Aug Week 5, 2014
” Court Street Grocers & Caviar ”
コート・ストリート・グロサーズ&キャビア
私が以前からトライしたいと思っては、チャンスを逸してきたのが
ブルックリン、キャロル・ガーデンのサンドウィッチ・ショップ、Court Street Grocers / コート・ストリート・グロサーズ。
同店で用いるパンは バルタザールやカプトスなどの一流ベーカリーのもの。
そのパンに挟む食材も、厳選されたターキーやチーズ、新鮮な野菜ばかり。
それをメイド・トゥ・オーダー、すなわちオーダーを受けてから作るので、
最高の食材を用いたサンドウィッチが、ベストのコンディションで食べられることで知られるのが同店。
そのコート・ストリート・グロサーズが、やっとマンハッタンに進出してきたのが2013年末のこと。
オープンしたロケーションは、Cube New Yorkでも取り上げた ゴサム・ウエスト・マーケット の中。
最初はブルックリンまで行かずして、同店のサンドウィッチが食べられることを喜んでいたけれど、
このゴサム・ウエスト・マーケットは 44丁目の11番街という、 近隣に住んでいる人しか行かないような ハドソン川に程近いエリアにあって、
頭で描くよりも ずっとずっと 遠い場所。
一度、ゴサム・ウエスト・マーケットの中に入っている アイヴァン・ラーメンに興味があったので、友人と出かけてみたけれど、
私が大嫌いなタイムズ・スクエアから歩いて20分近く掛かる遠さ。
しかもその時に 20ドルも出して食べた アイヴァン・ラーメンを 全然美味しいと思わなかった私は、
ゴサム・ウエスト・マーケットに もう1度足を運ぶ気持ちがすっかり失せてしまったのだった。
なので、せっかくマンハッタンにオープンしたのに、全くトライすることが無かったコート・ストリート・グロサーズのサンドウィッチであったけれど、
遂にそれをトライしたのがこの夏。話が長くなるので 経緯は割愛させて頂くけれど、
その時に 同店の1番人気のサンドウィッチ、”ターキー・クラブ”を食べてすっかり気に入ってしまったのだった。
このターキー・クラブは、七面鳥のダーク・ミートとホワイト・ミート、ビブ・レタス、ベーコン、マヨネーズ、ピクルスなどを、
バルタザールのホワイト・ブレッドで挟んでトーストした トリプル・デッカー(パンを3枚使って、具を2層にしたサンドウィッチ)。
同店のメニューで最も高額な15ドルのサンドウィッチ。
このサンドウィッチの話を Cube New Yorkのスタッフにしていたところ、私を含めて全員が
コート・ストリート・グロサーズのサンドウィッチを無性に食べたくなってしまったけれど、
わざわざハドソン川近くまで足を運ばずして、同店のサンドウィッチが食べる手段として
登場したのが、新たに登場したデリバリー・サービスの”Caviar /キャビア” なのだった。
キャビアは、複数のレストランからのデリバリーを ウェブサイト(www.trycaviar.com)からオーダーできるサービスで、
ニューヨーク以外にも、シカゴやロサンジェルスなど、全米各都市に進出しているサービス。
マンハッタンはアップタウンとダウンタウンの2つのエリアに別れていて、それぞれレストランのラインナップが異なるけれど、
そのラインナップから店を選んで、写真入りメニューを見ながらオーダーしたいフードをカートに入れていくのがシステム。
あとは、デリバリーの日時を指定して クレジット・カードで支払いを済ませるだけ。
キャビア側からは、デリバリーが店を出た時点で メールでその知らせが来ることになっているのだった。
実はコート・ストリート・グロサーズは、近隣住民にはデリバリー・サービスをしているけれど、私が住むアッパー・イーストサイドは 当然のことながら
遠いので デリバリーの圏外。でもキャビアのサービスを使えば、問題なくオーダーが出来て、デリバリー・フィーは9.99ドル。
でも8月中は これが4.99ドルのサービス期間になっていて、しかもこの中にはチップも含まれているのだった。
ちなみにマンハッタンで デリバリーでフードをオーダーする場合、チップとして代金の10〜20%を支払うのが常識。
雨や雪など 悪天候の場合は、当然チッップを多目に払うことになるのだった。
なので それを思えば、キャビアのサービスを使って 手数料を取られたところで、店から直接 デリバリーしてもらって、
チップを支払うのと全く同じ。
したがって 余分にお金を支払うという訳では無いのだった。
コート・ストリート・グロサーズのサンドウィッチは、店でオーダーすると 市松模様の薄紙で
美しくラップされて手渡されるけれど、デリバリーで届いたサンドウィッチも、店のカウンターで渡されるのとほぼ同じ状態。
作りたてのサンドウィッチが 未だ暖かくて、でもパンがその熱で湿気てしまうことも無く、
とても良いコンディション。
この時オーダーしたのは、四角いハンバーガー・パティにキャラメライズ・オニオン、チェダー・チーズをライ・ブレッドの間に挟んだ ”パティ・メルト”、
豚の肩肉のコンフィと赤ピーマン、ロマノ・チーズ、ブロッコリ・レーブをゴマ付きのロールに挟んだ”ポーク・ショルダー”
そして、”ターキー・クラブ”と並ぶ コート・ストリート・グロサーズの人気サンドウィッチである ”イタリアン・コンボ”。
イタリアン・コンボは、ハムとサラミ、3種類のチーズにアルグラ、マヨネーズ等を ”ヒーロー”と呼ばれるロール・パンに挟んだサンドウィッチ。
最もスタッフの間で人気だったのは、”パティ・メルト”で、ハンバーガー・パティの味と甘いオニオン、チーズがバランスよく
マッチした美味しさ。
次いでイタリアン・コンボが人気だったけれど、私はこちらよりも 最初に食べた”ターキー・コンボ”の方が好みと言えるのだった。
キャビアのサービスは、マンハッタンはダウンタウンの方がレストラン・ラインナップが充実していて、
Cube New Yorkでも取り上げた ”ミッション・カンティーナ”や、老舗中の老舗と言えるデリカテッセンの”カッツ”、
ピザに定評がある”モトリロ”、ミシュラン2つ星シェフ、マイケル・ホワイトのイタリアン・レストラン、”オステリア・モリーニ”、
そして名物ハンバーガーで知られる”コーナー・ビストロ”等がリストに名前を連ねていて、
その数は、どんどん増えているのだった。
昨今では、ホテルにもデリバリー・サービスが行われるようになって、ブティック・ホテルやビジネス・ホテルから
カフェテリアやルームサービスが消えて久しい時代になっているけれど、
キャビアが 通常のデリバリーよりも優れている点は、レストランのラインナップがグルメ店、人気店で占められていること。
さらに、そのウェブサイトにアクセスするだけで、それら全てのメニューの中から その時の気分で
フードがオーダーできること。
なのでコート・ストリート・グロサーズのサンドウィッチをオーダーする以外の時でも、
この先、またキャビアを利用すると思うのだった。
Caviar : http://www.trycaviar.com
Court Street Grocers
600 11th Avenue New York, NY 10036 212-582-7946
http://courtstreetgrocers.com/hellskitchen/
執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。