Mar. Week 2, 2014
” 2 Finger / 2 Joint Ring ”
”トゥー・フィンガー / トゥー・ジョイント・リング”



2年ほど前から徐々に人気が高まって、2013年にジュエリー業界の目玉トレンド・アイテムになったのが、 トゥー・フィンガー・リング。
ダブル・フィンガー・リングとも呼ばれるこのリングは 人差し指と中指、もしくは中指と薬指につける2つのリングをバー状のオーナメントで繋いだもの。 見た目には付け心地が悪そうだけれど、指の付け根というのは あまり動かない場所なので、実際につけてみると 意外にもつけ心地が良いのがこのアイテム。

とは言っても、つけてみるまでは それが分からなかったので、私は当初は全くこのリングに興味を示していなかったのだった。 ところが 昨年末に出かけたマイアミで、現地のマダムがつけているのを見て気に入ってしまい、 以来ずっと続けてきたのが、トゥー・フィンガー・リングの気に入ったスタイルのリサーチ。
フェイクからリアルまで、石をフィチャーしたものから、何らかのオブジェをかたどったもの、リング同士をチェーンで繋いだものなど、 様々なスタイルが出ていて リサーチをすればするほど、目移りをしてしまったのだった。





今や、ゴールドのカラーだけをとっても、ブラック・ゴールド、グリーン・ゴールドといったオプションまでもが登場している時代。
私はローズ・ゴールド(ピンク・ゴールド)を 好んでいるので、 「もし自分のために作るならば、ローズ・ゴールド」と決めていたけれど、 トゥー・フィンガー・リングをCJの石で作って欲しいと 依頼していた友人は、ブラック・ゴールドにシミュレーテッド・ブラック・ダイヤモンドのセットを希望していて、 シンプルなデザインに纏めたい私の意向とは異なり、彼女はエキゾティックで、他では探せない個性的なデザインを求めているのだった。

そんな友人の分までリサーチをした結果、友達のリングは製作までこぎつけたものの、 自分のリングは まだ決心がつかない状態。旧正月を新しいリングで迎えようと思っていた 私の予定は 大幅に狂ってしまったのだった。
でも1つ勉強になったのは、ダブル・フィンガー・リングのサイズ選びについてで、さすがに2本の指に装着されているだけあって、 サイズが緩めでも動かないし、落ちる心配もナシ。逆にある程度 緩い方が つけているのを忘れてしまうほどに、つけ心地が良いのだった。






私はリサーチをしている間に脱線して、気付くと全く違うものを調べていることが珍しくないけれど、 トゥー・フィンガー・リングのデザインをリサーチしている間に、私が迷い込んだのが トゥー・ジョイント・リングの世界。
ロング・リングとも呼ばれるこのリングは、リング本体にジョイント(接続部分)が2つあるから そう呼ばれるのか、 はたまた、指の2関節(ジョイント)に渡ってつけるので そう呼ばれるのかは分からないけれど、 爆発的にこのリングが流行ったのは2010年前後。 とは言っても、誰もがつけられるお値段ではないだけに、もっぱらつけていたのはセレブリティやソーシャライト。
そしてこのトゥー・ジョイント・リングのオリジネーターといわれているのが、ゴシック系の ロックスター・ジュエリーで知られる ローリー・ロドキンなのだった。

ローリー・ロドキンを最初に有名にしたセレブリティと言えば シェールであるけれど、それ以外にもマドンナ、エアロスミスのスティーブン・タイラー、 ダフネ・ギネスなどがつけていることで知られるデザイナー。 彼女の作品は、アメリカでは数年置きにジュエリー・トレンドになる傾向にあって、 アメリカでは 日本で取り扱われているような小ぶりで、安価なラインは見当たらないので、 一般庶民には手が届かない ジュエリー・デザイナーというイメージ。
その代わり、明らかに彼女の作品のコピーと思しきアクセサリーは、大衆アパレル・ブランドのアクセサリー売り場に 溢れているのだった。




2フィンガー・リングと、2ジョイント・リングは、リングをホリゾンタルに長くつけるか、バーティカルに長くつけるかのデザインの違いであるけれど、 縦長の2ジョイント・リングをつけてみて、気付いたのは2フィンガー・リングよりも つけ心地は遥かに悪いものの、 とにかく目立つので ディナーの席でも、パーティーの席でもカンバセーション・ピースになるということ。
先週、このコーナーで書いた パスティス最後のディナーの席でも、会う人のほぼ全員に褒められまくったのが2ジョイント・リング。 でも、ディナーやラウンジに出掛けるというようなナイト・アウトの際には問題が無くても、 日常生活でずっとつけているのは かなり不便。したがって そんな付け心地や実用性を考えると、2フィンガー・リングも やはり魅力ある存在なのだった。

いずれにしても、確実なのは昨今は どんなにファッショナブルに装ったところで、やはり人の目が行くのはジュエリーであるということ。 これが経済の影響なのか、人々のマインド・セッティングのせいなのかは分からないけれど、ジュエリーの次ぎに目が行くのは ネール、そしてシューズ。
でももっと暖かい季節になって、ニューヨークの女性がタイツやブーツを脱いで、素足でサンダルやパンプスを履き始めると、 もっと シューズに視線が注がれるようになるのだった。


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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