Aug. Week 2, 2015
” My Version of Allegra Ring ”
アレグラ・リング・マイ・ヴァージョン
私が気に入っているジュエリー・ブランドの1つに "de Grisogono / ドゥ・グリソゴノ"があるけれど、
同ブランドで最も有名なアイテムがアレグラ・リング(写真下)。
アレグラ・リングは細い9連リングのレイヤーのように見えるジュエリーで、
ダイヤ入りのものから、カラー・ストーン入りのものまで、数え切れないヴァラエティが登場しているリング。
同名のリングは、ブルガリからも登場しているけれど、
ドゥ・グリソゴノのアレグラは、
お揃いのイヤリングや、ブレスレット、ネックレスも登場していて、まさに同ブランドの シグニチャー・スタイルなのだった。
私はリングのレイヤー・スタイルが好きなこともあって、アレグラ・リングはずっと欲しいジュエリーの1つであったけれど、
問題はそのお値段。ダイヤのエタニティ・レイヤーのアレグラ・リングの米国価格は、税込みで約4万5千ドル(約560万円)。
ゴールドをふんだんに用いた重みのあるリングには、素晴らしいクラフトマンシップで 見事に石がセットされているものの、
1カラット以上の石が1つも入っていないリングにこのお値段はやはりトゥー・マッチ。
何故1カラット以上の石にこだわるかと言えば、ニューヨークのダイヤモンド・ディストリクトで石に鑑定書が出るのは最低1カラット。
もしジュエリーに飽きたり、お金に困ったりして リングを売ろうとした場合、1カラット以上の石が入っているといないでは、
リングのお値段が大きく異なるのが実情。
同様のことはピアスでも言えて、0.9カラットのピアスと、1カラットのピアスを売ろうとした場合、1カラットのピアスの方が遥かに高額になるのだった。
したがって、「小石しか入っていないリングは、購入時には高額でも、売ろうとした時に財産価値が大きく下がる」というのは、
ファイン・ジュエリーを扱った経験がある人ならば 熟知していること。
そう考えると アレグラ・リングに大金を投じるのは、絶対に売ることは無いと確信している人か、さもなくば 売りに出した時に
価値が大きく下がっても、悔しくない程度に裕福である自信がある人が相応しいと私は考えているのだった。
かく言う私はどちらでもないので、ここ2年ほどずっと探し続けてきたのがアレグラ・リングのCJ版になりうるマウント(ゴールド部分)。
ニューヨークのダイヤモンド・ディストリクトでは、有名ジュエリー・ブランドのシグニチャー・スタイルやヒット作を真似た
マウントが出回る傾向にあるけれど、ドゥ・グリソゴノのように さほど知られていないブランドで、
しかも石のセットに費用と時間がかかるようなスタイルは商品化されないのが通常。
このため、アレグラ・リングをCJのシミュレーテッド・ダイヤモンドで作るのをほぼ諦めていたところに出会ったのが、
ここにご紹介するリングのマウント。
アレグラ・リングが9レイヤーのリングであるのに対して、こちらは5レイヤー。
それでも 見た目も、指につけた印象もかなりのボリュームで、ゴールドの使用量が多い分、通常のCJリングより重たい印象。
全51の石をフィーチャーしたトータル約1.6カラットのリングなのだった。
私がこのリングを非常に気に入った点は、ドゥ・グリソゴノのアレグラ・リング同様、
5本のリングが異なる高さでレイヤーになって、その遠近感が何とも言えない立体感をかもし出しているため。
こうした立体感は、単独のリングのレイヤーでは出せない上に、
非常に存在感があるリングなので、これをつけていると とにかく人に褒められるのだった。
このスタイルは、ダイヤモンド・ディストリクトでは ”ライトハンド・リング”、すなわち右手、それも厳密に言うと右手の人差し指にするリングとして
カテゴライズされているけれど、もちろんどの指につけてもOKのリング。
先月は私のバースデーだったこともあり、自分用にピンク・ゴールド&ピンク・ストーンでオーダーをしたところ、
仕上がってきたのは何故か、ホワイト・ストーン&ピンク・ゴールド。
でも、このリングはデザインの関係で ピンク・ゴールドのカラーが石に反射するので、ホワイト・ストーンのままキープすることにしたけれど、
私は過去5年ほど ジュエリーは全てローズ・ゴールド(ピンク・ゴールド)しかオーダーしたことが無くて、
これはローズ・ゴールドに含まれるコッパー(銅)が身体に良いこともあるけれど、
私の肌映りが最も良いのがローズ・ゴールドであるため。
ちなみに、CJバージョンのアレグラ・リングと一緒に、写真上 下段に写っているのは、
キューブ・ニューヨークで大人気のクロス・リングの シスター・プロダクトで、
ダブル・クロス・リング。
これは、ダイヤモンド・ディストリクトでクロス・リングと同じくらい売れているモダンなスタイルで、もう直ぐCJのセクションに登場予定です。
執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。