May. Week 4, 2024
Pessimistic about Marriage...
合コンがきっかけで結婚に悲観的になった娘


このコーナーが始って以来のファンで、CUBE New Yorkさんのウェブサイト全体とも長いお付き合いです。 私もご相談したくて、メールを書いております。
少し前に姉の息子、私にとって甥の結婚式に出席しました。
披露宴には私の25歳と19歳の娘も出席し、姉の娘2人、新婦の妹さんという若い女性が5人同じテーブルに着席したので、 歓談時間中には会場内の視線がそのテーブルに注がれているのが感じられ、特に甥の同僚男性が 一緒に写真を撮りたがったり、二次会に誘ったりとチヤホヤしていました。
そして後日、甥っ子が娘達に「式に出てくれた同僚男性達から合コンをせがまれて、どうしても断れないので、1回だけ合コンに出て欲しい」と頼み込んできました。 甥っ子が務める企業は、婚活女子なら大歓迎するようなところで、彼氏が居ない25歳の長女は まんざらでもない感じで了承したのですが、 次女は「そんなオジサンたちの相手をさせられるなんて、まっぴら」という感じで、甥っ子から「アルバイトだと思って…」と時給2000円と帰りのタクシー代を払うということでOKしていたことを後から聞かされました。 なので、2人の娘の間にはかなりの温度差がありました。
合コンには、甥の妹2人には声が掛かっていなくて、新婦の妹さんとそのお友達、うちの娘達の計4人が女性陣で、 甥、甥の同僚男性が4人、そして当日の飛び入りで甥の38歳の独身上司が加わったそうです。 長女や新婦の妹さんとお友達は、社会人で仕事帰りということもありますし、ひょっとしたらその後、交際、結婚になるかもしれない出会いの場を考慮して、 それなりの服装で、キレイにしていらしたようなのです。ですが次女はまだ19歳で、社会人との合コンもそれが初めてでアルバイト気分で、 しかも嫌々の参加とあって1時間近く遅刻をしたらしく、いかにも今時の女子大生というファッションで登場して、そのことは本人も長女も「場違いな雰囲気がビンビンだった」と言っていました。

ですが蓋を開けてみれば、その場の男性陣は次女が目当てだったらしく、次女が登場してからは、その場の雰囲気が「次女を囲む会」とか、 「次女のファンクラブ」みたいになってしまったそうです。長女曰く、「見ていてみっともないと思うくらいに次女にベタベタ、デレデレしていた」ようです。 その時点で、長女は合コンが次女に会いたい男性からのラブコールで企画されたのを悟ったそうでした。
次女は、凄く美人という訳ではないのですが、ずっとスポーツをしていたのでスタイルが良くて、身体の動きがキビキビというか、何となく生き生きしたアイドルっぽい雰囲気があるので、 男性受けが良いのは私も熟知しています。 それと披露宴の時は、長女や私も含めて女性陣はロング・ドレスでしたが、次女は年齢も若いので膝上丈のカクテル・ドレスを着ていたので、 会場では 益々アイドルっぽく見えたように思います。
驚いたのは、次女に一番熱心だったのが 38歳で独身の上司だったことで、自分の年齢の半分の次女に猛アタックをしてきて、 次女に「いい年してウザいんですけど‥・」と散々に言われて、結局は諦めたようですが、私も夫も 40歳近い男性が成人式を迎える前の娘を追いかける姿に呆れてしまいました。

次女はあっさりした性格で、そんなことは既に忘れて普通にしていますが、長女は今回のことで結婚や、今の独身男性に希望が持てなくなってしまったようで、 それは合コンの時にライン繋がりになった新婦の妹さんも同じようでした。 妹さんも次女が現れた途端に、男性陣の態度と目の色が変わった様子に かなりショックを受けたようです。
後日、甥っ子から「長女を気に入った同僚が、長女と2人で会いたいと言っている」と連絡があったようなのですが、長女が返事をしていないことを 姉から聞かされました。甥っ子もその場で、次女が現れた途端に男性陣の態度が変わったのは感じていたようで、長女や新婦の妹さん達に悪い事をしたと思っていたようですが、 長女はその場の雰囲気から、自分にアプローチしたがっている男性も、実は妹目当てで近付こうとしているのでは?とさえ疑っているようです。

少し前に長女の尊敬する大学時代の部活の先輩が離婚をして その励まし会に行って来たのですが、 先輩の離婚した夫が 交際時は優しかったのに、出産後に髪を振り乱して育児に追われる先輩の家事も育児も手伝わず、若くて可愛い女の子と比較しては 馬鹿にしてくるような酷い男性だったようで、 「交際中は自分も若かったら、可愛いと思ってくれたのかもしれないけれど…、若い子崇拝の男の人だけは絶対にやめた方が良い」と先輩が話していたそうで、 それに今回の合コンが重なったせいで、長女が結婚に対して物凄く否定的になってしまい、「私、多分結婚しない」と言ったかと思ったら、「お母さんは結婚して後悔していないの?」と辛らつなことを訊いて来たりもします。 私は独身で居たかったら、それも今時の生き方だし、本人が幸せならそれも構わないと思っているのですが、夫は「結婚して子供を産んで、幸せになって欲しいけれど、変な男に嫁ぐのは反対」という意見です。
ちなみにですが、私の目から見れば、長女の方が二女より美人です。 いかにも長女らしい真面目さで損をしているところもありますが、頭も良く、料理を含む身の回りの事も完璧にこなします。 ですが甘えるのが下手で、きちんとしているので、男性からは可愛く見えないのだろうかと思うことはあって、彼氏運も良いとは言えません。

長々と書いてしまいましたが、私は長女が未だ25歳なのに 結婚や独身男性に対して悲観的になっていることを心配していて、そんな状態だと 男性を見る目が益々厳しくなって、 良い男性さえも逃してしまうような気がします。 過干渉にならない程度に、娘がもっと結婚や恋愛に希望やオープンな気持ちをもってくれるようにする軌道修正の方法はあるでしょうか。 何かお知恵を貸して頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。

- M -


ハードルを下げても難しい結婚…


独身の私がこう申し上げると不適切かもしれませんが、私は結婚に対して、世の中、特に未婚者は楽観的で希望を持ちすぎているように思っています。
結婚というのは、人生におけるプロセスや選択であって、非常にニュートラルなものです。 Mさんのご主人がおっしゃる「結婚して、子供を産んで、幸せになる」は日本ではお決まりのセンテンスですが、実際には結婚は幸せを約束してくれるものではありません。 相手の欠点や問題点を軽視して、「結婚したら何とかなる」、「子供が生まれたら変わってくれる」などと、 非現実的な希望的観測に基づいて結婚してしまえば、後悔するどころでは済まず、我慢を強いられているうちに不幸が当たり前の人生になってしまいます。
また結婚生活を続けるうちに相手に対して 遠慮や気遣い、譲り合う気持が無くなり、甘えや依存が出たり、結婚前には見せなかった本性や思惑が出たり、 「婚姻関係さえ結べば 相手が自分から離れることは無い」という過信から身勝手に振舞うようになるなど、結婚後に伴侶が豹変するケースも珍しくありません。 離婚した女性は判で押したように「結婚して不幸になったけれど、離婚したら幸せになれた」と言いますので、 「結婚が幸せで、離婚が不幸」という世の中の認識とは正反対です。
相手が誰であれ、生まれも育ちも違う相手と一緒に生活をしていくのは大変なことなのですから、結婚に際しては余計な希望など持たずに 冷静かつ、厳しい目で相手を見極めるくらいで ちょうど良いと私は思います。
また女性にとっては 結婚する場合でも、結婚に失敗した場合でも、婚姻が続いて子供が仕上がった場合でも、 自分1人という単位で生きられる自立した存在であることは 人生の保険であり、年齢を重ねてからでも人生に様々な選択肢と自由があることを意味します。 ですから たとえ結婚願望が強い場合でも、1人で生きられる自立した存在で居ることはとても大切だと考えます。

何度もこのコーナーで書いていますが、私は結婚というのは上手く使えば女性にとって非常に便利で、有益な社会システムだと思っています。 非現実的な理想や夢を描いたり、3年で冷めてしまう恋愛感情に惑わされず、支え合っていけるパートナーを選んで、一緒に協力して人生に取り組んだ方が、 負担も少なく、喜びや幸福も増幅します。そのためには 優柔不断を「優しい、自分を優先してくれる」と見誤ったり、身勝手や自己主張の強さを「自分を引っ張ってくれる男らしさ」と勘違いたり、 楽観的で抜けた性格を「可愛い、支えてあげたい」などと血迷うことなく、常識的で、ブレが無い善悪の価値観を持ち、腹を立てている時でも 同じ次元で会話が出来る、 精神面できちんと成長している男性を選ぶ必要があります。
これらは婚活女性が列挙する条件に比べると かなり低いハードルですが、離婚経験者や 後悔しながら婚姻関係を続ける女性が こぞって自分の伴侶、元伴侶について 語るのが 「常識が通じない」、「自分は特別、もしくは自分は許される思っている」、「大きな子供」、「喧嘩になると話が通じない、会話にならない」という問題点です。 どんな聡明な女性でも恋愛感情や一時的な精神状態に惑わされて、大失敗の相手を選んでしまうことが珍しくないだけに、私は結婚に対しては シラケているくらいに冷静な姿勢を持つことは 決して悪くないと考えています。

若さを求める心理と代償

「男性の若さ信仰」について言えば、私は若さは人間にとって最強の魅力であり、武器の1つだと思います。 樹木の葉さえも、新緑がまぶしいほどに美しいことを思うと、命が宿るものにとって若さは財産に匹敵する強みなのです。
若さを好むのは決して男性だけではなく、女性とて 老いた男性よりも若い男性を好みます。 私の目から見ると、日本社会は 年齢を重ねてからも若い男性アイドルを追いかけたり、若いホストのために大金を支払う等、 それをかなり露骨に示している社会だと思います。これは他の先進諸国の女性にはあまり見られない傾向です。

男性の場合、「知恵や経験で賢くなる前の若い女性の方が扱い易い」、「口で言い負かされることが無く、従順なので楽」という理由で 若い女性を好む傾向も顕著です。レオナルド・ディカプリオはガールフレンドが25歳になると捨ててしまうことで知られますが、NYの裕福な独身男性の間でも 「女性は27歳を過ぎると、舌が肥えて、好みが贅沢になるのでデート代が嵩むし、何かと比較したり、ジャッジするようにようになる」という理由で、 「ガールフレンドは27歳未満が好ましい」という見解は1990年代から言われ、今も健在です。
しかし女性に若さを求めたところで、男性側も歳を取って行く訳で、財力さえあれば 若い女性を繋ぎ留められるのは言うまでもないことです。 ですが、アメリカでは自分の年齢より遥かに若い女性と結婚、交際、もしくは不倫をしている男性は、気持ちが若返って長生きをするかと思いきや、 一定年齢を過ぎると心筋梗塞など、心臓系の病を患って早死にするリスクが高いことがデータで現れています。 理由は、若い女性に対して 老いで引け目を感じたくない意識が強く、男性としてのプライドを示すために体力的にも精神的にも無理をしなければならないためです。 年齢を重ねて来ると自分よりも10歳、20歳も若い相手に合わせるのは、行動半径から食事に至るまでのライフスタイル全般でかなりの負担になるようです。
年齢は財力や知力とは異なり、頑張っても巻き返しが出来ない数値ですので、相手の若さを見下したり、利用している人は、 逆に相手からは年寄扱いされて、違う形で利用されてしまうのが世の中のしくみです。 ですから相手が誰であれ、何歳であれ、年齢意識が介在しない 平等の付き合いをする方が、人間関係に実りの多い人生を送ることが出来るのです。

ところでこれは全くの余談ですが、アメリカに住んでいると、結婚する、しないはどの州に住むかに影響されるようです。
法律事務所シュミット・アンド・クラークが 米国国勢調査局とアメリカン・コミュニティー調査からの婚姻情報を調査した結果、ニューヨーカーの38.61%は一度も結婚したことが無く、 離婚経験者を含めると人口の半分以上がシングル。未婚女性が多いイメージですが、実際にはNYの未婚女性が36.29%なのに対して、未婚男性は40.8%で、意外にも男性の方が多いとのこと。 当然のことながら、NYは全米50州で最もシングル族が多く、縁遠い街。2位はロードアイランド州、3位はカリフォルニア、4位はマサチューセッツ、5位はルイジアナ。ルイジアナを除けば、 高学歴で収入が多い州に シングル族が多いということになりますが、逆に結婚する確率が高いのは1位がワイオミング、2位がアイダホ、3位がメイン、4位がウエスト・ヴァージニア、5位がアーカンソー州。 いずれも男女を問わずキャリアを追求する人々が少ない、「都会的」という形容詞が全く当てはまらない州。これら5州では15歳以上の4人中3人が結婚しているとのこと。 要するに住むエリアによって人生のビジョンや価値観が変わってしまうということなのだと思います。
でもニューヨークは伴侶は探せなくても、ソウルメイトに出会える街としてはアメリカ国内だけでなく、世界のトップとのこと。 私自身、生涯の親友と呼べる友達に複数出逢ったのがNYですが、NYは時間面、経済面、精神面でタフな街なので、他の街より自分を取り繕ったり、人に合わせる余裕が持てない分、 本音や本性をさらけ出して生きているせいで、数は少なくても深い部分で繋がれる友達が出来るようです。
「人生にとって貴重で大切な人間関係であれば、別に伴侶でなくても…」というのが私の考えですが、 こればかりは個人の価値観によるかと思う次第です。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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