The Most Expensive Fashion Show Ever!
Victoria's Secret Runwayshow in Shanghai

上海で行われたヴィクトリアズ・シークレットの最も高額なランウェイ・ショー
そのコストの内訳と、それだけを支払う目的とは?

Published on 11/20/2017


今年は11月19日に上海で行われた毎年恒例のヴィクトリアズ・シークレットのランウェイ・ショー。
昨年パリで開催された同ランウェイ・ショーのロケーションとして上海が選ばれたのは、ヴィクトリアズ・シークレットのフラッグシップ・ブティックが 2017年2月に上海にオープンしたためで、前回のパリの時と同様、外国の街並みを満喫するモデル達のスナップで パブリシティを獲得し、ショーのTV放映用に中国のエキゾティックな映像を盛り込んで、番組を盛り上げようともくろんでいたのがヴィクトリアズ・シークレット側。
また今回のショーは ヴィクトリアズ・シークレットのオフィスにオーディションやフィッティングにやってくるモデル達を撮影する機会をメディアに提供するなど、 順調にパブリシティを獲得して、期待感を煽る演出も完璧に行われていたのはメディア関係者の誰もが認めるところ。

しかしながら、メインのミュージック・パフォーマーであったケイティ・ペリーが中国政府への抗議のシンボルであるヒマワリをあしらった衣装を着用して、 中国に永久入国拒否の処分を受けてしまったことから、急遽パフォーマーをハリー・スタイルに変更することになってしまったかと思えば、 出演モデルの中で最も知名度と人気があるジジ・ハディドがソーシャル・メディア上のポストが原因で やはりVISAを拒否されるなどトラブルが続出。VISAが下りなかったのは、ヴィクトリアズ・シークレット側が招待した多くのファッション・ブロガーたちも同様で、 それだけでなく中国政府は、ファッション・ショー会場外での一切のビデオ撮影を禁止。また政府の許可が無い限りはプレス・リリースも発行出来ないという 厳しさで、明らかに開催地を間違えたという印象を与えていたのが、今回のランウェイ・ショーとなっていました。

昨年のパリのショーとは異なり、ジジ・ハディドとケンドール・ジェナというミレニアル世代に最もアピールするスーパーモデル2人が 出演しなかったこともあり、今回のショーでメディアの注目を独り占めにしていたのが ジジ・ハディドの妹であり2017年の”It モデル”であるベラ・ハディド。 アフター・パーティーのレッド・カ―ペットでも最もフラッシュを浴びていたのが彼女となっていました。






さて、ヴィクトリアズ・シークレットのランウェイ・ショーと言えば、毎年のようにコストが膨らんで、史上最高額のランウェイ・ショーの記録を更新し続ける存在。
昨年パリで行われたショーのコストは約30億円で、これはファッション・ウィークに行われる ランウェイ・ショーの平均的コストの100倍のお値段。 今年はさらにそのコストが増えている見込みで、 その理由はトラック45台分の機材を中国まで送るだけでも昨年より費用が掛かっているため。

またヴィクトリアズ・シークレットのランウェイ・ショーと言えば、エンジェルと呼ばれるモデル達がつけて登場するウィングがあまりにも有名ですが、 パリのショーでは82のアウトフィットがランウェイに登場し、そのうちの43のスタイルに羽根飾りやウィングが ペアリングされていたとのこと。 このウィングも製作に18か月を要するもので、コストは明かされていないものの、 既に来年の羽飾りが既に製作されているという状況。

また羽根飾りだけでなく、ランジェリーを着用したモデル達の肌の露出をカバーするための衣装やブーツなどにも 一流ブランドのランウェイ・ショー並みのコストが掛かっていて、特に今回の上海のショーでは、 それを担当したのが、バルマンのクリエイティブ・ディレクター、オリヴィエ・ルースティン、そのため、 衣装代も昨年よりアップしていたことが見込まれています。

もちろんヴィクトリアズ・シークレットが毎年発表する高額ジュエリーをフィーチャーした”ファンタジー・ブラ”の製作費も ファッション・ショーのコストを跳ね上げている要因。今年も18Kゴールドと、トータル600カラットの巨大なサファイア、ダイヤモンド、ブルー・トパーズを用いた ゴージャスなブラを モデルのレイス・リビエロがつけてステージに登場しましたが(写真下中央)、 職人が350時間を掛けて仕上げたこのブラのコストは約2億9000万円。 文句なしに最高額のアウトフィットとなっていました。






もちろんショーの目玉であるモデル達もコストの大きな要因の1つ。
今年は全53人のモデルがランウェイを歩いていますが、彼女らの中国でのホテル代からフライトの費用もヴィクトリアズ・シークレットが全員分負担するのは当然のこと。 でもそんな諸経費は、彼女らに支払われるギャラに比べたら微々たるもの。
今回のショーには、前述のようにファッション界のItモデル、ベラ・ハディドに加えて、 アレッサンドラ・アンブロジオ、アドリアナ・リマといった超ベテランから、テイラー・ヒル、ケリー・ゲール、カーリー・クロスといった比較的新しい顔ぶれ、 そして殆ど無名で初めてショーにキャストされたモデルたちも何人か含まれていましたが、 このランウェイにショーに出演する限りは 最低でも受け取れるのが1100万円のギャラ。
その代わりに彼女らに義務付けられるのが単にランウェイを歩くだけでなく、、 取材陣に公開されるバックステージでも、ビクトリアズ・シークレットのランジェリーとローブを着用して写真撮影に応じること。 特にスポンサー・プロダクトを手に持ったショット写真の撮影やセルフィーの撮影は奨励されるもの。 更に自分のソーシャル・メディアを通じて、ランウェイ・ショーやそのバック・ステージの様子をプロモートするのも彼女らの仕事。
昨年ランウェイを歩いた51人のモデルのソーシャル・メディアのフォロワーの合計は何と1億6400万人。 今年は最もフォロワーが多い2人のスーパーモデル、ケンドール・ジェナとジジ・ハディドがいないので、その数字が下がることが見込まれていますが、 それでもモデル達個人が発信するソーシャル・メディア上のパブリシティの影響力はかなりのもの。 したがって、高額のギャラを支払っても有名で名前が知れたモデルを起用する価値があると言われて居ます。






ヴィクトリアズ・シークレットが何故ここまでの大金を投じて、年に1回、この時期にファッション・ショーを行うかと言えば、 もちろんホリデイ商戦に弾みをつけるというのが大きな理由の1つ。 でも同社がこれだけの規模のショーを行う もう1つの理由はショー自体がお金を稼ぐ手段になっているため。
毎年のショーにはスワロフスキーや、富士フィルムなどのスポンサーがついて、そこから収入が得られるのに加えて、 その模様は158カ国でTV放映され、世界中で5億人の視聴者を獲得するとあって、宣伝効果もさることながら、放映権収入も億円単位。 アメリカの場合、番組中に流される30秒のCM放映料が約2900万円という高額ぶりで、それもビクトリアズ・シークレットにとっては収入源。

また会場のフロント・ロウは著名人のゲストで埋め尽くされているものの、それ以外の座席は チケット代約200万円以上で販売されるため、 その売り上げもショーのコストを若干ながらも軽減するものとなっています。

でもヴィクトリアズ・シークレットが毎年大規模なファッション・ショーを行う最大の理由は ブランドのイメージをアピールするのに加えて、特に中国のような諸外国に対しては アメリカのカルチャーやライフスタイルを浸透させるため。 モデル達がその長い脚とビーチ・ウェーブのロング・ヘアで、ランジェリーにサイハイ・ブーツを合わせて堂々とランウェイを闊歩し、 ランウェイの先端で投げキッスのポーズをするのが典型的なヴィクトリアズ・シークレットのショーのウォーキングとなっていますが、 そんな ”アメリカン・セクシー” を定着させることによって恩恵を受けるのがヴィクトリアズ・シークレット。
特にアメリカ女性がどんどん下着離れをする中、諸外国のマーケットは同社にとって非常に大切な存在。 それだけに、昨年はパリ、今年は上海と外国の都市がショーのロケーションに選ばれるのも納得がいくところ。
ヴィクトリアズ・シークレットは、年間売り上げが約1.1兆円といわれ、そのうちの15%が同社の利益。 したがって、これだけ大規模なショーを行っても十分にコストに見合う利益を上げていると言えそうです。


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