Oct. Week 3, 2017
”The Most Instagramable Dessert in NYC”
”ニューヨークで最もインスタグラマブルなデザート&フード・トレンド”


ニューヨーク・タイムズ紙が数週間前にそのダイニング・セクションの記事で指摘したのが、 今ではフード・トレンドや、新たなレストラン情報がインスタグラムからキャッチされるようになってきたという事実。
それほどインスタグラムを始めとするソーシャル・メディアがレストラン・マーケティングの鍵を握るようになってきたので、 かつては新しいレストランをオープンする場合、そのメニュー構成や価格、フードのプレゼンテーションをチェックする フード・コンサルタントを雇っていたけれど、今ではメディア・コンサルタントがそれに取って代わるようになって久しい状況。 このメディア・コンサルタントが何をするかと言えば、レストラン側がターゲットとする客層に適したソーシャル・メディア上の マーケティングをデザインするだけでなく、インスタ受けが良いディッシュの開発、 フードの写真写りを考慮した店内のライティングなど、多岐に渡るアドバイスをしているとのこと。 もちろんヤラセの行列をアレンジするのもメディア・コンサルタントの仕事で、ターゲット客層の年齢やファッションの並び屋を起用して ブームを盛り上げるけれど、今ではスマートフォンのアプリを通じて並び屋に登録するミレニアル世代が多いため、 このアレンジはさほど難しくないようなのだった。

過去にこのコーナーで”バースデー・クロワッサン”をご紹介したレストラン、ユニオン・フェアは、 そんなメディア・コンサルタントをフル活用していることで知られる存在で、同店はバースデー・クロワッサンを含めた クロワッサンのバラエティで知られ、ベーカリー・セクションで写真を撮影する来店客が多いことから、 写真写りを考慮してベーカリーを入口付近の自然光が入るエリアに移したとのこと。 またバースデー・セレブレーション用のデザートに、写真下の飴細工のドームをかぶせるプレゼンテーションを行っており、 ドームの中のキャンドルの光がランタンのような雰囲気を醸し出す フォトジェニックなインスタ・デザートに仕上げているのだった。








かつては、”インスタグラムにアップするに値する”という意味で、”Insta-Worthy / インスタ・ウォーシー”という言葉が持てはやされたけれど、 昨今それに代わって使われるようになったのは、”Instagramable / インスタグラマブル”という言葉。 そして、2017年の夏に”最もインスタグラマブルなレストラン” としてマンハッタンにオープンして、その肩書通り 旅行者を含む多くの人々が訪れては、見目麗しい写真を撮影していたのが、写真上の”While We Were Young / ホワイル・ウィ・ワー・ヤング”。 店内はブルーを基調にしたバーカウンター・エリアとピンク&ホワイトを基調にした壁沿いのテーブル・セクションだけの小さなスペースであるものの、自然光がふんだんに差し込むので写真写りは抜群。 加えてレストランのスタッフが撮影に協力的なので、ファッション・ブロガーが自分のファッション・フォトの撮影にも使用しするなど、不思議な人気を博しているのだった。





でも昨今はインスタもビデオ時代。ということでレストラン側は写真だけでなく インスタグラマブルなビデオ映像が提供できる メニューを模索し始めて久しいけれど、そのせいで昨年から再び脚光を浴びてきたのがフランベ。
写真上、上段と下段左は、ベアトリス・インのアジア人女性シェフ、 アンジー・マーがトラディショナルな北京ダックのレシピからインスピレーションを得たクリエイトした ”ダック・フランベ”。 長時間をかけてスロー・ローストしたダックのスキンをフランベでクリスピーに仕上げるというもので、 下がそのビデオ。
その一方で、2016年のニューヨークのベスト・ニュー・レストランに選ばれたローワー・イーストサイドのLe Coucou/ル・ククで人気になっているのが、 やはりテーブル・サイドでのフランベで仕上げるデザート、”オムレット・ノルヴェジェンヌ”(写真上、下段右)。 これはピスタチオのケーキとバニラ・アイスクリームのレイヤーをメレンゲでカバーして、チェリーのコンポートを乗せて、 リキュールを掛けてフランベにするという典型的な”ベイクド・アラスカ”のデザート。 火をつける瞬間にビデオ撮影する人々が多いのはダック・フランベ同様なのだった。







でもそんなフランベのトレンドの上を行くのが ミッドタウンにあるチャイニーズ・レストラン、フィリップのコットン・キャンディ・ベイクド・アラスカ。(写真上、及びこのページのトップの写真)
このディッシュは前述のル・ククの”オムレット・ノルヴェジェンヌ”同様に、スポンジ・ケーキとアイスクリームをレイヤーにしてメレンゲでカバーしたものを フランベにする典型的な”ベイクド・アラスカ”のデザート。 でもそれをコットン・キャンディ(綿アメ)のドームで覆って、それにリキュールを掛けてフランベにすることによって、 コットン・キャンディがどんどん溶けて 崩れて、キャラメル状になってデザートの上に落ちて行くというもので、 味わいにも一捻りを加える効果があるプレゼンテーション。 このデザートは18ドルで、フィリップで食事をしなくてもバー・エリアで、シャンパンとデザートだけを味わうことも可能。
私はこのデザートをファイナンスのライセンス試験にパスした友人のサプライズ・セレブレーションに使ったけれど、 コットン・キャンディが青い炎でメラメラ燃えて崩れていく様子は あっと言う間ではあるものの なかなか楽しめるビジュアル・エンターテイメントなのだった。


ちなみにベイクド・アラスカは、アラスカがアメリカの50番目の州になった1867年にクリエイトされたデザートで、 メレンゲはアラスカの氷山をイメージしていると言われるもの。一時は手が掛かるのでレストラン・メニューから消え失せたデザートであるけれど、 キッチン・ガジェットの進化等も手伝って、ここ数年でカムバックしてきているのだった。

Union Fare : 5 E 17th St New York, NY 10003 Tel:212-633-6003
While We Were Young : 183 W 10th St New York, NY 10014 Tel:917-675-6272
The Beatice Inn : 285 W 12th St New York, NY 10014 Tel:212-675-2808
Le Coucou : 138 Lafayette St New York, NY 10013 Tel:212-271-4252
Philippe : 33 E. 60th St., New York, NY 10022 Tel:212-644-8885


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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