Apr. Week 2, 2021
”Wardrobe.NYC”
リエンタリング・ワードローブ


ワクチン接種者が増えているアメリカでは、ここへ来てかなりノーマルな生活が戻りつつあるけれど、 通勤に関しては多くの人々が パンデミック以前の週5日オフィスに通う生活から オフィス&自宅勤務のハイブリットを望んでおり、企業側もそれを認める意向を示しているのが現在。
そんな状況でのリエンタリング(通常への復帰)だけに、当然変わってくるのが通勤ワードローブ。 そもそもパンデミック中に日本でもアメリカでも誰もが行ったのが いわゆる断捨離。 その結果、アメリカでは過去数年 H&M やZARA等のファスト・アパレルで毎週のように買っていた衣類を 大量に処分した人々が多く、「ソーシャル・メディアに毎回違う服の写真をポストしないと…」といった強迫観念や 定期的に衣類を購入する習慣のせいで、どれだけ無駄な出費をしてきたかの反省を強いられているのだった。
その一方で現在の人々のマインドセッティングは「たとえオフィスに出掛ける日でも 以前のような堅苦しい服装はしたくない」というもので、 服を増やさないためにもオフィスウェアにコンバート可能な定番的日常着アイテムを求める声が高まっているのだった。




そんなニーズをそのまま実現したようなブランドが Wardrobe.NYC/ワードローブ.NYC。 ニューヨークのブランドであるものの、デザイナーはオーストラリア出身のクリスティン・センテネラとジョシュ・グートの2人。 2人が同ブランドをスタートしたのは2017年のことで、 日常のワードローブに不可欠で、さまざまなコーディネートが可能な4ピース、8ピースのアイテムをパッケージにして 自らのブランドのウェブサイトで販売。 極めてベーシックなアイテムを揃えたカプセル・コレクションは まずはファッション業界で高い評価を得たけれど、 それもそのはずでWardrobe.NYCのラインは上質な素材、優秀なテーラリング、ボディラインを美しく見せるカットで、 トレンドとは無関係に長年着られるアイテムを選りすぐったようなコレクション。
人は誰もが 支払った金額以上に活躍した服、もしくは「ふと気づくと10年着用している」というような ”元を取った”アイテムを クローゼットに幾つか持っているものだけれど、 Wardrobe.NYC は まさにそんなアイテムを選りすぐって、コーディネートし易いカラー・パレットやパターンで製作したラインナップで、 殆どの商品がパーマネント・コレクション。 すなわち毎年定番として製作されるもので、シーズンごとに新しいアイテムが加わって行くのだった。




こうしたベーシックなアイテムは ファッションに関心が無い人にとっては、 数種類のコーディネートをノーブレイナー(考えること無しに)でユニフォームとして着用できる魅力がある一方で、 ファッショ二スタにとってはこれらをコア・アイテムにして、それに季節感やトレンド要素を盛り込むことによって 余計な出費を増やさずにスタイリッシュに装える利点をもたらすもの。
Wardrobe.NYCのビジネスがユニークな点は、ブランドが打ち出す”Look=コーディネート”をそのまま纏め買いをすると、 ディスカウントが適用されることで、実際にLookの全アイテムを購入した方が 手持ちの服と合わせるにしても、個々のアイテムの活躍頻度が高いことが指摘されているのだった。 以下はそんなLookを構成するアイテムをブレークダウンしたビジュアルであるけれど、 1点1点では どうということもないアイテムに見えるのは事実。 でもそれをトータルでコーディネートした途端にスタイルがオーラを放つのもまた事実なのだった。






Wardrobe.NYCのアイテムは複数シーズンに渡って着用し、着潰してしまったら また同じアイテムが購入できるようにデザインされているとあって、 着心地や機能、タイムレスなシルエットが重視されているのは言うまでもないこと。 加えて縫製や素材にもこだわっているので当然のことながらお値段は決して安くはなくて、4ピースのワードローブが1000~3500ドル。 単品だとトレンチ・コートが1200ドル、ブレザーが950~1050ドル、レギンスが200~450ドル、Tシャツが100~150ドル。
でもこのお値段を出さなくても、ウェブサイトでどんなアイテムがどんな風にコーディネートが出来るかを学んで、 似たアイテムを探すのでも十分。 私自身は、フィッテド・ロング・スリーブTシャツ(150ドル)を購入。 これはWardrobe.NYCでしか買えないタイプのTシャツで、素材がハイウエストで切り替えになったデザイン。 昨今はカジュアルさが控えめのTシャツの活躍チャンスが多いので選んだけれど、フィットや着心地も含めて とても気に入っているのだった。
Wardrobe.NYC Website : https://www.wardrobe.nyc/

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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