"Rise and Fall of Keaton in 48hours"
いじめに対する涙の抗議ビデオがヴァイラルになったキートン
48時間後にセレブや一般の人々のサポートが批判に転じた理由とは?

Published on 12/12/2017 


アメリカの12月2週目の週末にヴァイラルになっていたのが、学校でのいじめに涙ながらに抗議する少年、 キートン・ジョーンズのビデオ。
これは、12月8日、金曜日キートンを学校に迎えに行った母親、キンバリー・ジョーンズがフェイスブック・ライブで公開したビデオで、 それが徐々にシェアされ、ツイッター上のインフルエンサー達がリツイートしたことで、日曜までに一気にヴァイラルになったもの。 12月12日火曜日の時点で、ビューワー数が5000万人に達したと言われるこのビデオ(写真下)では、 顎に出来た腫瘍の手術を3回受けたせいで、言葉が上手く話せず、頭に大きな傷を負たキートンが、 学校で「アグリー」と言われたり、ランチタイムにミルクを掛けられたり、食べ物を投げられたりした様子を語り、 「自分だって同じ人間なのに」と泣きながらいじめに抗議するもの。 母親のキンバリーは、まるでインタビュアーのように「その時どう思った?」などと淡々と質問をしながら、 彼の様子をスマートフォンでライブ放映していたのだった。





キートンのこのビデオ多くの一般の人々からサポートを得ただけでなくセレブリティ、それも写真上のジャスティン・ビーバーや、 セリーナ・ゴメス、ルブロン・ジェームス、ケンドール・ジェナ、ドナルド・トランプ・ジュニアなど、音楽、スポーツ、エンターテイメント、政治など ありとあらゆるジャンルのセレブリティがキートンへのサポートをソーシャル・メディア上で表明。 ヘイリー・スタインフェルドは、もうすぐ公開される彼女の映画のプレミアに 彼女のデート相手としてキートンを誘い、 クリス・エヴァンスは来年公開される「アヴェンジャー」のプレミアにキートンと母親を招待。 #StandWithKeaton(ハッシュタグ・スタンド・ウィズ・キートン)が誕生し、キートンの地元、 テネシーのNFLチーム、テネシー・タイタンズのプレーヤーがキートンと面会するなど、キートンはいきなり ヒーローとしての扱いを受けるようになったのだった。




ところが月曜になって突如ソーシャル・メディア上に溢れたのが上の2枚の写真。 アメリカのカルチャーを理解していなかったら、何の変哲もない写真であるけれど、ネイビーのXラインと星がフィーチャーされた真っ赤な旗は、 コンフェデレーション・フラッグと呼ばれ、アメリカでは奴隷制時代から存在してきた人種差別のシンボル。 近年になって南部の州でもこの旗を掲げることが禁止されたけれど、 今もネオナチや白人至上主義者のデモや活動に必ず登場するのがこの旗。
そのコンフェデレーション・フラッグと共に笑顔でポーズするキンバリー・ジョーンズの姿に加えて、 コンフェデレーション・フラッグや玩具の銃を持ったキートンを含む子供達の写真が意味するのは、 この家族が白人至上主義の人種差別一家であるということ。しかもそれをソーシャル・メディア上にポストするという行為は 自らの人種差別の思想を宣言するのと同様のこと。
また写真だけでなく、キンバリーの極右派ぶりを立証するメッセージまでソーシャル・メディアにポストされていたことから、 それまでの人々のキートンへのサポートが 突如母親の人種差別主義へのバッシングに変わり、 リアーナやカーディBといったセレブリティのキートンをサポートするポストがソーシャル・メディア上からどんどん消えて行ったのだった。
このバッシングを受けて、キンバリー・ジョーンズがコンフェデレーション・フラッグの写真を含む彼女のソーシャル・メディア・アカウントを プライベートにしたことから、更にバッシングが酷くなっていったけれど、 火曜日にメディアのインタビューに応えたキンバリー・ジョーンズは、「千枚近い写真のたった2枚で批難されるなんて」、 「(コンフェデレーション・フラッグの写真は)面白くてアイコニックだと思って撮影しただけ」との言い訳を展開。 親がそんな写真をソーシャル・メディアにアップすれば、 それだけで子供が学校で「人種差別主義者」として いじめに遭う可能性があることを理解していない様子を露呈していたのだった。




さらに悪いことには、詐欺か、好意かは定かでないものの キートンのためにお金を集めようとした人物 2人がクラウドファンディングのウェブサイト、 GoFundMeで基金を募り、そのうちの1人は2日間に約600万円を集めるに至った一方で、PayPalにも同様のキートンのためにお金を集めるアカウントが登場。
また月曜にはキートンをMMAの試合に招待しようとしたMMAファイターのジョー・シリングがインスタグラムを通じてキンバリー・ジョーンズと思しき人物にコンタクトしたところ、 「招待するより、お金で振り込んで欲しい」、「今回のことは息子にとって大きなチャンス」というメッセージが来たために、 彼がキートンへのサポートを取り下げたことをインスタグラム上のビデオで語るなど、月曜にはネガティブ・パブリシティにまみれたのが キンバリー・ジョーンズ。
そのネガティブ・パブリシティがあまりに多かったために、「キートンに対するいじめもフェイクではないか?」との疑いまで浮上したけれど、 いじめの内容がキートンの言葉通りかは別として、いじめ自体が実際に行われていたことは 学校側も認める証言をしているのだった。

12月12日の火曜日までに、世論は「キートンのいじめと母親の人種差別主義は別問題として考えるべき」という意見で纏まりつつあるものの、 週末の間にキートンに寄せられていたセレブリティからのサポートは戻ってくることはなく、 キンバリー・ジョーンズにしてみれば、息子に対するサポートを得たけれど、自分がいじめ同様のバッシングを受けることになったという展開。
キートン自身はメディアで「今回のことで自分にも世界が変えられると分かった」とコメントしていたけれど、 その後のバックラッシュの影響で、その意味合いはかなり複雑なものになっているのだった。


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