Feb. Week 2, 2017
2017 Times Square Valentine Heart Design
シークレット・メッセージを込めた
2017年のタイムズスクエア・ヴァレンタイン・ハートデザイン



ニューヨークには パブリック・プレースにアートのディスプレーをするプログラムが幾つも存在するけれど、 ヴァレンタイン・シーズンのタイムズスクエアにお目見えするのが、 ハート・モチーフのスカルプチャーのディスプレー。
この企画はタイムズスクエア・アライアンスとセンター・フォー・アーキテクチャーが2009年からスタートしているもので、 毎年コンペで選ばれるのがこの展示作品。 今年選ばれた作品(写真上)については、隠されたメッセージが特に話題になっているのだった。




ピンクとレッドのラインをフィーチャーした何十本ものポールが、立体的にハートのビジョンを生み出す このスカルプチャーのネーミングは、”We Were Strangers Once Too, / ウィ・ワー・ストレンジャーズ・ワンス・トゥー”。 
「自分達もかつてはストレンジャーだった」というメッセージは、移民の国アメリカ、中でも移民が 街のパワーを生み出しているニューヨークのスピリッツを象徴すると同時に、 強硬な移民政策を掲げて新大統領となったドナルド・トランプに対する抗議のメッセージを含んだもの。
目下、ニューヨークを含むアメリカの各都市で毎日のように行われているのが、新大統領が打ち出した イスラム教徒が多いイラク、シリアなど7か国からの渡航禁止の大統領令に対する抗議活動。 このスカルプチャーがクリエイトされ、コンペに勝利したのは、その大統領令の遥か前であるものの、 その公開がタイムリーであったことから、例年に無く話題を集めているのがこのスカルプチャー。

ポールにフィーチャーされた、ピンクとレッドのラインには世界各国からやってきた移民の数が 国別に棒グラフのようにフィーチャーされており、移民の数が多い国ほどそのラインが長くなっているのだった。 そんな移民の数の棒グラフが、終結してハートのシェイプを生み出すスカルプチャーは、 メルティング・ポットと呼ばれる移民のメッカ、ニューヨークの姿をそのまま映し出すもの。
それと同時に、「アメリカン・インディアン以外は全員が移民」であるアメリカにおいて、 最初は誰もが移民であったこと、そして移民達を広く受け入れてきた歴史と、移民がアメリカン・ドリームを達成することによって 国力を高めてきたアメリカのカルチャーを改めてアピールするものになっているのだった。




今年で9回目を迎えたのが タイムズスクエア・ヴァレンタイン・ハートデザインであるけれど、 タイムズスクエアはニューヨーカーにもっとも嫌われている観光名所。
それだけに、今回のタイムリーな政治的メッセージを含んだスカルプチャーが登場するまでは、 旅行者のアトラクションにはなっても、ニューヨーカーの注目を集めることは殆ど無かったのが同企画。
その過去8年の作品は以下のようなものなのだった。

2009年:Valentine to Times Square / ヴァレンタイン・トゥ・タイムズスクエア



同アート企画のデビュー作品となったのが写真上の2009年の作品。 タイムズスクエアの明るさに合わせてLEDライトがカラーを変えるレーザーカット・メタルの高さ3メートルのスカルプチャー。


2010年: The Ice Heart / ジ・アイス・ハート



高さ10メートルのハートの氷像。タイムズ・スクエアのイルミネーションを映して、ライトアップされたようなエフェクトを生み出していたのが このスカルプチャーで、もちろん旅行者が自由に触れることが許されていました。


2011年: Light Hearted / ライト・ハーテッド



気分が思いことをHeavy Heartedと言うけれど、このタイトルはその正反対で、ハートのマテリアル同様、 とても軽いハートを表現したもの。真っ赤なファブリックとアルミニウムのフレームで出来たハートのスカルプチャーは、 人々が気軽に持ち上げてシェイプを変えることが出来るけれど、どんなシェイプにしてもハートの形はキープされているというコンセプト。


2012年: BIG<3 NYC / ビッグ・ハート NYC



400本のグラス・ロッドでクリエイトされたキューブ状のスカルプチャーは高さ3メートル。 すぐ傍にあるハート型のアクティベーション・パッド触れると、LEDライトでピンク色のハートが スカルプチャーに映し出されるというもので、パッドが察知する熱が高ければ高いほど ハートが明るく輝くという仕組み。したがってカップルでパッドに触れるとその熱愛ぶりが分かるというコンセプト。


2013年: Heart Walk / ハートウォーク



前年秋にニューヨークを襲ったハリケーン・サンディで破損したボードウォーク(ビーチ沿いに設置された木製の遊歩道)の 木片を使ってクリエイトされたハート・シェイプのスカルプチャー。


2014年: The Match-maker / ザ・マッチメーカー



入り組んだパイプで作られたハートのスカルプチャー。 自分が生まれた星座のポジションのパイプに向かって話すと、相性の良い星座の相手と 話が出来るという設定。言うまでもなくマッチメーカーの役割を果たすアート。


2015年: Heartbeat / ハートビート



巨大なハートシェイプのスカルプチャーは、ビートボックスとしてデザインされていて、 サイドに複数設置された円形のスポットを叩くとことで、ハートが鼓動を刻むコンセプト。


2016年: Heart of Heart / ハート・オブ・ハート



ハートシェイプのゴールド・ミラーでサークルをクリエイトされたのがこのスカルプチャー。 スカルプチャーの内側に立ってミラーを眺めると、万華鏡のようなヴィジュアル・エフェクトを生み出すコンセプト。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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