Feb. Week 3, 2017
Tim Ho Wan Experience
実際に出掛けてみたティム・ホウ・ワン


過去10カ月のCUBE New Yorkのレストランの記事で、最もアクセス数が多かったのが 2016年12月にオープンしたティム・ホウ・ワンのページ。
私はオープン直後から ずっと同店に行きたいと思ってきたけれど、 オープン直後のティム・ホウ・ワンは、ランチタイムが1時半で終了した後、5時のディナータイムまでクローズしていた関係で、 午後4時には既に大行列が出来て、ウェイティング・リストに名前を入れるまで1時間、その後3時間待ちは当たり前という 混み具合。このため同店が午前10時から午後10時(金曜、土曜のみ午後11時)まで 休憩なしに営業する 平常スケジュールになって、混雑が緩和されるのを待っていたのだった。

案の定、平常のスケジュールになってからは待ち時間が短くなったとのことで、やっとティム・ホウ・ワンでのディナーが実現したのが 今週月曜のこと。強風で気温が低かったのに加えて、月曜日なのでさほど混むことはないだろうと思って、 6時に出掛けたところ ウェイティング・リストに名前を入れることは直ぐに出来たけれど、 1時間15分〜1時間半待ちと言われてしまったのだった。
店内には十分なウェイティングのスペースが無いこともあって、ディナー・メンバーと私は 近くのスターバックスで時間を過ごすことになったったけれど、「もうすぐテーブルが開くので、10分以内に店に戻るように」 というテキスト・メッセージが入ったのは1時間10分後。
その後店内で20分以上待つことになって、やっとテーブルに着いた時には午後7時40分くらいになっていたけれど、 現在のディナーの待ち時間は週末を除いては大体1時間半。 でも午後3〜5時に出掛ければ、全く待たずに食事が出来るようなのだった。

一度テーブルに座ると、そこからはプレース・マット兼写真入りメニューを見ながら、オーダーフォームに注文を書き込んで サーバーに渡すだけ。あっという間に1皿目が届いて、その後もたたみ掛けるようにオーダーしたディッシュが次から次へと 運ばれて来るようになっているのだった。
ちなみにオーダーを追加したい場合は、1度使ったオーダーフォームに2度目のオーダーだと分かるようにマークをして渡せばOK。 もちろん口頭でウェイターにオーダーすることも可能なのだった。







写真上の4点は、CUBE New Yorkの記事でもご紹介していた ティム・ホウ・ワンのシグニチャー・ディッシュ。 まず写真上、上段左はベイクド・ポーク・バンズ。ティム・ホウ・ワンの人気No.1メニューで、 持ち帰り用をオーダーする人も多いディッシュで、これは 薄いサクサクのメロンパンの中に、チャーシューの甘い煮込みが入ったもの。 私が最も期待して出掛けて、一番気に入ったのがこのベイクド・ポーク・バンズ。 そう思ったのは私だけではなかったので、リピートして2皿目をオーダーしてしまったけれど、 半分に割ってから食べないと 口の中を火傷しそうになるほど アツアツの状態でテーブルに運ばれて来るのだった。
同ディッシュに限らず、ティム・ホウ・ワンでは 全ての料理が揚げたて、蒸したて、焼きたての状態でサーブされるので、 一口食べて その熱さに驚いてしまうことが何度もあったのだった。

写真上、上段右はライス・ヌードル。これはテーブルに運ばれてきてからソースが掛けられるようになっていて、 エビとチャーシューの2種類をオーダーしたけれど、軍配が上がったのはエビ。 チャーシューは細かく刻んであるので具の存在感が薄いけれど、エビは丸ごと複数入っているので、その食感と ライス・ヌードルのプルプルした食感のコントラストが楽しめて、その方が美味しく感じられたのだった。

写真上、下段左は大根餅。でもこれは非常に脂っぽくて、日本の中華料理店で出されるような 表面がクリスピーな大根餅を好む私としては 感心しなかったアイテム。

写真上、下段右はディナー・メンバーの全員が「毎日おやつに食べたい!」というほど惚れ込んだ スティームド・エッグケーキで、要するに蒸しパン。でも黒糖の味がキャラメルのような風味を生み出していて、 日本の蒸しパンよりも遥かにフワフワで柔らかくて、デリケートなスポンジ感が楽しめるのだった。
ティム・ホウ・ワンはデザートがあまり優秀ではないので、このエッグケーキをデザート替わりにオーダーするのがお薦めなのだった。

ティム・ホウ・ワンでは、殆どのアイテムが3つずつサーヴィングされるので、 出掛ける人数は断然3人がお薦め。テーブルは全て2人席と4人席でセットされているので、 5人以上で出かけると待ち時間が長くなるのは必至なのだった。






それ以外に私たちがオーダーしたのは写真上のアイテム。
1段目左は、煮込んだチキンが入った粽(ちまき)で、ライスディッシュの中ではこれをオーダーするのが正解だと思うのだった。 その隣の春巻きは、特に変わった春巻きではないものの、揚げたてでカリカリ。
2段目左はエビのダンプリングで、エビがしっかり入っているけれど、それより私たちが気に入ったのはその隣の ニラとエビが入ったダンプリング。ニラの風味と食感がエビの味を引き立てていた上に、見た目にもキレイな印象なのだった。
3段目左は、ポークとエビのフライド・ダンプリング。スタッフィングは思いの他甘かったけれど、 表面がカリカリのダンプリングの衣は中がモチモチしていて、私は気に入ったディッシュ。
その隣はニューヨーク店エクスクルーシブのデザートで、フレンチ・トースト・ウィズ・カスタード。 フレンチ・トーストとは言っても、市販のパンケーキ・ミックスで作ったミニ・パンケーキの間にカスタード・クリームを挟んで、 それに卵で衣をつけて揚げたようなのがこのデザート。 フレンチ・トーストが好きな私はこのデザートにかなり期待していたものの、大根餅同様、 脂が浸み込み過ぎて、私は全く美味しいと思えなかったのだった。
それ以外にもデザートにスウィート・パンプキン・ウィズ・サゴをオーダーしたけれど、 これはタピオカを入れたパンプキンのスープ。このアイテムにはホットとコールドがあって、 何も言わずにいたところ運ばれてきたのはホット。味は完全にパンプキン・スープで、デザートというよりも クルトンを浮かべて前菜に味わうようなスープなのだった。


ティム・ホウ・ワンは、オープン・キッチンになっていて、カウンターでは3人までがスタンディングで簡単に食事が出来るようになっているけれど、 そのスタンディングさえもディナー・タイムはウェイティング状態。
店内は、写真で見た時はシンプルで簡素なインテリアだと思っていたけれど、実際に出掛けてみるとディテールに手が掛けられていて、 昨今マンハッタンに増えているモダンなチャイニーズ・レストランと張り合える店作り。

そしてチェックが届くと、3人で13皿を平らげて、ホワイト・ピオニーのお茶をオーダーしてもトータルは写真上右のように72ドル31セント。 チップを18%支払っても約85ドルと言う激安ぶり。
待っている人が多いので、食べ終わったら長居は無用かと思っていたけれど、 お店のマネージャーは「心配しないで、ゆっくりしていって」などと言ってくれて、 お腹一杯食べた後に直ぐに動かなくて良かったのは大きなプラス。
全てのディッシュが美味しいという訳ではないけれど、お値段を考えると腹は立たないのと、 サービスも良くて、食事が楽しめたので、香港の本店を含む2店舗のティム・ホウ・ワンが ミシュランの1つ星を獲得する理由は理解できるのだった。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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