Oct Week 2 2025
I've been wasting my time and my money
”恋愛感情で、若い男性に貢いでしまいました”




3年半前にアメリカ人の夫と離婚したアラフォーです。
もう男性とのお付き合いはせずに、1人で生きて行くことを考えていたのですが、仕事絡みで13歳下の20代の男性と出逢いました。 彼は背が高くて、爽やかな印象の好青年という感じで、ある時、偶然ランチを買うお店で会って、その時に私のランチと一緒に会計をしてあげたら、 そのまま一緒にランチをすることになりました。
私は小さい頃からピアノを習っていたのですが、彼も父親がミュージシャン、母親が音楽教師で、ピアノを習わされていて、年齢の割に大人びていると思っていたら、5人兄弟の長男で、 仕事で忙しい母親に代わって弟や妹の面倒を見る子供時代だったことなど、いろいろ話してくれました。 若いのに私と同じクラシック音楽と読書が趣味の彼とはすごく話が合って、以来私達は時々プライベートで会って食事をする仲になりました。
彼はその時、暗号通貨関連のビジネスを友達と立ち上げたばかりで、あまりお金が無い時期だったので、私が食事をおごってあげたり、 コンサートやオペラに連れて行ってあげるのをすごく喜んでいました。 私は私で、それまで1人で出掛けていたコンサートや、好きな作家のディスカッション・イベントに一緒に行ってくれる相手が出来たことを喜んでいたのですが、 やはり男性で、若くてルックスが良かったので、最初は子供扱いしていましたが、どんどん恋愛感情が盛り上がってきてしまいました。
表向きには彼の恋愛相談相手にはなっていたので、彼にはその気はなかったのだと思います。でも一緒に出掛けると、挨拶のキスやハグ、 歩いている時に腕を組んだりしますし、彼は扉を開けてくれたり、レディファーストを徹底しているので、女性として扱われる喜びはどんどん大きくなっていきました。 私は彼にオバサンっぽく思われたくない一心で、服やメーク、スキンケアにお金を掛けるようになって、ヨガも初めて、彼をヨガクラスに連れて行ったこともありました。 そして時々彼を家に招いて手料理をご馳走していたので、美味しい日本食を作ってあげるための食材費、キッチン・ガジェットなどにもかなりお金を遣いました。 クリスマスや、誕生日にもプレゼントをして、高いレストランに連れて行ってあげていましたが、彼はとても喜んでくれて、 時々、お花を買って来てくれたり、ドーナツとかベーグルとかを持ってきてくれたりして、私はそれで満足していました。それどころか、彼への実らない思いは高まる一方でした。

やがてある時から、彼に本気で好きな女性が出来て、私と過ごす時間が減ってきてしまい、彼の仕事も忙しくなってきました。 私は何とか彼にしがみつきたい一心で、高いコンサートのチケットを手に入れて誘ったり、誰もが行きたくなるようなレストランの予約を無理にとって、 誘いましたが、それでも断られるケースが続くようになりました。 そして「ガールフレンドとは結婚を前提にした交際を始めた」とある日言われ、私は表向きは祝福していましたが、内心フラレタような気分でした。
彼女との交際は本気だったので、もう私の家には来なくなりましたし、彼女もクラシックが好きな女性だったので、彼は彼女とのデートでコンサートを行くようになりました。 私にはデートで行く美味しい日本食レストランのアドバイスを求めるためのテキスト・メッセージを送って来る程度になってしまい、本当に寂しい思いをしていましたが、 ある時、偶然に彼とガールフレンドが一緒の姿を見かけてしまいました。彼女は髪の毛がフサフサでツヤツヤで、身長も彼とバランスが良い長身で、 スリムなボディにジーンズとTシャツというスタイルが眩しくて、2人の若さと美しさを見せつけられたアラフォー、身長156センチの私は 「一体自分は何をしていたんだろう」、「自分が彼の何になれると思っていたのだろうか」と惨めな気持ちになりました。
そして頭を冷やした途端、私が彼のために身の丈に合わない出費を続けて来たことを改めて実感しました。 コツコツ貯めて来た貯金は彼を喜ばせるために半分以下になっていました。逆に彼の暗号通貨のビジネスは上手く行っているらしく、 仕事関係の人から、新しい彼女と一緒に住み始め、彼の会社も大きめのオフィスを借りて、それまで彼が副業でやっていた私の仕事関連でやっていたビジネスからは完全に手を引いて、 今は稼ぎまくっていると聞きました。

私は彼に騙されたとは思っていませんし、私がしたことは全て彼に頼まれたというよりも、自分で自主的にしたことです。 ですが、勝手に踊らされた自分が惨めなのと、そんな私が踏み台にされたような気持ちになって、それ以来、立ち直れません。 彼と楽しい生活をしていた時は、「最近、キレイなった」と周囲に言われて、自分もウキウキしていたのですが、昨今は「元気ないみたい」とか、悪い意味で「なんか、痩せた?」とか聞かれます。 鏡を覗き込んだら、本当にアラフォー以上に年老いた自分が居て呆れてしまいました。

こんな状態から立ち直るには一体どうしたら良いのでしょうか。 何かアドバイスをいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

ー A -


これはウェイクアップ・コールです 


メールを拝読した私の目から見ると、Aさんが離婚後にこのような経験をされたのは、ある種のウェイクアップ・コールだったように思えます。 Aさんは、身の丈に合わない恋愛感情を抱いて、身の丈に合わない出費をしてしまったご自身の愚かさを嘆いていらっしゃるようですが、 この局面でAさんに突きつけられた問題は、私の目から見ると全く異なるものです。

Aさんは非常に献身的なお人柄で、これまでにもご自身の持ち出し分が多い関係をいろいろな方と築いてきたように見受けられます。 離婚の原因についてはご相談文では触れていらっしゃいませんでしたが、元夫さんが献身的なAさんを散々利用して裏切った、もしくはAさんは尽くすだけで何の見返りも得られない結婚生活を強いられた、 そうでない場合、Aさんの献身が故に元夫さんがAさんを大切にするより、逆に見下すようになり、精神的なDVを受けたといったことは無かったでしょうか。
長くシングル・ライフを続けて来た私の目から見ると、今のAさんは離婚をされて、「これからは1人で生きて行こう」と考えている割には、 「自分ファースト」のメンタリティが欠落しています。 1人で生きて行くというのは大変なことです。まず自分を最優先に守って、自分を何よりも大切にして、人への施しや親切というのは、きちんと確立された自分の存在を起点に始めるべきことです。 ですがAさんは、人への施しや親切の方がご自身よりも優先されているように見受けられます。
若い男性との件にしても、自費でランチが買える彼に対して、「おごってあげるから」と誘った訳でもないのに、彼の分を支払ってあげたのは何故でしょう? Aさんは、これまでも ”面倒を見る”、”親切にする”という行為を人間関係のとっかかりにしてきたのではないでしょうか。 でもそうすることで、相手に対して常に”面倒を見る”、”親切にする”というポジションを自ら確立し、他人のために自分の時間やエネルギーを使い過ぎてはいなかったでしょうか。 そしてAさんは、 人間関係や社交全般において、”面倒を見る”、”親切にする”というご自身の行為が 相手の関心や好意を得るために不可欠という 意識を潜在的にでも抱いていらっしゃるのではないでしょうか。 そんなメンタリティでは、相手が替わろうと、状況が替わろうと、一生”踏み台にされる”人生を送ることになってしまいます。
Aさんがここでご自身を責めて、落ち込む理由があるとすれば、そんな踏み台にされる状況を自ら生み出し、これまでの人生をもっと有益に使えなかったことで、 若い男性のガールフレンドのルックスとの比較などではありません。

本当の親切、信頼関係とは


Aさんのようなタイプは、「1人で生きて行く」よりも、結婚する、しないは別として、ライフロング・パートナーを見つけて、お互いに支え合う関係を維持するのが堅実な人生設計に思えます。 ですが、今のように献身を振りかざして相手にアプローチする限りは、それを利用する身勝手な人間しか引き寄せることはできませんし、そんな一方的な持ち出し関係は続きません。
そもそもAさんの献身は、相手に求められて、相手に本当に必要なことをしてあげるのではなく、ご自身に自信が持てないため、もしくはご自身の心の乾きを満たすために行われています。 逆に思い起こして頂きたいのですが、Aさんが 最後に誰かに何かをお願いしたのは何時でしょうか。 人間は、「貰ったら、お返しをする」、「良くしてもらったら、自分も何かの形で親切にする」というように本能的に 相手とイーブンな関係になろうという意識を持っています。そしてまともな人間同士の信頼関係や友情というのはイーブンで、Give & Takeが成り立つ間柄に発生するものです。 その関係こそが、シングルにとっても、既婚者にとっても 人生のサポート・システムなのです。
そのことをしっかり頭に入れて、Aさんには、これから「相手に頼まれるまでは、余計な世話は焼かない」というポリシーを確立して頂きたいと思います。 そうするだけで、Aさんの人間関係はずっとシンプルで、心地好いものになるはずです。 そしてそれまで周囲に注いでいた時間、エネルギーをご自身に対して遣って下さい。 自分を幸せにして、笑顔にするのは、自分であるべきでなのです。そして自分がきちんと整った状態で、 初めて人を笑顔にしたり、人の幸せで笑顔になれるのです。 その基盤が無ければ、砂地に家を建てているのと同じで、簡単なことで崩れてしまいます。
この状況で私がお薦めするのは、安全な1人旅です。 周囲に頼ったり、頼んだりしなければならない状況に身を置いて1週間程度過ごすことをお薦めします。 逆にお薦めしないのは、クラスを取る、ボランティアのグループに入るなど、新しい人間関係の中に入ってしまうことです。 そうするとAさん持ち前の、”親切を手形にお友だちを作ろうとするメンタリティ”が益々大きくなってしまいます。

ここでご自身を変える強さを持てば、それが自信に繋がります。 自信さえ持てれば、人生の様々なことがもっとずっと楽になります。
まだ体力も精神力もあるアラフォーの段階で 人生の軌道修正を行う機会に恵まれたことをラッキーだと捉えて、 是非真剣に取り組んで頂きたいです。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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