Nov. Week 1, 2017
”Favorite Timeless Classics”
”ファッションのフェイバリット・タイムレス・クラシックス”
少し前に日本からやって来た2組の旅行者が共にNYで買いたがっていたのがアルファ・インダストリーのMA1。
3年ほど前からヴェトモンやイージー、ディオールやルイ・ヴィトンまでもがMA1、もしくはMA1にインスパイアされたスタイルを手掛けたこともあって
今シーズンもファッションのメインストリームになっているのがMA1で、
さほど高いものではないだけに、オリジナルを買うべきアイテムの1つ。レディースの展開が
日本とアメリカでは若干異なるというのがNYでMA1Wを買いたがっていた理由のようなのだった。
アルファ・インダストリー自体は、MA1のオリジナル・クリエーターではなく、国防省とのコントラクトで1963年からMA1を生産しているメーカー。
同社はテネシー州のノックスヴィルの閉鎖されたリーバイスの工場を引き継いで誕生したアパレル・メーカーで、一般に製品をを販売し始めたのは1970年のこと。
コピー品が沢山出回っていても、アメリカではMA1と言えばアルファ・インダストリーで、
このところあまりに人気が高まっているせいか、昨年から今年にかけて価格が10%以上アップしているのだった。
私に言わせれば、MA1はリーバイスの501やL.L.ビーンのビーン・ブーツ&トートバッグ、シャネル・バッグ、モーターサイクル・ジャケット等と同様のタイムレス・クラシック。
オリジナルを買っている限りは絶対にアウト・オブ・スタイルにならない上に、国防省の規定を満たしているとあって丈夫で機能的。かつ着回しが利くので、
コスト・パフォーマンスが抜群のアイテム。
かつては袖のユーティリティ・ポケットのジッパーについている「REMOVE BEFORE FLIGHT」と書かれた赤いリボンタグを外して着用されていたけれど、
今ではアルファ・インダストリーの製品であることをアピールするために、あえてこのタグを外さずに着用するようになってきているのだった。
ハイファッションの世界で、永遠のタイムレス・クラシックになっているのはシャネル・スーツ、シャネル・バッグ、シャネル・シューズであるけれど、
ココ・シャネルという人は本当に頭が良くて、シャネル・スーツのジャケットの裾の内側には細いチェーンが縫い付けてあって、それは服のシルエットを美しく保つための工夫。
シャネル・シューズのトウ・パッチはシューズの最も傷みやすい場所をプロテクトするものであるし、オリジナルのシャネル・バッグのライニングがダーク・レッドなのは、
バッグの中の物を探し易くするためのもの。ストラップがチェ―ンであるのも強度を増すためで、”タイムレス・クラシック”と呼ばれるアイテムは
常にスタイルと機能がハイレベルで融合してものなのだった。
その意味で 機能がアップしてきても まだまだ買う気になれなかったのがアップル・ウォッチであるけれど、
ようやく買おうかと思い始めたのが写真上のシャネル・スタイルのウォッチバンドが登場したため。
このチェーン・バンドをつけると、デビュー当時から「アグリー」と言われ続けてきたアップル・ウォッチが、シャネルの腕時計にかなり近いルックスになるけれど、
そのアップル・ウオッチは、シリーズ3でプレイリストをダウンロードすれば音楽も聴ける上に、
フィットネス・トラッカーは、ヘルスモニターの役割も果たすようになってきたこともあり、
アメリカではようやく「火が付いた」という売り上げを記録するようになってきたところ。
今年のホリデイシーズンには、更にその売り上げの伸びが期待されていて、
私もこのウォッチ・バンドと一緒に購入する予定なのだった。
ちなみに、同ウォッチバンドはCUBE New Yorkでお取り扱いを開始しました。
ハイ・ファッションの世界で定期的にカムバックしてくるのがコカコーラのモチーフで、
写真上のようにソフィア・ウェブスターのパンプスやPinkoのニット・セーター(左から2番目)、数シーズン前に
ファッション業界関係者がこぞって着用していたAhishのシークィンのトップ(右から2番目)など、
ライセンス料を支払ってまで、コカコーラのロゴを使いたがるデザイナーが居るほど、
ポップカルチャー・モチーフとして不動の地位を獲得しているのだった。
もちろん、コカコーラ自体も自社ロゴのアパレルやグッズを生産してきた歴史があるけれど、
つい最近登場して、ソーシャル・メディア上で徐々にバズをクリエイトしてきているのが、新しいコカコーラのアパレル・ライン。
その中から私がピックしたのが上のセーターとスウェットの中間のような素材のトップで、
ラグラン・スリーブのフロント・パネルが、コカコーラのダークレッドのロゴをフィーチャーしたシークィン素材になっていて、
袖やバック・サイドはプレーンなジャージー・ニット素材。
シークィンの面積が限られているので、スウェットより華やかで、存在感があるけれど、
カジュアルにレザー・パンツやスカート、レギンス等に合わせて着用できるところが気に入ってしまったのだった。
とは言っても、実は私はコカコーラの味が何より苦手で、生涯に5回くらいしか飲んだことが無いだけでなく、
どうしてあの味が世界のベストセラー・ドリンクになりうるのかが 私にとっては世界の7不思議のうちの1つ。
それでもふと思い出すと、学生時代にもコカコーラのロゴをフィーチャーしたTシャツを着ていたことがあるので、
このロゴが持つ存在感には何故か惹かれるものがあるということだと思うのだった。
執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に
ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。