今回は通常のアドバイスをお休みして、これから200年続く風の時代の価値観、ライフスタイル等の変化について詳しくご説明したいと思います。
2023年2月4日の立春をもって、正式にスタートしたのが2023年。
2023年は別のコラムにも書いた通り、2020年12月からスタートしていた ”Wind Era/風の時代” が本格的に始まる年。
過去約2年間は 言わば 新しい時代に向けての大きな変化を迎えるためのお膳立て期間。
これまで200年間続いた ”Earth Era / 土の時代”は 人々が 財産、金銭、物質至上主義、安定、建築物、実用性、確立、実体、現実味、知識や関係等の深さを求めた
”The More The Merrier (沢山あれば あるほど良い)” の時代。
それに対して これから約200年間続く ”風の時代” は アイデア、行動、冒険、透明性、真実、精神、理解、自由、多様性、移動、新鮮さ、最先端の技術やテクノロジー、
コミュニケーション等が時代を担うキーワード。
物や財産、学歴、地位、キャリア、伝統、ストレスからプレッシャーまで、貯め込んだり、積み重ねていた土の時代とは異なり、
風の時代には身軽な流動性に価値観がシフトする結果、経済面、精神面、生活面、時間面に自由とゆとりがあることが幸福の大前提。
これまでの土の時代の社会で 当たり前だと思っていたことや、自然に受け入れらていた価値観等が
徐々に覆されていくことになるけれど、土の時代に比べて風の時代の変化は遥かにスピーディー。
実際にスピードこそが風の時代でサクセスを収める重要な要素の1つ。
したがって早い段階で 古い時代の意識を捨てて、考えや価値観を切り替えて行かないと、
時代に取り残されるだけでなく、それが人生全般にも大きなマイナス要因をもたらすことになるのだった。
風の時代を迎えるにあたって、2020年を前後した時期から世の中がどう変わってきたかに目を向けてみると、
まずはパンデミックの影響で、あっという間に自宅勤務がニューノーマルになり、週休3日制の導入が始まる等で、働く場所や時間に変化が起こってきているけれど、
このことは 土の時代の労働中心の生活から、風の時代の多様性のあるライフスタイルへの移行を示している現象。
そのプロセスで大きな役割を果たすのが AIアプリやロボット、そして3Dプリンター。
これまではブルーカラーの仕事ほどロボットやAIが取って替わると見られていたけれど、
実際にはAIによって やがて職を脅かされるのは、トレーダーやプログラマー、ブロガー、ライター、デザイナー等、様々なホワイトカラー。
これらの職業はAIの膨大なデータと分析力を駆使したアウトプットには勝てない上に、AIテクノロジーを使えば人件費やトレーニング費用が大きく削減できることから、急速に導入が広がるのは必至。
そのためAI導入の煽りを受けて崩壊して行くのが学歴重視の風潮。
逆にウォルマートが試験的に導入した店内の陳列棚に商品を納入するロボットは、コストが掛かる割には問題が多いことから撤去されたり、
レンガを積み上げる作業をするロボットが、真っすぐな壁は人間より遥かに早い作業で仕上げるものの、カーブしたエリアはどうしても職人の手に頼る必要があったり、
3Dプリンターでプリントアウトされたパーツも、組み立てを含む仕上げに人間の作業が必要である等、特に専門性の高いブルーカラー・ジョブは
これからの時代でも生き残ったり、AI技術開発のための情報提供の役割を担うことになるのだった。
また今の世の中は 副業をする人々が増えて 収入源がどんどん多様化。それと同時に フリーランスの仕事をオンラインで外国から受けたり、
今までオフィス通勤で行って来た仕事を外国旅行中や、外国生活をしながら続けたり、雇用主がオンライン上の仕事を 賃金の安い外国のコントラクターに依頼するなど、
仕事が固定環境から 移動環境に変わってきたことも風の時代の予兆。
それを可能にしているインターネット、ソーシャル・メディア、電波、ネットワークといったものは風の時代のインフラストラクチャ―。
今後の世の中に浸透するメタバース、クリプトカレンシーは、実体やリアリティが重んじられた土の時代から、目に見えない物の存在や価値が認められ、スピードとテクノロジーが
もてはやされる風の時代への移行を象徴するもの。また改ざん不可能なブロックチェーン・テクノロジーは、これからの社会でビジネスだけでなく、選挙の投票システムから財産の登記簿に至るまで、
社会の透明性、信頼性に不可欠のテクノロジーとしての地位を確立して行くのは時間の問題なのだった。
その一方で過去20年ほどの間にLGBTQが性の括りや概念を徐々に覆しながら、権利を獲得してきたのも風の時代の前兆であれば、宗教の信者が減りつつあること、
宇宙開発事業が再び盛り上がりを見せてきたのも風の時代と大きく関わる現象。
風の時代には、人々の意識や関心が 宇宙や ヴァーチャル・ワールド等、自分が存在する世界以外に向けられることから、その過程で徐々に崩れて行くのが古い価値観や概念、伝統、習慣等、
人々の考えや意識を様々な形で縛りつけてきたもの。その崩れて行くものの中に含まれるのが 宗教への信仰心。
風の時代には 多くの人々が「 宗教は人間の創造物に過ぎない」と考えるようになるけれど、これは”神”の存在が滅びるというよりも
宗教に捉われない神への信仰が一般的になると捉えるのが妥当。その結果、地球という枠を超えて 全宇宙の秩序を神だと認識する考えが広く浸透。
土の時代にまかり通った十字架や神殿などの 実体を見せつける偶像崇拝が廃れて、「物事の真意や本質には 形や実体は必要無い、むしろ無いのが当然」という考えに変っていくけれど、
これは物が溢れた土の時代に 物質の限界を知ったからこそ移行できる思想とも言えるのだった。
風の時代のキーワードには博愛も含まれているけれど、風の時代の博愛のコンセプトは 人によっては厳しさとして降り掛かってくるもの。
愛情や慈悲を向ける対象が広がってくると、身内の甘えや依存に対して「世の中にはもっと困っている人が沢山いる」という厳しい対応になるのは当然の成り行き。
どうしても抜け出せない社会構造的な苦境に居る人々に対して「何とかして助けたい」という意識はあっても、
自分の勇気や やる気の無さといった 事無かれ主義で 不幸に甘んじる人に対しては、「自業自得」と見放すようなドライな対応になるのが風の時代の人間心理。
そのため「自分1人が我慢すれば…」と悲劇のヒロイン的に耐えた姿勢は、土の時代には同情の対象になったけれど、
風の時代になると「何故自分を救おうとしないのか?」と責められることになるのだった。
前述のように自由とゆとりが幸福の大前提になるけれど、土の時代のように財産、地位のようにどっしり動かないものに保証された安定や不変性に価値が見いだせなくなる分、
精神力、心の豊かさ、どんな状況でも心の安定が保てるメンタリティは 風の時代の最大の財産。
「そうは言っても お金さえあれば…」とお金をオールマイティの解決策と考えるのは土の時代の思考。風の時代は「お金があっても幸せになれない」が貧乏人の負け惜しみではなくなっていく時代。
それと共にAIの進出分野がどんどん増えて、教育の在り方や教育機関も変化を遂げるので、
子供の交友関係が同じ学校、同じクラスの同年代の子供ではなくなり、それに伴って年齢の括りが徐々に希薄な社会になって行くのも 流動性が幅を利かせる風の時代に起こること。
また目に見えない物、形が無い物の価値を認める風潮が高まるだけに、目に見えない力、すなわち「運」を味方につけることが大切になって来るのが風の時代。
実力重視と言われた土の時代にも「運も実力のうち」、英語なら「I rather be lucky than good」という言葉があったけれど、
運というものが決して偶然ではなく、「強運の持ち主は 恵まれるべくして恵まれている」と悟る人々が増えるのが風の時代。
すると土の時代の「実力(のある人材)と お金を上手く掻き集めて運用した人間が勝ち」というサクセス・フォーミュラが、「運気を運んで来る物や人材を掻き集めて運用する」という形に変化し、
美しさの基準も 見た目が整っているかよりも、オーラの強さが取って替わるようになるもの。
土の時代にも 「信じて 念じることにより 欲しい物が手に入る」という”引き寄せの法則” 等がもてはやされていたけれど、
風の時代では従来のサイエンスとホリティック・サイエンスを融合させた、宇宙レベルの分析や探究に基づいた強運獲得科学が登場し、それが宗教に代わる存在になる可能性も否定できないのだった。
風の時代は「ウィルスの拡散」という暗示が強いので、パンデミックはこれから益々付き合うことになる問題。
また陰謀説や風評被害などが 風に乗って広まる状況も継続するけれど、AIテクノロジーによる瞬時のファクト・チェッキングが一般人のコミュニケーションでも活用できる時代がすぐそこまで来ているので、
記録が残っている事実に関するウソは簡単にバレる時代。
様々なテクノロジーが世の中をシンプルにしていくので、複雑な決定プロセス、複雑な工程やシステム、複雑な人間関係など、複雑なものが嫌われ、
雰囲気を含む 気(=エネルギー)の流れやパワーがジャッジメントの基準になって行くので、「何となく嫌い」という食わず嫌いが正当化され、
見切りをつけるタイミングが早まって、根気が無くなって行くのも風の時代の人間心理。
風の時代のスタートを担っているジェネレーションZは、既にこのメンタリティで仕事に臨んで 上の世代から嫌われているけれど、
スパルタ教育やブラック企業というのは土の時代の遺物。
組織は 会社でもスポーツチームでも、運気を呼び込むアップビートで、楽しい雰囲気がなければモチベーションも組織としての構造も続かないのがこれからの時代。
流動性が重んじられるサバサバした時代になるので、粘着型の人柄や考え、そうした人々にありがちな 「お人良し」、「お節介」、「甘やかし」、「過保護」、「過干渉」といった行動は
悪運や悪評を運んで来る要因になるのだった。
五感の中では 土の時代が見た目重視の「視覚」と実体を好む「触覚」であったのに対して、風の時代は風によって運ばれて来る音や匂いなど「嗅覚」、「聴覚」にアピールするものが
重視される風潮。
ここに書いた事柄がこれからの約200年にどんなスピードで、どんな形で起こるか等は保証の限りではないけれど、時代の大きな流れは一度動き出したら止まらないもの。
特に人類の歴史においてテクノロジーだけは決して後戻りをしたことが無かったことを思うと、テクノロジー・ドリヴンの風の時代の方向性は前進あるのみ。
時代の大きな流れを感じ取っていると、「木を見て森を見ず」タイプの過ちを防ぐことが出来るだけでなく、
土の時代の遺物に対しても寛大な気持ちでサバサバと接することが出来る訳で、
それだけでも風の時代のメンタリティを実践する姿勢と言えるのだった。
Yoko Akiyama
執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |
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