New Art Sensation Taking Over NYC
“Rain Room” @ MoMA

NYCでセンセーションを巻き起こすアート・エキシビジョン
“レイン・ルーム” @ MoMA




現在、ニューヨークで大きなセンセーションを起こしているのが、MoMAこと “Museum of Modern Art / ミュージアム・オブ・モダン・アート” のエキシビジョン、“Rain Room / レイン・ルーム”。
5月に始まったこの期間限定エキシビジョンは、MoMAの歴史上最大規模、かつ最大の人気を誇るものとなっており、 その展示を体験しようと、毎日ニューヨーカーや旅行者が 炎天下の中で長蛇の列を成し、多くのメディアで話題になっています。

“レイン・ルーム” は、ネーミング通り雨の降る部屋が会場。 ヴィジターは、天井から降るイミテーションの雨の中を歩き回るだけのエキシビジョン。 でも 部屋の中には、人やその動きを察知するセンサーが設置されていて、センサーで認識された人や物の周には雨が降ってこないというのが このエキジビジョンの画期的なところ。
そのため、雨の中を歩き回っているのに濡れないというユニークな感覚を味わうことができ、それによって「雨をコントロールしている」という 非現実的と言える 心理的センセーションをもたらすのがコンセプトになっています。


そのセンセーションを一度味わいたいと、美術館には毎日多くのヴィジターが押し寄せていますが、 早い人はMoMAの開館時間、9時の3時間前の午前6時に美術館に到着。 同エキシビジョンを目当てに、遠方からも多くの人々が訪れるため、美術館の周囲は早朝から まるでお祭りのような騒ぎが繰り広げられています。

5月12日のオープン直後から大人気を博していたレイン・ルームですが、7月28日に最終日を向かえるため、特に7月に入ってからは その混み具合も最高潮に到達。 平日の平均待ち時間は5時間以上、週末には それ以上をの待ち時間が伝えられており、 真夏日を記録した7月2週目の週末には、何とこれまでで最長の9時間という 驚きの待ち時間を記録。
そんな炎天下で行列する人々のために、MoMA側では 日傘を配ったり、列を離れられない人々のために 飲み水を販売するなど、熱中症対策に追われているような状態です。

レイン・ルームが どうしてここまで長い待ち時間を要する大人気のアトラクションになったかと言えば、 その最大の理由は室内での写真撮影が可能であること。 これはMoMAだけでなく、最近の美術館ではよく見られる傾向で、ヴィジターに写真撮影を許可し、フェイスブックやツイッターなどのSNSにアップすることを奨励することで、多大な宣伝効果を促進するというもの。 それによってメディア上の露出を高め、人々のFOMO(Fear Of Missing Out=自分だけ楽しいことを見逃しているのではないかという恐怖心)を掻き立て、 多くの人を呼び寄せるのが目的。
メトロポリタン美術館などは、期間限定のエキジビジョンのみ写真撮影を許可しないポリシーにしていますが、 MoMAが今回 レイン・ルームの撮影を許可した作戦は大成功。 MoMAのウェブサイトでは、フェイスブック、ツイッター、インスタグラム、フリッカーで、#RainRoomのハッシュタグを使って写真をアップすれば、 それらの写真が同美術館のウェブサイトに掲載される仕組みになっており、そこにはキスをするカップル、ヨガのポーズを取る人など、数え切れないほど多くの写真が掲載されています。


また、もうひとつの混雑の理由は、レイン・ルームの定員が10人までに限られていること。
同室内はおよそ450uとあまり広くない上に、各ビジターの周りには 直径約1メートルの雨の降らないエリアが形成されるので、 人の数が増えれば増えるほど 雨の量が減ってしまうことになりますが、そうなれば 当然のことながら楽しさも半減。 そのためレイン・ルームは、一度に10人までの入場がルールになっています。

7月2週目を終えた時点で、何と5万5,000人もの人々が訪れたレイン・ルーム。
その中には新聞、雑誌、テレビで活躍するプロのライターやレポーターも多く、エキシビジョンのレビューも数多く出ていますが、 それらは決して全てがポジティブなものとは限らず、中には「5時間も待つ価値はない」という酷評もちらほら。
中には、「雨に濡れた」という声もありますが、レイン・ルームのセンサーは、早く動いている人や物がキャッチできないようになっていて、 レイン・ルームの中を走ったり、早歩きをした場合は雨に濡れてしまうのが実情。
このためレイン・ルームに入場する際には、美術館側がセンサーによって察知可能な歩くスピードをアドバイスするシステムになっています。



最新テクノロジーを駆使して作られたレイン・ルームは、列の流れをスムーズにするために、10分間で部屋を退出することが推奨されていますが、 待ち時間が長いだけに、中には思う存分楽しもうと 1時間ほど長居する人も居るとのこと。
現在では、中に入らなくてもその様子が外からも伺えるよう、部屋の中が見える作りになっていて、 「炎天下に数時間の行列は御免でも、どんな感じか見てみたい」という人々が、MoMAへ足を運んでいることも伝えられています。

レイン・ルームのエキシビジョンの1日のキャパシティーはわずか1200人。
MoMAのメンバーは優先的に入場することができることから、7月に入って激増していたのが同エキシビジョンを観るだけのために 85ドルのメンバーシップを購入する ニューヨーカー。 でも、その数があまりに多過ぎることから、残り少なくなった日程中に メンバー以外が入場するのは不可能とまで言われ始めているのが現状。
それでも人々が毎日早朝から大行列を成すために、7月半ば過ぎからはMoMAがオープンする午前9時前に既に定員オーバー。 さらに列に並ばずに入場が許される VIPメンバーもいるため、レイン・ルームを体感しようという人々の争いは 壮絶になっていることが伝えられています。


MoMA / Museum of Modern Art
11 West 53 Street, New York, NY 10019
Tel:(212) 708-9400
http://www.moma.org/





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