Oct. Week 4, 2015
” Mission Chinese Food Beggar's Duck ”
+ Movie ”Steve Jobs”
ミッション・チャイニーズ・フード "ベガーズ・ダック" + Movie ”スティーブ・ジョブス”


10月15日に行ったのが、ミッション・チャイニーズ・フードでの久々のディナー・クラブ
ミッション・チャイニーズ・フードは、過去に2回ほどこのコラムに書いている通り イノベイティブかつ、刺激的なほどにスパイシーなチャイニーズが味わえる 私のお気に入りのレストランの1つ。 以前は予約を取らないシステムだったので、ディナーの2時間待ちは当たり前であったけれど、 新しい店舗に移ってからは、客席数が増えたのに加えて、予約を受け付けるようになったので ディナー・クラブを計画することが出来たのだった。
とは言っても予約はアプをダウンロードして、聞いたことも無い予約サービスを使うシステムで、しかもその予約サービスは5ドルという有料のもの。 でもディナー・クラブのようなグループでの食事の場合は、同サービスを使うと グループ客のみがオーダーできる スペシャル・メニューからのプレ・オーダーを代行してくれるという利点があるのだった。
そこで、ディナー・クラブの参加者、私を含め全7名のディナーのためにプレ・オーダーしたのが、 ここに御紹介するベガーズ・ダック。






ベガーズ・ダックは、鴨をローストした料理で、もち米と甘栗のスタッフィグを入れてから、はすの葉で包んで、 それをさらにクレーで覆ってから何時間もかけて焼き上げるという手の込んだ料理で、絶対に個人宅では味わえないメニュー。
テーブルに運ばれてきた時は写真上のようにナプキンが掛けられていて、まだまだクレーが熱い状態。 そのクレーをテーブルの上で ハンマーで割って、ペーパーラップと はすの葉っぱを剥がすと 現れるのが こんがりと焼きあがった鴨。 その鴨は北京ダックのように皮がカリカリではなく 柔かくて、肉もジューシー。これを大きなスプーンでほぐして 肉と甘栗入りのもち米をミックスして、具の多い交ぜご飯のようにしてから 特性ソースを掛けて味わうのがベガーズ・ダック。

もち米には鴨のエキスと甘味のあるソースでしっかり味が付いていて、 ちょぴりガミーな皮と、甘栗のテクスチャーが、独特の食感で 久々に珍しいお料理を味わったという満足感が得られたのがこのディッシュ。
同じような調理法による ベガーズ・チキンという料理の方が一般的のようだけれど、 私はダック・バージョンの方が正解だと思うのだった。
ベガーズ・ダックはミッション・チャイニーズのメニューでは2番目に高い100ドルのディッシュ。 でも7人で味わったら、アペタイザー1皿分のお値段で楽しめるので、やはりチャイニーズは大勢で出かけるのが一番!

店内が暗くて まともな写真が撮れなかったので、プレス用に撮影された同ディッシュの写真を下にフィーチャーしたけれど、 そのお隣はミッション・チャイニーズ・フードの唯一のデザートである、シェイブド・ミルク・アイス。
シェイブド・アイスとはかき氷のことだけれど、実際には練乳のソルべのようなデザートで、 チャイニーズの締めくくりにはピッタリのパレット・クリーナー(口直し)。 上から振りかけてあるクランチーなトッピングが、シンプルなデザートにひと捻りを加えているのだった。






ところで、このディナー・クラブの直前に私が観に行ったのが、一部の映画観で限定公開されていた「スティーブ・ジョブス」。
私は同作品の脚本を手がけるアラン・ソーキンのファンで、彼の代表作と言えばTV番組では「ウエスト・ウィング」、 映画では「ソーシャル・ネットワーク」、「スラムドッグ・ミリオネア」。 映画の2作はどちらも、現在進行するドラマの中で 過去の出来事がフラッシュバック的に描かれて、 時間の流れがクリアかつ効果的に演出されている素晴らしい脚本。 なので、私は2011年に出版されたウォルター・アイザックソンの分厚い著書=スティーブ・ジョブスの生涯を、 アラン・ソーキンがどうやって約2時間の映画に落とし込むかに 非常に興味を持っていたのだった。
映画で描かれているのはスティーブ・ジョブスが行った3つの製品発表イベントの直前で、 1つめは1984年のアップルのマッキントッシュ、2つ目が1988年にアップルをクビにされた彼がネクストを設立してクリエイトしたコンピューター、キューブ。 3つ目はアップルに復帰した彼が1998年に発表したiMac / アイマック。この3つの時代の3日のみを描いたのが同作品で、 台詞には、アップルのロゴの由来や、広告キャラクターをスティーブ・ジョブスが選んだ理由、アイポッド誕生のきっかけなど 沢山の情報が さりげなく盛り込まれているけれど、残念ながら先の2本のレベルには及ばなかったのが映画「スティーブ・ジョブス」。
加えて、主演のマイケル・ファスベンダーがあまりにスティーブ・ジョブスに似ていないのがとても気になって、 特に前半は、彼をスティーブ・ジョブスだと思い込もうとするのに疲れてしまったのだった。 マイケル・ファスベンダーは良い俳優ではあるけれど、”身体から出ているオーラが違う” というのが私が彼が演じるスティーブ・ジョブスに入っていけなかった理由。 ルックス的には、スティーブ・ジョブスも彼のパートナーのスティーブ・ウォツ二アックも アシュトン・クッチャー主演の「ジョブス」(写真上、右上コーナー)の方が遥かに似ていたけれど、 同映画は作りがチープで、スティーブ・ジョブスに対して失礼とさえ思えたのだった。
でも私は「スティーブ・ジョブス」を決して低く評価している訳ではなくて、その証拠に 私が同映画の話を詳しく説明してあげた人は、 皆こぞって「観に行ってみる」と言うリアクションで、要するに私の説明が宣伝ピッチになっているということ。 特にウォルター・アイザックソンの著書を読んでいない人には 興味深い発見がいろいろある上に、 ペプシからスティーブ・ジョブスが引き抜いたアップルの元CEO、ジョン・スカリーに扮するジェフ・ダニエルズの演技は 見る価値があると思うのだった。

Will New York 宿泊施設滞在


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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