July. Week 1, 2017
”The Grill's Pasta a la Presse”
29ドルで味わえる、絶品ミリオネア・パスタ!
ザ・グリルの”パスタ・ア・ラ・プレッセ”



先週末にグルメな女友達と出かけてきたのが、2017年のニューヨークで最も話題のレストラン・オープニングとなったザ・グリル。 オープン以来、NYで最も予約を取るのが難しレストランとなっていた同店は1960年代にオープンし、長きに渡って ニューヨークのソーシャリートやエグゼクティブの社交場となってきたフォーシーズンス・レストラン移転後のロケーションにオープンしたレストラン。
同店を手掛けたのは カーボン、ダーティー・フレンチ等、ニューヨークの人気レストランを数多く傘下に収めるメジャー・フード・グループで、 今乗りに乗っている同グループが、かつての高度成長時代の大金持ちが味わったような 手が掛かったラグジュアリー・ダイニング・エクスペリエンスを再現&提供することで 早くも大評判になっているのがザ・グリルなのだった。

出掛ける前から私のお目当てだったのは、テーブルにカートで運ばれて来て、来店客の目の前でカットするという 昔ながらのサーヴィングをしてくれるプライム・リブ。 でもこの日の思わぬ大ヒットになったのが、レストランのキャプテンのお薦めでオーダーしてみた”パスタ・ア・ラ・プレッセ”。
シンプルなディッシュでありながら 非常に手の込んだ 贅沢なプロセスで作られるため、好奇心からオーダーしてみたこのパスタであったけれど、 その美味しさが脳裏に刻み付けられてしまい、自宅に戻ってリサーチしてみたところ、 このパスタが既にグルメ・ニューヨーカーの間で ”最もドラマティックなパスタ”、 ”最もラグジュリアスなディッシュ”、”ミリオネア・パスタ” と評価される話題の絶品パスタになっていることを悟ったのだった。




ではこのパスタがどんなものかと言えば、手打ちのエッグパスタに ダックや鶉の肉汁ソースをまぶして、パルメジャーノ・レッジャーノをトッピングするだけの 極めてシンプルなレシピ。 でも その肉汁のソースが出来るまでのプロセスがタダモノではなくて、肉汁を絞り出すのは フレンチの鴨料理をする際に生肉から血を絞り出すのに使われる ダック・プレッサー。これは1台3000〜4000ドルと言われる高額のオールドファッション・マシン。
同レストランでは生肉の代わりに 既にグリルした鴨や鶉の骨付き肉をプレッサーに入れて肉汁を絞り出すけれど、 その肉が別の料理の残りかと思ったら大間違い。わざわざ肉汁を取り出すだけのために見事な鴨肉&鶉の肉がカットされ、まずはその表面を完璧にグリル。 焼きあがった肉を野菜と一緒にフラット・パンに入れて 窯のオーブンで数分焼きあげるという、それだけで一皿の料理になる工程を経て、 フラット・パンがダック・プレッサーと共に カートに乗せられてテーブルに運ばれて来るのだった。

そして来店客の目の前で繰り広げられるのが、肉を一切れずつ丁寧にプレッサーに入れてから、ハンドルを回して肉汁を絞り出す作業。 ダークブラウンの肉汁が少しずつ出てくると、テーブルに独特の肉のアロマが漂ってくるけれど、その後肉汁は直ぐにキッチンに送られ、 パスタ・ディッシュに掛かったソースになって戻ってくるのが ”パスタ・ア・ラ・プレッセ”。
エッグパスタに見事に馴染んだ肉汁ソースの味わいは絶品で、 具が無いだけに、ソースの深い味わいが存分に堪能出来るという非常に計算されたディッシュ。
こんなに手が掛かった料理にも関わらずお値段は29ドルで、 近年味わった中ではベスト・パスタと言える味わいなのだった。








この日は、女性5人だったので サラダとパスタ、ステーキ・タルタルをアペタイザーにしてシェアし、 メインはお目当てだったプライム・リブ、ポーターハウス・リブアイ・ステーキ、そしてダックをオーダーして、 アスパラガスとポテトのサイド・ディッシュをオーダーしたけれど、 特に肉料理は肉のクォリティと言い、焼き具合と言い、ソースやディップの味わいと言い、すべてとても優秀。
ディナーは8時15分からの予約であったけれど、私たちがオーダーする時点で プライム・リブは最後の一切れになっていたので、遅い時間の予約の場合は予約確認の段階でプライム・リブの確保をリクエストした方が良さそうなのだった。

加えて私がザ・グリルを気に入ってしまったポイントはパンが非常に美味しいこと。ハーブ入りのバターが添えられていて、そのバターもまた美味。 同店で手が掛かっているのは、パスタや肉料理だけでなく、サラダも来店客の目の前でドレッシングを作るところからスタートして、 レタス、アボカド、クラブの見事なサラダを仕上げてくれる一方で、デザートのアイスクリームもテーブル・サイドでチェリーをフランベしてソースにしてくれるなど、 エンターテイメント性とラグジュアリーが同時に味わえるのが同店のサーヴィング。しかも、それらのテーブル・サイドのサーヴィングを担当するキャプテンは、 揃ってトム・フォードの6000ドルのタキシードを着用しているという徹底した贅沢ぶり。
結局この日はワインとシャンパンを2本ずつ飲んで、デザートをシェアして1人約260ドルのディナーであったけれど、 昔ながらのラグジュアリーなサーヴィングのせいで、もっとずっと贅沢をした気分を味わったのだった。

予定通りに行けば、7月中には元フォーシーズンスのもう1つの中央にプールがあることで知られる名物ダイニング・ルームが、 メジャー・フード・グループによって”ザ・プール” という新レストランに生まれ変わってオープンする予定で、 こちらはシーフード・レストランになっているのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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