Airbnb Horror Story in NYC!
エアビーアンドビー・ホラー・ストーリー In ニューヨーク
宿泊キャンセル、ハラスメント、Etc、市の取り締まり強化のシワ寄せが旅行者へ

Published on 12/13/2016



ニューヨークで サンクスギヴィングの休暇後に報じられたのが、カリフォルニアのカップルが サンクスギヴィングを前後して10日間のNY旅行にやってきたところ、 宿泊滞在予定だったエアビーアンドビーのチェルシーのアパートから一晩で追い出され、近隣のホテルで1泊809ドルをチャージされたというホラー・ストーリー。

カリフォルニアから到着したカップルを、チェルシーのアパートでまず待ち受けていたのが、同じビルに住む住人からの質問責め。 「Who are you?」、「Where are you going?」。「Where are you staying?」などと訊かれたカップルは、 「エアビーアンドビーの2Rのアパートに滞在します」と答えたところ、 返ってきたのは、「お前たちがやっていることが違法だと分かっているのか?今すぐ立ち退かなければ警察に電話する」、 「もし滞在したら、一晩中扉を叩き続けてやる」という脅しのような攻撃。

カップルはその日は無事にアパートに滞在することが出来たというものの、翌朝になってアパートのオーナーから送られてきたのが、 「NYの法律が変わったのでその日のうちにアパートを出るように」というメール。 このカリフォルニアのカップルは、そのチェルシーのアパートの宿泊代として1泊170ドル、掃除代、そしてエアビーアンドビーの手数料として、 合計2081ドルを先払いしていたものの、オーナーに出ていけと言われて居座る訳にはいかず、 アパートを出て近隣の大衆ホテル、ホリデイ・インへの滞在を強いられたとのこと。

ところがこのホリデイ・インで初日の宿泊料としてチャージされたのはは4スター・ホテル並みの809ドルという法外な代金。 どうしてこんな高額をホリデイ・インのような大衆ホテルでチャージされたかと言えば、この時のホリデイ・インはほぼ満室状態。 ニューヨークの法律ではホテルの空室が5部屋以下になった場合は、1晩目の宿泊費のみホテル側がどんな価格をチャージしても良いことになっており、 宿泊費は2日目から249ドルに下がったものの、カップルはアパートを追い出されたせいで ホテル探しや移動で時間を大幅に無駄にして、 予定より遥かに高額を宿泊費として支払う羽目になり、散々なバケーションになったというのがこのホラー・ストーリー。 ?



どうしてこんなことになってしまったかと言えば、ニューヨークでは、ホテル以外の宿泊施設に30日以下滞在するのはかなり前から違法。 すなわちエアビーアンド・ビーのウェブサイトでオファーされているような 自分のアパートを短期の旅行者に貸し出す行為、及びアパートを2軒以上借りて それらを短期の貸し出しに当てることは既に違法行為。 したがってエアビーアンド・ビーのサイトに掲載されている約55%の物件が違法であることはニューヨークでは長く問題視されてきたことなのだった。
でもその法律を知っていても、知らなくても、違法レンタルを続けるニューヨーカーは多く、そうしたニューヨーカーにしてみれば、 エアビーアンドビーは貴重な収入源になっていたのは言うまでもないこと。

でもエアビーアンドビーはニューヨークのホテル業界にとって痛手なだけでなく、 一般市民が旅行者から収入を得ても、それを申告しないという脱税手段をを提供するビジネス。 そこでニューヨーク州がまず講じた取り締まりの手段が、違法エアビーアンドビー物件の摘発とその罰金の強化。
2015年入ってからニューヨーク州におけるアパートの違法レンタルの罰金が最高5万ドル(約600万円)に引き上げられた一方で、 エアビーアンドビーによって見知らぬ旅行者が自分の住むビルに出入りすることを嫌う住人たちからの通報に対応するため、 捜査官を大幅に増員していたのだった。

その後何が起こったかと言えば、アパートの家主がエアビーアンドビーを通じてアパートを旅行者に貸し出していたテナントを追い出したり、訴えたりするという事態。 2015年12月には家主がテナントを相手取って、エアビーアンドビーを通じたレンタルの損害賠償として30万ドル(約3450万円)の損害賠償訴訟を起したニュースがニューヨークで 大きく報じられていたけれど、それと言うのも 違法レンタルが摘発された場合に市が罰金を請求するのは、実際に貸し出しをしていたテナントではなく 建物の所有者である家主。
では家主が 最高5万ドルであるはずの罰金の支払いに、何故その6倍をテナントに請求する訴訟を起したかと言えば、 このテナントは3ヶ月に渡ってアパートを貸し出しており、罰金4万5千ドル(約515万円)に加えて、違法経営1日当り 1000ドルのペナルティと その他のフィーが科せられ、 さらに罰金に対する基本チャージが加わるとのこと。それに加えて弁護士に支払うフィーなどの諸経費を加えると、その損害総額が30万ドル(約3450万円)になるというのが請求の内訳。

すなわち、テナントの小遣い稼ぎのはずのレンタルによってテナントが破産に追い込まれるのは自業自得だとしても、 そのテナントが損害賠償額を支払いきれない場合、家主の家計までもが脅かされるという事態が起こるのだった。




この訴訟のニュースには ニューヨーク中の家主が震え上がり、2016年に入ってから多くの家主がテナントに出したのが 「エアビーアンドビーの旅行者を見かけたらレポートするように」という通達。 もちろんテナント側にしてみれば、バックグラウンド・チェックもされていない旅行者が自分の住むビルに出入りするというのは、 危機感を煽られる事態。
このため、自分が住むビル内でエアビーアンドビーの滞在者と思しき旅行者を見かけると、住人のニューヨーカーが質問責めにしたり、 違法行為だと警告するのは、特に先述のカリフォルニアのカップルに限ったことではないのだった。

でも前述のカリフォルニアのカップルが追い出されるきっかけとなった法律というのは、2016年10月21日に制定されたばかりのもので、 これは違法のアパート・レンタルの広告をエアビーアンドビーなどのサイトに掲載しただけで、実際に貸し出しをしていなくても罰金の対象になるというもの。 摘発の初回の罰金は1000ドル、2度目で5000ドル、3度目で7500ドルという極めて厳しい ペナルティが課せられるのがこの新たな法律。 ブルックリンのイースト・ウィリアムス・バーグで経営されているアパートメント・ビルディングは、全ユニットをエアビーアンドビーを通じてレンタルしていることから、 もし摘発された場合の罰金は 総額234万ドル(2億6900万円)になることが伝えられているのだった。




エアビーアンドビーに関する法律は全米各州で異なることもあって、こうした法律の制定はニューヨークでは大きなニュースになっても、 他州や他国からニューヨーカーを訪れる旅行者はこの実態を殆ど知らないのが実情。 またニューヨーカーで、エアビーアンドビーに物件をリストしていても、ニュースを見ない人は この法律について全く知識がないケースも多いとのこと。

このため未だにリストされている違法物件に滞在を申し込んでしまう旅行者は今も絶えないけれど、 到着した途端に ビルディングの住人に怪しまれて、違法滞在を責めるハラスメントを受けたり、 滞在予定を消化しないうちにアパートを追い出されるのは決して珍しくない事態。 旅行者側にとって不利なのは、エアビーアンドビーで短期滞在すること自体が違法行為なので、 ハラスメントを受けても、アパートを追い出されても、文句が言えないだけでなく、警察に頼ることもできないこと。

短期でもエアビーアンドビーに滞在出来るのは、ニューヨーカーが実際に暮らしている家やアパートの一室やそのスペースを間借りすること。 間借りの場合は、ルームメイト法という異なる法律が適用されるので、違法には当たらない行為。
エアビーアンドビー側は、ニューヨークの法律を熟知しているため、 ニューヨークへの旅行者に対しては、「出来るだけニューヨーカーの友達と行動すること」、「友人宅に泊まっているかのように振る舞うこと」 というアドバイスをEメールで行って、遠回しに旅行者に警告していますが、 トラブルを事前に防ぐためには、やはりホテルに泊まるか、そうでなければエアビーアンドビーを間借りで利用する方が賢明と言えるでしょう。

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