Sudden Fall of Kevin Spacey
ケヴィン・スペーシーの突如の大転落
ダメージ・コントロールのはずの謝罪による更なる大顰蹙とバックラッシュの背景

Published on 10/31/2017


10月30日月曜にアメリカで大きく報じられることになったのが、映画「ユージュアル・サスペクト」、「アメリカン・ビューティー」でオスカーの助演&主演男優賞を受賞している ケヴィン・スペーシーが、26歳の時に14歳の俳優に対して性的虐待行為をしていたことを犠牲者が告発したニュース。
これを告発したのは、アンソニー・ラップ(写真上右)で、 彼はブロードウェイ・ミュージカル「レント」のオリジナル・キャスト(写真下右側は映画版の「レント」のもの)で、「スター・トレック」シリーズにも出演する俳優。 彼がバズ・フィードのインタビューで語ったのが、彼が14歳でブロードウェイに出演していた1986年に、当時26歳(写真下左側)で 同じくブロードウェイに出演していた ケヴィン・スペーシーの自宅のホームパーティーに招かれ、 彼のベッドルームでTVを観ていたところ、酔っぱらって入ってきたケヴィン・スペーシーに襲われ、ベッドに押し倒されて やっとの事で逃げ出したものの、 その後も精神的なダメージが続くほどの恐ろしい経験をしたというエピソード。アンソニー・ラップは ハーヴィー・ワインスティン等によるセクハラ被害を訴え始めた女性たちの勇気に励まされて 自らの31年前の経験を明らかにする決心をしたと語っているのだった。






この告発を受けて、程なくツイッターで謝罪のステートメントを発表したケヴィン・スペーシーであるけれど、 ダメージ・コントロールのはずが逆に火に油を注ぐ結果となっており、その問題の彼の謝罪文は以下のようなもの。

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私は、俳優としてのアンソニー・ラップを敬愛しており、彼のストーリーを聞いて驚嘆している。 正直なところ、私は彼との出来事は30年以上も前の事なので覚えていない。 しかし、もし私が彼が言うように振る舞ったのであれば、酔っ払った自分の極めて不適切な行動について 彼に心から謝罪をすると同時に、彼がその時の気持ちを何十年も引きずってきたことを気の毒に思う。

このストーリーによって 私は自分の人生について明らかにするべきと促されたように思う。 私についての様々な噂が流れていることは承知しているし、そんな噂がこれまで私がプライバシーを守り続けた理由でもあった。 私の親しい人々は既に知っていることだが、私はこれまで男性と女性の双方と恋愛とロマンスの関係にあり、 今の私はゲイとして生きることを選びました。 私はこの事と正直に、そしてオープンに向き合い、自分の振る舞いを検証していく考えです。
― ケヴィン・スペーシー
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この謝罪文が、一般人々から顰蹙を買ったのは、まず「酔っ払っていた30年以上前の話を今更持ち出してくるなんて」と言わんばかりの書き出しに加えて、 彼が当時アンソニー・ラップが14歳で、自分のしていたことが淫行という犯罪になりうることを全く反省しておらず、あえて避けて通っている点。
でも彼の謝罪文に猛烈に反発したのはLGBTQコミュニティで、その理由は ケヴィン・スペーシーが この告発から関心をそらすために 謝罪文の中でカミング・アウトしたのが明らかであるため。 ケヴィン・スペーシーは、謝罪文の中でも遠回しに語られていた通り、長きに渡ってハリウッドのみならず、アメリカ社会全体からゲイだと思われてきた俳優。 本人が認めない方が不思議なほど アメリカ社会のスタンダードではゲイだと分かる存在。本人もそれをジョークにしてきたほどで、 その彼があえてカミングアウトしたところで誰も驚きはしないものの、初めて自分で認めたというニュース性を自分のメリットのために使おうとしていたことは、 特にLGBTQコミュニティにとっては一目瞭然であると同時に 腹立たしいこと。
加えて彼が謝罪文の中で、「ゲイとして生きることを選んだ」という部分も大きな顰蹙を買っている要因で、 「選んでゲイになる人間などいない」、「ゲイであることは自分に生まれながらに備わった性のプリファレンスで、選べるものではない」というのがLGBTQコミュニティの反発。
でもLGBTQコミュニティを最も怒らせているポイントは、ゲイの権利や主張を語る際に必ず登場する ”プライド” を ケヴィン・スペーシーが傷付けたため。 ゲイ・ピープルにとってカミング・アウトは、本当の自分を誇りを持って宣言するべきことであって、過去の過ちの言い訳として行うべきではないというのが彼らの言い分。
したがって、この謝罪文によってケヴィン・スペーシーは LGBTQコミュニティを敵に回したと言っても過言ではないほどの大顰蹙を買っているのだった。



アンソニー・ラップの告発を受けて、ネットフリックスは彼が主演するネットフリックス史上、最もサクセスフルなドラマ 「ハウス・オブ・カード」の打ち切りを決定。また別途ケヴィン・スペーシーと進めていたプロジェクトも中止したことを発表。 それだけでなく、インターナショナル・エミー賞は彼の栄誉を称える予定をキャンセルしたことを明らかにしているのだった。
アンソニー・ラップの告発が報じられたその日のうちに、これだけのリアクションが速攻で起こった事に首をかしげる人も居たけれど、 その背景を如実に表していたのが、コメディアンで トランプ大統領の天敵としても知られるロージー・オド―ネルの写真上のツイート。
「30年前の出来事だから憶えていないですって? Fxxx you ケヴィン。ハーヴィー(ワインスティン)同様、 貴方のことは皆が知ってること。もっと多くの男性によって告発して欲しいわ」

このツイートによって、ハリウッド関係者でなくとも理解できるのが、ケヴィン・スペーシーが まだまだ叩けば埃が出る前科があるということ。それと同時に 彼の振る舞いがハーヴィー・ワインスティン同様、 ハリウッドにおける公然の秘密になっていたことが ネットフリックスやエミー賞のリアクションに如実に現れているのだった。

それにしても不思議がられているのは、ケヴィン・スペーシーが極めて頭と要領の良いにも関わらず、 何故あんな不用意な謝罪文を発表して、火に油を注ぐようなことをしたのかということ。 ハーヴィー・ワインスティンのスキャンダルでこれだけ世の中がセクハラや性的な虐待行為に過敏になっている時に受けた告発に対し、 謝罪文を発表するにあたって メディア・コンサルタントのアドバイスを仰がなかったのか?、それとも 謝罪文の中でカミングアウトしたのは そのアドバイスの結果なのかは憶測を呼ぶところ。
いずれにしてもLGBTQコミュニティまでもを敵に回してしまったケヴィン・スペーシーに対しては、 以前より益々被害者が名乗り出易い状況になっていることは確か。実際に10月31日には、ケヴィン・スペーシーに 性器を触られたという俳優が新たに名乗り出ています。


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