Sep Week 4, 2023
Wisdom in Life
人生最大の教訓とは…


このコーナーを長年愛読しています。
私が特に学ぶことが多いのは、アドバイスの中で秋山さんが引用される様々なエピソードや偉人の語録、そして秋山さんご自身の経験談などです。 アドバイスの主旨を分かり易くしてくれて、一見関係が無いように思えることにも人生の中でいろいろな形で教訓になる例を挙げていらっしゃるのは凄いと思って読ませて頂いています。
先日友人と旅行中に久々にビリヤードをする機会があったのですが、その時も秋山さんが 「ビリヤードで、別の球やクッションを使って攻めるゲームからから、人間関係の駆け引きを学んだ」という内容を書いていらしたのを思い出して、私もビリヤードをしながら「なるほど…」と、妙に納得してしまいました。 そして人付き合いをするときは、自分と相手だけでなく、もっと周囲の人との関係や、その関係を生かすことを考えようとも思いました。

今日メールをしたのは、もし秋山さんがご自分の人生で一番教訓にしているエピソードや体験等があったら、是非それを伺ってみたいと思ったためでした。 他の皆さんのようなご相談でなくて恐縮ですが、たまには気分を替えてこんなリクエストにも応えて頂けたら嬉しいなと思って、ダメモトでメールを差し上げました。
勝手なリクエストでお恥ずかしいですが、教えて頂けたら嬉しいです。

- S -


外からのインプットよりも…


このコーナーを長くご愛読いただいてありがとうございます。
私がご相談にアドバイスさせて頂く際に 自分の体験や様々なエピソード、偉人の語録などを盛り込むのは、 アングルを替えたアプローチを盛り込む方が、分かり易く、誤解を招かずに真意が伝わると考えるためです。
またアドバイスのコーナーを続けているとは言え、私自身は人生の教訓や学びを アドバイスやお説教等から得た経験は非常に少ないのです。 それよりも 口頭や文面のさり気ない一言、自分自身の経験、人づてに聞いて興味を持ったこと等が記憶の中に留まって、 それらを様々な状況で思い返すプロセスで、徐々にそこから学べることや真意が明確になって来るケースが殆どでした。
要するに私にとって、得難い教訓や人生を生き抜くための知恵は、外からのインプットを自分の中で消化することによって意味を成してきたケースが多く、 全く関連性の無い出来事から思わぬアイデアや知恵が得られることも少なくありません。 そうした全く無関係の事柄に一つの法則のようなものを見い出すと、それがまた別のものに当てはまることに気付きますが、 それは言ってみれば ”全てを支配する宇宙の法則”のようなもので、その法則を悟って生きることは人生のアドバンテージだと考えます。
そんな悟りにも似た思考が可能になるのは、私にとってはもっぱらエクササイズをしている時です。 私は机上の思考だと、よほど自分が夢中になっている事でない限りは 当たり前のアイデアやリアクションしか沸いて来ない上に、余計な考えで迷いが出る結果、判断を誤ることも多々あります。 セントラル・パークを走っている最中はそうした余計なモヤモヤした思考が吹き飛ばされた状態で 様々なことを検証したり、考えたり出来るので、 身体を動かすというのは脳を活性化するために非常に有効な手段だと思っています。 それと同時に、遣りたくないことと向き合ったり、難しいタスクに定期的に直面するのも脳の活性化だけでなく、 物事の真意を学び、自分の力量に自信を持って生きるためにも大切なことだと思っています。 私の周囲では、徐々に経済的に余裕があってアーリー・リタイアをする人が出てきましたが、やはり仕事を続けている人と比べると、 顔つきから頭の回転まで、良く言えば穏やか、厳しい言い方をすればシャープさが無くなってきた様子を感じます。
私自身が以前からリタイア願望がゼロなので そう思えてしまうのかもしれませんが、人間の知性や感性というものは何等かの危機感や難しいタスクと向き合うことによって 年齢に関わらず磨かれ、研ぎ澄まされていくものです。知性と感性が鈍ってしまえば、どんな言葉も心に響かなくなりますし、 人生が単なる時間の経過になって行きます。
逆に自分の知性・感性が研ぎ澄まされていれば、どんな物や出来事からでも その時々の自分に必要な知恵や 教訓、アイデアを見出す機会に恵まれます。それこそが人間に備わる 自分を守り、幸せにする本能の働きなのです。

雪崩のサバイバル術

前述のように私にとって得難い教訓や人生を生き抜く上での知恵というのは、外からのインプットを自分の中で消化することによって意味を成してきたケースが多い訳ですが、 その中の1つに、年下の友人や友達の子供世代に話すと非常にウケが良いものがあります。 それは上の見出しの通り、「雪崩に見舞われた際のサバイバル術」です。 雪崩と言っても、見舞われたら ひとたまりもないような大規模なものではなく、軽く全身が埋まってしまうような規模を想像してください。
まず最初にしなければならないのはエアポケットを作ることです。人間とは不思議な生き物で、一度サバイバル術を耳にしていると、それを何年忘れて居ようと 実際にトラブルに見舞われた時には その内容が頭をよぎるように出来ています。それも本能、そして生命力の成せる業です。 エアポケットを作るというのは、腕を使って空間を作ることで、それによって腕を動かすことがが可能になり、暫しの間の酸素が確保されます。
その段階から雪を掘って、脱出を試みることになりますが、その前に必ず遣るべきことが唾液を口から垂らすことです。 多くの人々が自分の頭の方向が上だと信じて そちらに向けて掘ろうとするものですが、雪に埋まって重力が感じられない状態では、それが逆であるケースも珍しくありません。 そうなればせっかくの体力と酸素を使いながら、決して助からない方向に向かって掘ることになりますので、 ここで唾液を垂らして正しい方向を見極めることは、生死を分けると言っても過言ではありません。

私はこのサバイバル術を大学時代に親友から聞かされましたが、「唾液を垂らして、脱出の方向を見定める」という部分をとても興味深く思い、 以来何度もこの話をいろいろな人に語って来ました。そうするうちに 気付いたのがこれが人生のサバイバル術でもあるということでした。
苦境に陥ると、そこから抜け出すことばかりを考えて焦るのは人間なら仕方がないことですが、その時に先ず空気を吸って現状を保てる状態に自分を置いて、 情報収集をすること、自分が置かれた立場や状況をしっかり把握、検証することが大切で、そこから方向性を定め、解決策を明確にしてからアクションを起こすべきことを 雪崩のサバイバル術と照らし合わせることによって、改めて学ぶことになりました。 そう悟ってからは 雪崩と人生のサバイバル術をセットにして語るようになりましたが、その方が深く納得してもらえて、共感が得られることに気付きました。 すなわちセットで語ることで、より知性にアピールするコンテンツになったのだと思います。

最後に「人間の知性や感性は何等かの危機感や難しいタスクと直面することによって研ぎ澄まされる」と書きましたが、その危機感や難しいタスクの中には、 エイジングや経済的な困窮等も含まれます。それらを「受け入れるしかない」と諦めれば、なし崩し的に敗北の一途を辿ります。 「諦め」に加えて、「焦る」、「卑屈になる」、「妬む」、「他人に頼る」という行為を1つでも行っていれば、身も、心も、頭の中も鈍化していきます。 一度鈍化が進むと、本来自分を救ってくれる本能の働きも鈍りますので、立ち直りが不可能な状況まで落ちこむことも珍しくありません。
ですがどんな状況でも知恵や工夫でサバイバルを試みると、そのプロセスで知性、感性が研ぎ澄まされる結果、 どんな人生の局面にあっても新たな好展開に恵まれるだけでなく、時代の変化の中で生き残れる体質や精神力が培われます。

このように人生の展開や意義、学びに考えを巡らせて、私が常に辿り着く結論は心身の健康の重要さです。 全てはここを基盤にしていますし、心身の健康さえ保っていれば いくらでもチャンスと向上が望めて、失敗してもやり直しが利くのです。 ここで言う健康とは病気になっていない状態ではなく、心身が健全で、無理なくハイパフォーマンスが保てるコンディションを意味します。
私は誰にとっても人生最大の教訓は 「健康が如何に大切であるか」であり、健康維持と管理こそが人生の最優先課題だと考える次第です。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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