Sep Week 3, 2012
” Two Andy Warhol Product Line ”
” 2つのアンディ・ウォーホル プロダクト・ライン ”



60年代のポップアートの旗手として、あまりに有名なアンディ・ウォーホルであるけれど、 シルク・スクリーンを用いた著名人のポートレートで知られる彼が、 キャンベルのスープ缶を アートとして発表したのが1962年のこと。
今年はその50周年に当たるため、アメリカの大衆ディスカウント・ストア、ターゲットが9月2日に リミテッド・エディションで発売したのが、そのアンディ・ウォーホルのアートをラベルにフィーチャーしたキャンベル社の トマト・スープ缶。

スープ缶は、写真下のように4種類のカラー・バリエーションがあって、 パッケージの裏側には、キャンベル・スープ缶の アートが誕生して50周年の経緯やアンディ・ウォーホルのプロフィールが記載されているのだった。 リミテッド・エディションとは言え、120万ユニットも売り出されたスープ缶は、 コレクターズ・バージョンということもあって、瞬く間に完売。
誰もが知るカラフルな作風で、ポップ・アーティストとして ダントツの知名度を誇る アンディ・ウォーホルの 根強い人気を見せ付けていたのだった。




彼のアートをラベルにフィーチャーしたキャンベル・スープ缶のリミテッド・エディションが販売されたのは これが初めてではなく、2006年には バーニーズ・ニューヨークが、 そのホリデイ・ウインドウのテーマに アンディ・ウォーホルを選んだ際に、 やはりスープ缶を売り出しているのだった。
この時、バーニーズが販売したスープ缶は、普通に買ったら1ドル以下のスープ缶に、ウォーホルのアート・ラベルが 付いただけにも関わらず、お値段は20ドル。それでもバーニーズの顧客には 手頃で、遊び心のあるギフト・アイテムとして人気を集め、バーニーズはホリデイ期間中にスープを増産したほど。

でも今回のリミテッド・エディションは、大衆ディスカウント・ストア、ターゲットが売り出したとあって、 価格は 超良心的と言える 1缶75セント(約60円)。 なので、多数を買い占める人々が多かったことが伝えられているのだった。
私は、缶スープのように工場で生産されたものは食べない主義だけれど、 友達が買い占めた中から、このスープ缶を分けてもらって、レッド&ブルー、ブルー&グリーンの缶を入手。 眺めているだけで楽しい気分になれる缶なので、とても気に入っているけれど、 飾るには部屋のインテリアに合わないし、だからと言って戸棚にしまって置いても意味が無いので、目下はその用途を模索している最中なのだった。




ニューヨークのメトロポリタン美術館では、9月18日から大晦日まで、 「Regarding Warhol: Sixty Artists, Fifty Years/リガーディング・ウォーホル:シクスティ・アーティスト、フィフティ・イヤーズ」という エキジビジョンも行なわれているけれど、 アンディ・ウォーホルはキャンベルのスープ缶に始まって、ミッキーマウスや、バナナ、「$」の文字、シャネルNo.5、コカコーラのボトル等、 身近なものを全てアートにしてしまうという、斬新なコンセプトを持ち込んだアーティスト。
キャンベル・スープ缶のアートをクリエイトした2年後の、1964年からは、 彼は ”ファクトリー” と呼ばれるスタジオで、シルク・スクリーン・プリントをメインに アートの増産をスタート。
若い時代に人間関係で苦い経験を積んだ彼は、アートで感情を表現したり、作品に感情移入をするより、 あるものを見たままに作品にするのを好んだという。もちろんその ”見たまま” の状態には、 ドラッグやアルコールでハイになった状態のダブル・ビジョンや、サイケデリックなカラー・ビジョンが 強く打ち出されているけれど、その作風は、時代を超えて 多くのアーティストに大きな影響を与えてきたのは周知の事実。
ウォーホルの時代を超えたアピールは、デジタル・テクノロジーの今日も健在で、 アンディ・ウォーホル・ミュージアムでは、 「The Warhol: D.I.Y. POP」という 撮影した写真を、ウォーホルの作風に変えてしまうアイフォンのアプリを製作し、公開しているのだった。





ところで、メークアップ・アーティスト、フランソワ・ナーズも そんなアンディ・ウォーホルに強く影響を受けたアーティストの1人。
かねてから、ウォーホルのアートをプロダクトに反映するのが夢だったという彼が、 この秋からホリデイに掛けて、2回に分けて展開するするのが、リミテッド・エディションのウォーホル・コレクション。
第1弾は10月からセフォーラでエクスクルーシヴに展開されるラインで、キャンベル・スープ缶を真似たパッケージに 5本のリップグロスをセットしたものや、80年代の人気バンド、ブロンディのヴォーカル、デビー・ハリーの ウォーホル・アートをイメージ・ソースにしたパレットが 目玉商品であると同時に、コレクティブルと言われるアイテム。
これに次いで11月から、デパートで展開されるのがホリデイ・コレクションで、こちらは ウォーホル独得のカラー使いを反映したアイテムに加えて、 彼のポートレートや 彼の有名な作品の1つ「フラワーズ」をモチーフにしたアイシャドウが話題になっているのだった。




私が個人的に楽しみにしているのは、リミテッド・エディションで登場するネールで、特に気に入っているのが 写真上、右側のグリーンがかったディープ・ブルー。 ブラックほどはハードコアでなく、個性的でシックに見えるのがこうしたディープなグリーン・ブルー。 今までありそうで、無かったカラーだけれど、これからの秋冬シーズン、ネイビーやパープルのアウトフィットを着用した際に つけようと思っているのがこの色。
以前気に入っていたシャネルのネイビーのネールが、意外にもカナリー・ストーンをフィーチャーしたジュエリーと相性が良かったので、 同カラーでも カナリー・ストーンのリングとコーディネートするのを楽しみにしているのだった。

2010年には、ドン・ぺリニヨンのボトルも アンディ・ウォーホルのリミテッド・エディションが製作されていたけれど、 ウォーホールの凄いところは、そのアートを ” ファクトリー生産体制 ” にしてきたお陰で、 彼の死後25年が経過した今でも、新しいプロダクトやアイデアが、ウォーホル・アートを用いて どんどん生まれていること。
なので、ウォーホルのアートは、時代が流れても、姿形を変えて、 人々のライフスタイルの中に存在し続けると思うのだった。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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