May. Week 2, 2017
”Shake Shack Cookbook”
シェイク・シャック : レシピ&ストーリー


ニューヨークに長く暮らして、フード・トレンドをフォエローしている人ならば、 誰もが生き証人になっているのがシェイク・シャックの誕生と、その後のサクセス・ストーリー。
2001年の夏に、マディソン・スクエア・パーク内のパブリック・アート・プログラムのための ホットドッグ・スタンドとして誕生したのがシェイク・シャック。 その後も2年間、初夏から秋口までの期間限定のフード・キオスクとして 同パークで話題と人気を集めた後、 現在のパーマネント・キオスクの店舗がオープンしたのが2004年のこと。 以来同店が、今でも行列が絶えない長寿の大人気を博しているのは周知のとおり。
そのシェイク・シャックはアメリカ国内はもとより、ドバイ、東京、ロンドンにもオープンし、 世界131店舗を誇るチェーンに大成長。株式も公開されており、今年はさらに24店舗の開店が見込まれているのだった。

そんなシェイク・シャックのビジネス誕生からサクセスまでの軌跡、シャック・バーガー誕生の背景などを レシピと共に綴っているのが5月16日に発売される 「Shake Shack Recipes & Stories」なのっだった。





既にアマゾン・ドット・コムではプレ・オーダーだけで、ベストセラー・ニューリリースになっている 同書の出版を最初に聞いた時は、 何故シェイク・シャックがクックブックを手掛けるのか、正直なところ意味が分からなかったのだった。 というのも、同店はメニュー・アイテムが限られている上に、ハンバーガーやフレンチフライ(フライド・ポテト)や アイスクリーム・シェイクの作り方を学んだところで仕方ないと思ったためであったけれど、 この本の中身をチェックするうちに 私はその考えをすっかり改めたのだった。

そもそも、シェイク・シャックは私が過去20年間に食べた唯一のファストフード・バーガー。 私はシャック・バーガーの味も高く評価しているけれど、 そのバーガーのレイヤーを構成するレタス、トマト、ソース、バンズ、パティ、チーズについて1つ1つ 説明しているのがこの本。
シェイクシャックは、他のファスト・フード・チェーンに比べると お値段が高いので 当然と言えば当然であるけれど、味にこだわって食材を選んでいるという点は、 マクドナルドやバーガー・キングがコスト最優先にサプライヤーと契約するのとは全く異なるアプローチ。 なのでシャック・バーガーを自宅で再現するためには、同書に記載された食材と 同等のクォリティの材料調達からスタートしなければならないのだった。
でもこの本には 家庭で料理する場合のコツや、理想的な用具の説明なども沢山盛り込まれていて、 非常にユーザー・フレンドリー。 ビジュアルも多く、レシピの記載もシンプルなので、 最初は「ハンバーガーの作り方を学んでも仕方ない」と思っていた私も、 同書を見るうちに自分で作ってみたいという気持ちになってしまったのだった。









私にとって最も興味深かったのは、パティについての部分。
シャック・バーガーの人気の秘密を握っているこのパティは、マンハッタン、およびアメリカ中の一流レストランが 肉を仕入れているパット・ル・フリータによるシークレット・ブレンドの挽肉で作られているもの。 マクドナルドのビッグマック・ソースが未だに秘密のレシピであるのと同様に、シェイク・シャックの 挽肉ブレンドも極秘になっていて、多くのレストランがパット・ル・フリータにカスタム・ブレンドの挽肉をオーダーするようになったのも、 シェイク・シャックのパティの味に惚れ込んだためなのだった。

そのシェイク・シャックのパティの味付けは塩とコショウだけで、その割合は塩3に対してコショウ1。 にも関わらず肉が甘く感じられる独特のブレンドは、アンガス・ビーフのリブアイ20%、チャック(肩ロース)80%のミックスであるけれど、 明かされているのはここまでで、産地や肉のひき方は極秘。
日本の家庭でハンバーグを作る場合は、卵や片栗粉などのつなぎを使う場合が多いけれど、 アメリカではつなぎはナシで、肉は手でこねず、肉を潰さず、形もしっかり整えずに空気を含めるのが美味しいバーガーを作る秘訣。 シェイク・シャックのパティは、フワッと平たいパティに仕上げて、 グリルではなく鉄板で焼いて、チーズはウィスコンシン・チェダーのクリーミーなものが選ばれているのだった。

またシェイク・シャックがカスタム・オーダーしているポテト・バンズは肉汁がすんなり染み入って、肉の持ち味を引き立てる 柔らかさとボリュームでデザインされているとのことだったけれど、私の考えではこれと同じバンズを探すのが 一番大変そうに思えるのだった。

シェイク・シャックのレシピだけで1冊本が出来てしまう理由は、この本に 過去に登場したリミテッド・エディションのバーガーのレシピも含まれているためであるけれど、 前述のように同書に書かれているシェイク・シャックのビジネス・フィロソフィーや、そのサクセスの経緯やエピソードも とても興味深い内容。
ビジネスのタイプは違っても起業を考えている人や、アメリカ進出を狙う日本の フード業界の人が参考にすべき点に溢れていて、 料理本でありながらも「ハンバーガーという製品でサクセスを収めた企業のビジネス書」という印象が 残ったのがこの本なのだった。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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