#Envelopegate, How Did It Happen?
2017年オスカー授賞式を騒然とさせたエンべロープゲート、
前代未聞の受賞作品発表ミスはどうやって起こったか?

Published on 2/27/2017 


2017年に2月26日、日曜日に行われたアカデミー賞授賞式を騒然とさせただけでなく、翌日月曜のアメリカ中の 話題が集中したのが ”エンべロープゲート”、すなわち”封筒疑惑”というニックネームがついて、ソーシャル・メディア上では 授賞式直後からトレンディングになった受賞者発表ミスのアクシデント。
オスカーで間違った受賞者が発表されたのは、過去89年の歴史でこれが初めてのこと。 しかもその間違いが起こったのは授賞式のラストで、毎年のオスカーの最高の栄誉である作品賞の発表時という最悪のタイミング。
このため、今回のオスカーでは作品賞の受賞スピーチが2回行われるという異例ぶり。 しかも正しい受賞作品を最初にアナウンスしたのは、間違って発表された作品のプロデューサーであるという前代未聞の状況となっており、 当然のことながら、会場のセレブリティ達も唖然としながら見守ったのがこの光景なのだった。

この不祥事を受けて、いち早く謝罪の表明をしたのが 過去83年間に渡ってオスカーの投票の集計を担当してきた会計会社、 プライスウォーターハウスクーパース(以下PWC)。 その謝罪文では、作品賞を受賞した「ムーンライト」、誤って受賞作品とアナウンスされて、受賞スピーチまで行われてしまった「ララ・ランド」の 関係者、及びプレゼンターを務めたウォーレン・ビーティーとフェイ・ダナウェイ、オスカーの視聴者に対しての謝罪と共に、 プレゼンターの2人が誤った封筒を渡されてことを説明し、 ノミネート者、アカデミー、放映局であるABC、ホストのジミー・キンメルが、その状況に落ち着いて対応したことに感謝しているのだった。






2つのブリーフケースと、2セットのエンベロープ


結局のところ、作品賞を受賞したのは「ムーンライト」、誤って受賞作品としてアナウンスされたが、最多ノミネーションを獲得していた「ララ・ランド」であったけれど、 幸い「ララ・ランド」の関係者は、「ムーンライト」の関係者に非常に好意的で、ステージ上では祝福しあう姿も見られており、 特に、ステージ上で一番最初に間違いを指摘して「ムーンライト」の受賞を告げた「ララ・ランド」のプロデューサー、ジョーダン・ホロウィッツ(写真右、左側)の様子は メディア&ソーシャル・メディア上で大絶賛されたもの。

そして1夜明けた、月曜には正式にPWC側から今回の間違いが起こった理由と原因が説明されたのだった。
それによれば、このミステイクの原因のカギを握っていたのが、今回の授賞式を担当したPWCのアカウンタント、 マーサ・ルイズ(写真上、左の赤いドレスの女性)、ブライアン・キュリナン(その隣のタキシードの男性)と、 彼らがそれぞれ持っているブリーフ・ケース。
このブリーフ・ケースには、オスカー全部門の受賞者カードを入れた封筒が、それぞれ1セットずつ、すなわち プレゼンターに手渡す分とそのバックアップの予備の計2セットが入っており、 その内容は厳重にガードされているけれど、全部門の受賞者リストを頭に入れているのがこの2人。 それによって万一誤って違う名前がアナウンスされた際に、すぐにステージ・マネージャーに連絡できるようになっているとのこと。
マーサとブライアンは、それぞれステージの両側に待機し、それぞれが待機する側からステージに上がるプレゼンターに 自分のブリーフケースの中に入っている封筒を手渡すのがルーティーン。
そしてこのバックアップを含めて2つ存在していた封筒が、 今回の大騒動を巻き起こすことになったのだった。


何故間違いに気付かなかったか



自分に手渡された封筒を開けて、何かがおかしいと気付いたのがプレゼンターとしてステージに登場したウォーレン・ビーティー。 彼は困惑したように受賞作品がなかなか言えなかったけれど、 これは後に本人がステージ上で「受賞者カードにエマ・ストーン、ララ・ランドと書いてあったので、言えなかった」と説明。 でもそれに至るまでのウォーレン・ビーティの話ぶりが あまりシャープではなかったので、それを見守るTVの視聴者は、 彼がエイジングのせいで喋りや反応がスローになっていると判断した人々は多かったとのこと。

その彼の様子をせっかちに見守っていたのは プレゼンターとして一緒にステージに上がったフェイ・ダナウェイも同様だったようで、 ウォーレン・ビーティーが自分が困惑している原因を彼女に提示しようとしてカードを見せた途端に、 そこに書かれていたエマ・ストーンの名前を気にも留めずに、「ララ・ランド!」と発表してしまったのが彼女。
それによって、「ララ・ランド」関係者がステージに上がり、受賞スピーチが始まってしまったけれど、ウォーレン・ビーティーが ステージで手にしていた封筒には「Actress in a leading Role」という文字がしっかり記載されていたのだった。

その主演女優賞のカテゴリーの封筒のオリジナルは、PWCのマーサ・ルイズが 彼女が待機する側からプレゼンターとしてステージに登場した レオナルド・ディカプリオに手渡しており、その封筒は 受賞者エマ・ストーンが オスカー像と共に受け取って ずっと持っていたもの。 したがって作品賞が発表された段階で使われた主演女優賞のカテゴリーの封筒は、そのコピーで ステージの反対側に待機していたPWCのブライアン・キュリナンによって 誤ってウォーレン・ビーティーに手渡されたもの。
ウォーレン・ビーティーがこれに気付かないのは仕方ないとしても、PWCのブライアン・キュリナンは 手渡す前にチェックしているべきものであるけれど、彼自身、フェイ・ダナウェイの「ララ・ランド」という読み上げを聞くまでは、 間違った封筒を渡したことには全く気付いていなかったのだった。

それもそのはずで、ブライアン・キュリナンはバックステージに戻ってきたセレブリティのスナップを 自らのアカウントでツイートするなど、授賞式後半には かなり気が緩んでいた様子を窺わせていたのだった。 だとしても 最後の封筒とカテゴリー名を確認しなかったというのはやはりかなりの不注意であることは事実。
また一部で聞かれるのは、今年からオスカーの受賞者の封筒が真っ赤に変わったことが、間違いを起こり易くしたという指摘。 というのはこれまでは、ゴールドの封筒の中央の白地のスクエアに、黒のインクではっきりと部門名がプリントされてきたので、遠目でもはっきりとそれが読めたけれど、 新しい封筒は深紅の封筒にゴールドの文字というコントラストが弱いもので、一目で部門名が識別できるものではないことが指摘されているのだった。


オスカーのエンベロープがクリエイトされるプロセス



オスカーの受賞者発表の際に用いられる封筒と、受賞者の名前を記したカードを製作しているのは、マーク・フリードランド・クチュール・コミュニケーション。
70年以上にも渡ってオスカーのためのカスタム・エンベロープと受賞者カードを製作しているのがこの会社で、 「受賞者が50年後に授賞式を思い出して封筒を手に取った時にも、その時の思い出が伝わるように」とズッシリした 高級紙とカスタム・インクで、長時間を費やして製作&印刷されるのがこの高額なステーショナリー。
でもマーク・フリードランド・クチュール・コミュニケーションは、事前に受賞者のリストを受け取る訳では無く、受賞者については極秘であるため、 毎年ノミネート者全員分の受賞者カードを印刷し、 それをPWCが投票結果にしたがって封筒に入れて、残りのカードを破棄するというのがプロセス。
したがって、毎年マーク・フリードランド・クチュール・コミュニケーションからPWCに封筒とカードが送付する際には、 写真上のように部門別のノミネート者の名前全員をプリントしたカードが、バックアップ分も含めて束で送付されてくるのだった。

授賞式のセレモニーで見ているだけであると、「封筒から受賞者の名前が間違いなく出てくるのは当たり前」と思えてしまうけれど、 舞台裏には もっと複雑なプロセスが入り組んでいるのが実情。 したがって、これを間違えなく行うためのお金と労力が掛かっているのは仕方がないと言えるのだった。

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