
Mar Week 5, 2025
Sold Out Jeans & Jeans of Desire
完売ジーンズ & ファンシーItジーンズ

ジーンズとTシャツは、過去60年の間にアメリカン・ヒッピー・ファッションから、世界のカジュアル・ファッションの永遠のスタンダードになったけれど
こだわりがある人と、ない人では、払う値段が大きく異なるだけでなく、着眼点や価値観が大きく異なるのは周知の事実。
世の中は引き続きヴィンテージ・ブームとあって、ヴィンテージ・デニム、ヴィンテージTシャツは、高額でもコレクターやマニアが購入する一方で、
今年のスーパーボウルのハーフタイムショーを担当したケンドリック・ラマーは、そのパフォーマンスよりも
彼が履いていたジーンズの方が話題を提供。
ジーンズとTシャツを 今も ”庶民のファッション” と考える人は多いけれど、
ファッションの世界では、富裕層ほどカットやスタイル、素材、ディテール、ブランド・プレステージにこだわると認識されているのがジーンズ&Tシャツなのだった。

そんなデニムに高額を支払う人々をターゲットに、リーバイスが2月1日から日本で発売を開始し、アメリカでも4月から売り出すのがハイプレステージ・ライン、”ブルー・タブ”。
これは大人世代をターゲットにしたラグジュアリー・ラインで、日本で先行発売されたのは日本製デニムを用いて日本で生産されているため。
ファッション界で日本製デニムと言えば、デニムの中でも金字塔素材。そのためリーバイスは何年も前から 一部の生産を日本で行っており、
ブルー・タブは日本の伝統的な素材へのこだわりと、トレンドに沿ったモダンなデザインを融合させたラインとのこと。ブルー・タブの価格はボタンダウン・シャツが約2万円でリーバイスとしてはかなり高額。
ちなみにデニム・コレクターにとって、最もプレステージが高いのは、希少なLevi'sのタブのデニムを身に着けること。
オレンジ・タブは1960年代、シルバー・タブは1980年代、1990年代で、 "LEvi’s"とEが大文字になったレッド・タブのアイテムは、オンラインで6000ドルで落札されたこともある超レア・アイテム。
タブのカラーやスペルを買えることで、プレミアム価値が生み出せるのは リーバイスならではの強みなのだった。

そんな中、発売以来あっという間に完売したのが、アディダスのジーンズ。
トレードマークの3本線がサイドに入ったジーンズはブラック&ブルー・デニムで発売され、お値段は90ドル。
実は私もブラックをオーダーしたものの、ワンサイズ下と交換しようとしたところ、既に完売してい、諦めたのがこのアイテム。
アディダスで完売するということは、ただならぬ数が売れたことになるけれど、
Eベイなどの再販サイトに出回っている数は非常に少なく、売られている場合は、2倍以上の価格。
アディダスは、既に生産をストップしたビヨンセとのコラボ・ライン、Ivy Parkで写真上右のようなデニムを手掛けていた他、
昨年にはデニムでスニーカーを完売させており、今後デニムに力を入れると言われるのだった。

話は変わって、目下私が気に入っているブランドの1つがニリー・ロータン。ジジ・ハディド等のモデル達が好むブランドとしても知られるけれど、
過去数年のクワイエット・ラグジュアリー・ブームに乗って、人気を急上昇させている存在。
ニリー・ロータンが人気を高めた要因の1つが、ラグジュアリー・ジーンズの優秀さ。そもそもパンツ・ルックに定評があるブランドではあるけれど、
ジーンズは日本製のデニムを用い、優秀なカットや独特のデザイン・ディテールでカルト的な人気を誇るもの。
その価格はデザインに応じて370~650ドと高額だけれど、
ファッショニスタの間ではニリー・ロータンのジーンズを着用しているというと、一目置かれるほどのプレステージ。
そのジーンズに ニリー・ロータンのシルク・ニットTシャツをコーディネートしていたら、更にポイントが高くなるけれど、こちらも約400ドルという高額品にも関わらず、ほぼソールドアウト。
今や Tシャツ、ジーンズ、スニーカーというカジュアル・スタイルが2000ドルを超えても全く驚かないご時世で、
それだけの金額を Tシャツ、ジーンズ、スニーカーに払えることこそがステータスになっているのだった。
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執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |


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