Feb. Week 2, 2012
” Vortex Metal Art By Jon Allen ”
” ヴォルテックス・メタル・アート・バイ・ジョン・アレン ”



家というのは、言うまでもなく人間にとって大切な空間。
自分自身のリラクセーションやクリエイティブなアイデアを育む時間、友人などを招いて楽しく過ごす時間、 健康管理、家族の纏まりなど、様々な意味合いで 人生の重要なパートになるのが自宅という空間。
その空間に愛着が持てて、インテリアにも満足している場合には、それを清潔かつ 心地好く保つことが大切とされているけれど、 もし「何か物足りない」、「何かが違う」、「何となく嫌な感じがする、落ち着かない」という場合は その状況を変えるべき というのが風水のコンセプト。
また特にインテリアに問題が無くても、生活をリフレッシュして、人生を好転させるために、 風水を取り入れて部屋を リデコレート する人は少なくないのだった。

私が2週間ほど前に行なったのが、その風水を取り入れた自宅の玄関エリアのリデコレート。 そして、そのエリアのセンター・ピースとして私が選んだのが、ここに紹介するジョン・アレンのメタル・アートなのだった。
私がこのメタル・アートに出会ったのは、昨年秋に テニスのパートナーのアパートをデコレートしてあげた際のこと。
彼の部屋の大きな壁面に インパクトがあって、さほど価格が高くないアートを探していて、偶然見つけたのが これとは別モチーフのメタル・アート。 7枚のメタル・パネルで ビジュアル・インパクトを生み出すというコンセプトは全く同じで、 290ドル程度の投資で、彼の部屋の印象が驚くほどグレードアップしたのだった。
それですっかりメタル・アートが気に入ってしまった私は、自分のアパートにも・・・と思ったけれど、 ふと考えると、私のアパートには空いている壁が全くないので、 そのまま諦めていたのだった。

ところが突然、玄関のエリアの壁に設置していた棚が傾いて、何回トライしても 真っ直ぐにならないという ジレンマを味わうことになったのが昨年の末のこと。
その棚には、キャンドル・ホルダーを4つ置いていて、夜に友人が来た時になどに キャンドルを点していたけれど、 どうしても曲がっている棚が我慢できなかったのと、常々、玄関のエリアが少し殺風景だと思っていたこともあり、 「突然棚が曲がったのは何かのサイン」だと勝手に判断した私は、その壁を新たにデコレートしようと考えたのだった。

そこでまず、風水の見地から どんなもので デコレートすべきかを考え始めたけれど、私の玄関のエリアは、家の中では北側。 北に持ってくるべきなのは水のエレメントで、それは カラーで言えばブラック。 水の風景画や写真、ガラス、花瓶、水槽などに加えて、フリーフォーム、すなわち形が無いものが ”ウォーター”のエレメントと見なされるもの。
さらに風水の世界では、その水のエレメントに相乗効果を与えるのがメタル。すなわちウォーターを表現するものに メタルのエレメントを加えると、 水のエレメントがさらにパワー・アップするのだった。
なので、「遂に メタル・アートで壁がデコレートできる!」と思った私は、数ある中から 水のモチーフのものを探していたけれど、 その結果選んだのが、ここに紹介する 「Vortex / ヴォルテックス(渦)」 とタイトルされたもの。
中央からエネルギーや電波が発信されているようにも見える ヴォルテックスであるけれど、 前述のように 形を成していないモチーフはウォーターのエレメントと判断されるもの。 そのウォーター・エレメントが、 メタルでクリエイトされているというのは、 風水の見地からはパワーに相乗効果を与えるので 願ったり、叶ったりと言えるのだった。

ところで、部屋のデコレートをする場合、それを行なうタイミングというのも大切なもの。 なので まずはチャイニーズ・ニューイヤーが来るのを待って、自分の天中殺や、四柱推命の月との兼ね合いを 考えてからメタル・アートをオーダーして、それを壁に吊る日、その時間帯までを選んで、 準備万端で デコレート作業に掛ることにしたのだった。




このメタル・アートの最も厄介な部分は、7枚のパネルを均等なポジションで 壁に吊ること。
私は、かなり部屋のデコレートをこなしてきたけれど、最初にテニス・パートナーのためにメタル・アートを壁に吊った時は2時間掛かり。 今回は、既に1度経験しているから、早く出来るかと思いきや、やはり2時間掛かりの作業になってしまったのだった。

メタルのパネルは、壁から浮き上がって見えるけれど、これは、パネルの後ろにある、釘に掛けるパーツが立体的になっているため。(写真右)
その立体のパーツのお陰でパネルが壁から3.5cmほど浮き上がるけれど、 このパーツは自分で折り曲げることによってセットアップするもの。 このため、全てのパネルのパーツを同じ角度で曲げておくというのは、7枚のパネルを同じように吊るのに大切な作業。
ちなみに、このメタル・アートには、壁に均等に 釘の穴を開けるための、テープ・メジャーが付いていて、そのメジャーに合わせて、壁に印をつければ、 パネルを等間隔に吊ることが出来るというシステム。
とは言っても、床と天井に対して水平にメジャーを使わないと アートが曲がってしまうので、何度も釘の位置を床からと、天井から測らなければならず、それも 時間が掛ってしまった要因なのだった。
加えて、一度7枚のパネルを吊ってみると、吊った位置が高すぎて バランスが悪く、 やり直しが生じたのも、2時間を要した理由なのだった。

鏡やアートを吊る位置というのは、壁の大きさに加えて、家具や それ以外のウォール・デコレーションとのバランスを考えて 決めなければならないもの。適切な場所に吊らないと、何となく精神的に落ち着かない思いをする場合が多いけれど、 こうした思いは風水の見地からはご法度。
実際、鏡やフレーム(額縁)の位置を3cm程度変えるだけで、それが 壁のスペースにバランスよく収まって、 見場が良くなる といったケースは非常に多いもの。
なので、たとえ僅かでも妥協をせずに満足する位置にアートや鏡を吊ることはとても大切と言えるのだった。

私の玄関のスペースの場合、ヴォルテックスのメタル・アートを吊る位置については、その横の壁に吊ってある鏡とのバランスで 非常に満足したのだった。 でも、壁の下に置いてあるベンチが 低めであるため、 メタルアートと天井の距離に比べて、メタル・アートとベンチの距離が空き過ぎているのが気になり始めたのだった。
そこで、その距離を埋めるためにベンチの上に置くことにしたのが、クッション。 前述のように水のエレメントにこだわろうとすると、 クッションのカラーはブラックということになるけれど、 メタル・アートと視覚的なコネクションを持たせるために、光沢があるグレーのクッションを ブラックのクッションと交互に置くことにしたのだった。(写真下右側)
こうして、とりあえず 私の玄関エリアのリデコレーションは完了したけれど、以前より出かける際、家に戻ってきた際に、このエリアに居る時の気分が良い上に、 このエリアは、一番窓から遠くて、自然光があまり入らないエリアであったけれど、メタル・パネルが思った以上に光を反射するので、 以前よりも明るく感じられるのも 気に入っている点なのだった。
(写真下左は、販売元のサンプル・インテリアの写真)




ところで私は風水に興味があるので、 時折ケーブル・チャンネルで放映されている風水の番組を見ているけれど、 私が思うに、風水師というのは風水の勉強はしているけれど、必ずしもインテリア・デザインのエキスパートであったり、インテリアのセンスがあるとは言えないということ。
そもそもインテリアというのは、扱うのが空間であるだけに、ファッションよりもずっと難しく、研ぎ澄まされたセンスが要求されるフィールド。 そのことは自分が着るものはスタイリッシュでも、部屋のインテリアは垢抜けないという人が非常に多いことからも納得できると思うのだった。
したがって、着ている服が垢抜けない風水師というのは、インテリアのセンスはもっと悲惨と思って間違いが無いもの。 風水の見地からは正しいことをアドバイスしていても、 その仕上がりは 風水師の服装同様、センスに乏しい、垢抜けないものになるのだった。
またインテリア・デザインの世界というのは日進月歩。 様々なデザインや新素材がどんどん登場しており、インテリア・デコレーターならば、そうした最新の素材やデザイン、 トレンドをしっかりフォローしているけれど、風水師はその部分において かなり立ち遅れているのが実情。
なので、スタイルを重視しながら風水を取り入れたいと思う場合、 風水師にデコレートを担当させるというのは、かなり危険な試み。 インテリア・デコレーターの仕事を風水師にチェックさせるというのが、正しいプロセスだと私は考えるのだった。

風水というのはそもそも、清潔かつ危険が無い空間で、自分の好きなものや好きな色に囲まれて、心地好く生活することを重視するので、 「風水で良いと言われたから置いているけれど、嫌いなオブジェ」などが部屋にあっても、決して幸せにはなれないもの。
でも他人が悪趣味だと思っても、本人が気に入っていて、しかも風水の見地から良いというものは幸運を運んでくる場合が少なくないようなのだった
その最たる例として私が覚えているのが、仕事で出会ったアメリカ人男性。 彼は、巨大な「$」の文字にダイヤをちりばめた指輪をしていて、それは成金趣味とも、ラッパーのBling Bling / ブリン・ブリン(豪華なジュエリーのスラング)のようにも 見えていたけれど、とにかく彼と話している最中、何度と無くそのリングに目が行ってしまうのだった。 訊いてみると、彼のリングを凝視してしまうのは私だけではないようで、どうしてそんなリングをするようになったかといえば、 風水師のアドバイスであったとのこと。 風水というのは家の中だけでなく、持ち物や服装にも同じセオリーが持ち込めるのは良く知られているけれど、 彼は「自分にとって財産を象徴するものをメタルで身につけるように」と風水師にアドバイスされたという。
彼にとって財産を意味するのはキャッシュとゴールドとのことで、まずは「$」マークのゴールドのリングを作らせたというけれど、 今ひとつ迫力が無かったので、それにダイヤを散りばめたところ、物凄く気に入ってしまい、 それを着け始めてからというもの、大きく伸びたのが彼のビジネス。
でも一時は、ワイフに悪趣味だと言われて、リングを外した時期があったとのこと。すると、その途端にビジネスが下り坂になってしまい、 以来、ワイフはリングに対して2度と文句を言わなくなったと語っていたのだった。

世の中には便利だという理由で特に気に入っている訳でもないバッグを持ち歩いたり、 楽だという理由で アグリーだと思うシューズや服を履いたり、着たりしている人、 好きでもない人間と表面上仲良くして、一緒に時間を過ごしている人は少なくないけれど、 こうした好きではない物や人間に囲まれる生活をしていると、 好きな物、自分を幸せにする物を追求しようとするパワーや意欲がどんどん衰えて、 平凡な不幸にドップリ浸かって行ってしまうような気がするのだった。
好きな物に囲まれて、好きな物を身につけて、好きなものを食べて、好きな人間と過ごすというのは 言って見れば幸福の図式。 したがって、部屋の中でも自分の着るものでも、人間関係でも 気に入らない部分、物足りない部分があったら、 労力を惜しまず、改善の努力をすることが幸福を掴むステップ。
どんなに小さなことでも 自分を幸せにする努力をしている人は、それだけ幸福を掴める可能性が高いけれど、 それをしない方が楽だからと、怠けたり、諦めてしまう人は、人生もそれに見合ったものになっていくというのが私の考えなのだった。





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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。
丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。
FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。
その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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