する1年前の1992年からは、当時TVシリーズの「ツインピークス」で人気を博していた俳優のカイル・マクラクランと1998年まで交際。
様々なパーティーにカップルで登場してはフラッシュを浴びていた2人ですが、結婚に辿り着くことは無く、その後、リンダはフランスのサッカー選手ファビアン・バルテズと交際し、妊娠。しかし6ヶ月目に流産。2人は2000年に破局、2001年に復縁、2002年に正式に別れるというローラーコースターの交際をしていました。
やがて2006年10月に、リンダは父親の存在を明かさず、男児を出産。妊娠中の2006年8月にはヴォーグの表紙を飾っています。
父親の存在が判明したのは2011年に養育費を請求する裁判をNYで起こした際。父親は、リンダと2005年末から2006年初頭までの4か月間交際し、その後女優のセルマ・ハイアックと結婚したフランスの大富豪で、グッチやボッテガ・ヴェネタ等を傘下に収めるケリング・グループ会長、フランソワ=アンリ・ピノー。 メディアが注目した裁判は、ピノーとリンダが法廷外で和解しています。
その後は Metガラ以外のイベントでは 殆ど見かけることが無かったリンダですが、2021年には「クール・スカルプティング」という脂肪冷却療法を5年に渡って受けた結果、逆に脂肪増殖症によって体重が増えた被害を訴え、
変わり果てた姿でメディアに登場。クールス・カルプティングを傘下に収めるボトックス・メーカーの最大手、アレガンを相手取って5000万ドルを求める損害賠償訴訟を起こし、2022年に法定外で和解。
この報道でリンダに同情したファッション&ビューティー業界が、彼女のメイクオーバーに尽力し、努めて彼女をキャンペーンに起用するようになりましたが、
2023年に入ると、リンダは2018年に乳がんと診断され、化学療法を受け、両側乳房切除術を受けていたこと、さらに 2022年には胸筋に癌が再発し、再び化学療法を受けていたことを公表。
周囲を驚かせおり、波乱万丈な人生を送っています。
1969年1月2日生まれで現在57歳。リンダとはNYでルームメイトだった時代があり、ナオミ・キャンベルを加えた3人を著明フォトグラファー、スティーブン・マイゼルが「トリニティ」と呼びましたが、
実際にはリンダとクリスティが2人でランウェイを歩き、シャネルの広告やヴォーグのグラビアに登場するケースの方が多かったのが実情。
性格の良さでモデル仲間からもデザイナーからも好かれた彼女は、カルバン・クラインのフレグランス、エタニティのモデルを記録的と言われるほど長く続けたことで知られ、
そのキャンペーンに抜擢されたのは、彼女を一目見て気に入ったカルバンが、「僕は既婚で君とは結婚できないから、広告のモデルにしてあげる」と語ったのがきっかけ。
そんな彼女は、METガラが行われるメトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートがオリジナルのマネキンを製作した際に、彼女の顔で型を取って製作したほど、美形な顔立ちで知られる存在。
スーパーモデル全盛期終焉と共に名門NY大学で学び始め、1987年から続けていたヨガにも没頭。ヨガの本を3冊出版。アーユルベーダ関連のビジネスも手掛け、
ボトックスやフィラーとは無縁のナチュラル志向を貫く存在。
チャリティにも熱心で、ヘビー・スモーカーだった父親を肺がんで失ってたことから 禁煙を達成したクリスティは、1997年にStop Smokingを呼び掛ける公共広告に出演。
また自らの出産体験から、母親達に安全な妊娠と出産環境を提供する非営利団体「エブリ・マザー・カウンツ」を設立。
世界中の母子保健プログラムを支援するための活動をプロモートし、このチャリティのために2011年から3年間に渡ってNYマラソンに出場したクリスティは、
4時間台でゴールをして話題を提供していました。
2003年に結婚した俳優兼映画監督のエド・バーンズとは夫婦円満で、二児を設け、娘のグレース・バーンズは昨年、モデルとしてデビュー。
ちなみにクリスティの妹、ケリーはエドの弟、ブライアンと結婚し、文字通り家族ぐるみの付き合いをしています。
1968年12月25日生まれ、デンマーク出身のヘレーナは、デンマーク人の父とペルー人の母の間に生まれ、18歳でミス・デンマークに選ばれたことでモデルのキャリアがスタート。
彼女が一般に広く知られるようになったのは、クリス・アイザックの大ヒット曲「ウィキッド・ゲームス」のミュージック・ビデオにトップレスで出演してから。ヴェルサーチやシャネルのランウェイや
多数の雑誌の表紙にフィーチャーされた彼女は、自ら写真を撮影するようにもなり、1999年にナイロン誌を共同設立して、クリエイティブ・ディレクターに就任。
自らのアパレル・ライン「Christensen & Sigersen」をスタートするなど、ビジネスにも力を注いできた存在で、
2006年には乳がんのチャリティ活動をホストし、2009年には母親の母国ペルーを舞台にした気象変動のドキュメンタリー制作に関わるなど、
幅広く活動。
プライベートでは1991年~95年に掛けてロックバンド、インエクシスのヴォーカリストで1997年に自害したマイケル・ハッチェンスとオン&オフの交際を続けましたが、
ハッチェンスは1992年8月、ヘレーナとコペンハーゲンでデート中、危険な通り抜けをしようとしたタクシー運転手ともみ合いになり、後ろ向きに転倒して頭部を強打。
頭蓋骨を骨折する重傷にも関わらず、直ぐに医療処置を求めなかったハッチェンスは、脳の損傷によって嗅覚と味覚を失い、うつ状態を患っただけでなく、
感情の起伏で攻撃性が高まり、当時バンド・メンバー全員に殺害の脅しを掛ける始末。
ヘレーナは、別れと復縁を繰り返しながら、彼と状態と辛抱強く向き合いましたが、
ヘレーナとの交際前にはカイリー・ミノーグやベリンダ・カーライルといった女性セレブリティと浮名を流していたハッチェンスは、ヘレーナと別れる前の1995年から
イギリスのTV司会者ポーラ・イェーツと交際をスタート。当時ポーラは、映画『ボヘミアン・ラプソディ』にも描かれていた”ライブ・エイド・コンサート”を主催したミュージシャン、
ボブ・ゲルドフと婚姻中で、しかも妊娠中。 ポーラとハッチェンスの不倫に対する世間からのバックラッシュやメディアのフォーカスは、
ヘレーナの自尊心を傷つけたと言われます。
その後俳優のノーマン・リーダスとの交際を始めたヘレーナは、1999年には彼との間に息子、ミンガスを出産。しかし2003年に2人は別れ、
やがて成人したミンガスはルックスの良さを認められて、一時はモデルとして活動。しかし2022年には女性への暴力、
2025年にも複数の傷害罪で逮捕され、ヘレーナもリーダスも心を痛めた様子が報じられていました。
現在ヘレーナはNYのマンハッタンのダウンタウン在住ながら、デンマークのコペンハーゲンとNY郊外のキャッツキルにも家を持っているとのことです。


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