2025年、40周年を迎えたピープル誌が選ぶ ”Sexiest Man Alive”
かつてホットだったタイトルが 注目されなくなった理由ときっかけは?
Published on 11/06/2025
今年で40周年を迎えたのが ピープル誌が選ぶ毎年恒例の ”Sexiest Man Alive”。
2025年度に選ばれたのは、ネットフリックスの人気シリーズ「Bridgerton (ブリジャートン家)」や映画、「ウィキッド」の出演で知られる
ジョナサン・ベイリー(37歳)。
かつてはメディアと人々の注目が集まったタイトルですが、今では驚くほど関心が衰えてしまい、
昨年、2年前に誰が選ばれたかなど知らないのは当たり前で、今も ”Sexiest Man Alive”に選ばれた顔ぶれで
誰もが覚えているのはブラッド・ピットやジョージ・クルーニー。
人々の関心が失せた要因の1つは、まずピープル誌という雑誌の影響力が衰え、人々の関心がオンラインにシフトしたこともありますが、
この企画の人選はハリウッドを中心に行われるとあって、新しい若手スター不在の中で毎年選んでいれば、
顔ぶれや規格がマンネリ化して来るのは当然と言えば当然。
以下では過去40年のSexiest Man Aliveの顔ぶれを振り返りながら、この企画が全盛期を迎え、そこから衰退していく経緯を
解説しています。
スタート & ブースト 期
Sexiest Man Aliveの第1回目のメル・ギブソンは、実は選ばれたのではなく、彼のインタビュー記事のヘッドラインだったのがSexiest Man Alive。
しかしそれが ”Sexiest Man Alive” というタイトルに ピープル誌が彼を選出したのだと誤解されたことで 生まれたのがこの企画。
その後2年間はパッとしないTV俳優のチョイスで話題になりませんでしたが、1988年に 当時メディアが注目し始めた長身でハンサムな ジョン・F・ケネディを選んだことから、
一気に話題と注目が集まったのがこのタイトル。
当時NYで司法試験を受けていたJFKジュニアをセレブリティとして扱う話題性を求めていた全米のメディアが 飛びついたのが Sexiest Man Alive という肩書。
以来、Sexiest Man Aliveは 1999年の飛行機事故で死去するまで、彼の代名詞のようになっていました。
プレ全盛期

JFKジュニアを選出して、大きな注目を集めた翌年に 当時「インディアナ・ジョーンズ」シリーズでハリソン・フォードの父親を演じたショーン・コネリーを選び、
年齢とは無関係のセクシーさ評価したのも この企画が盛り上がった要因。
その後も映画「ゴースト」で人気だったパトリック・スウェイジーや、人気絶頂だったブラッド・ピット、ジョージ・クルーニーをベスト・タイミングで選出し、
デンゼル・ワシントンをアフリカ系アメリカ人から初めて選んだことも、話題と注目を大いに集めました。
全盛期

Sexiest Man Aliveの注目度と、タイトルのステータスが最も高かったのがこの時期で、選ばれた男性俳優がまるで オスカーを受賞したかのように讃えられていました。
その顔ぶれも時代のセクシーを反映したものや、ハリウッドでの存在を考慮して当然のチョイスになっていました。
倦怠期

この時期にジョージ・クルーニー、ジョニー・デップが2度目の選出を果していますが、毎年選ばれるのは、その年話題のハリウッド映画の主演男優である場合が多く、
予測可能になっていたのがこの時期。アダム・レヴィーンはシンガーとして初選出。
この時期になると、ピープル誌はSexiest Man Aliveの特集号で、”Sexiest Dad”, "Sexiest Hair"等、
100人以上の男性にセクシーのタイトルをつけて、セクシーの安売りをしていました。
ネタが尽きて、関心を失った期
選ばれても不思議ではない面々が並んだとはいえ、ネタが尽きて新鮮味が失せた感が否めなかったのがこの時期。
デヴィッド・ベッカムはアスリートしては初の選出。ブレーク・シェルトンはシンガーとしては2人目ですが、
彼もアダム・レヴィーンも リアリティTV「VOICE」のジャッジとして人気を集めての選出。ブレークの場合、妻のグウェン・ステファニの存在が受賞の要因。
ドゥウェイン・ジョンソンはセクシーの拡大解釈のチョイス。
プレ氷河期
2018年から3年連続アフリカ系アメリカ人の選出になってしまったのは、この企画が一般大衆から完全に飽きられた大きな要因。
2020年はブラックライブス・マターの運動が盛り上がっていたことから マイケル・B・ジョーダンの選出は妥当だったとはいえ、
黒人層が人口に占める割合を考慮すると、3年連続の黒人チョイスは、ピープル誌のメイン読者であるゴシップ好きな白人層にはアピールしなかった選択。
翌年に選ばれたポール・ラッドも、何故選ばれたかが分からない人選で、いよいよ選ぶ人間が居なくなった印象を高めていました。
そろそろ潮時期
殆どメディアもSNSも注目しなくなったのが今年を含めた過去4年。
パトリック・デンプシーンいついては、「グレーズ・アナトミー」の人気全盛期に選ばれなかったことで、抗議運動が起こりましたが、
それから遥かに遅れての選出には人々は無反応。
今年選ばれたジョナサン・ベイリーは、新鮮な存在とはいえ、知名度や注目度はかつての
ブラッド・ピットやジョージ・クルーニーとは比べ物にならないほど低いとあって、
アピールが極めて弱いと言われる人選。この企画を続けるには無理があるだけに、40周年を最後に止めるべきとの声も聞かれています。

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