New York Times Chooses
Top 10 New Restaurants in 2014


NYタイムズ紙が選ぶ
2014年の新レストラン トップ10



毎年恒例となっているNYタイムズ紙のニュー・レストラン・トップ10が、今年も発表されました。
これは過去1年間にオープンした新しいレストランを対象に、NYタイムズ紙のフード・クリティック、ピート・ウェルズが独自にランク付けするトップ10。 料理のレベルの高さだけでなく、他店に差をつけるユニークさや料理の独創性、加えてニューヨークらしいイメージやバイブを持ち合わせている事もポイントとなるため、 ミシュランのように、かしこまったハイエンドなレストランばかりが選ばれるとは限らないのが、同ランキングの面白さ。

職業柄、毎年数え切れないほどのレストランを訪れるピート・ウェルズが同ランキングでチョイスしているのは、 そんな中で、最もインパクトが強かったレストラン。
例えば、今回のランキングで6位に挙げられたデラウェア・アンド・ハドソンは、ホームメイドな荒削りとも言える味が、 カントリー・タッチな同店のチャーム・ポイントでありながらも、プロフェッショナリズムに欠けるとして、オープン直後のNYタイムズ紙では評価が低めだった店。 ですが、ニューヨークのフード・シーンに同店が与えた影響力という見地から考えると、非常にリーズナブルな価格、 そしてミッド・アトランティックという忘れ去られたキュジーヌの再発掘、プロフュージョンな創作が際立つディッシュの数々が 評価されて、同ランキングでは高いポジションを獲得しています。

ミシュランを始め、様々なレストランのランキングで上位に挙がるものと言えば、全てにおいて最高を追求することが必須。 ですがNYタイムズ紙の新レストラン・ランキングは、そんな一般的なランキングで脚光を浴びることの無いレストランも含め、 ニューヨークのグルメな穴場スポットを紹介する興味深いものとなっています。


 




No.1 Batard / バタール


2014年の1位に選ばれたのはトライベッカにオープンしたバタール。 モンラシェ、コルトンといったニューヨークの有名店を生み出した、ウェスト・ブロードウェイとホワイト・ストリートにある店舗を引き継ぎ、 オープン前から話題だったレストランです。
バタールの高評価は、シェフの食に対する意気込みが最大の決め手。 昨今、話題になるレストランでは、シェフのエゴが先行し、食べる側が美味しいと思うか?よりも、 どれだけインパクトを与えられるかが重要視されがちですが、 バタールのエグゼクティブ・シェフであるマーカス・グロッカーは、あくまで食べる側の立場に立った、味を追求するアプローチで知られるシェフ。
最高級の食材、レアな食材を用いることによって、その食材を料理するステータスや、 メニューのクリエイティビティに自己陶酔的な満足感を覚えるシェフが少なくないニューヨークで、 マーカス・グロッカーは、「良い食材は美味しいものを作るだけのために必要なもの」というとてもシンプルな考えの持ち主。 それがディッシュに反映されているのは言うまでもなく、同店はオープン後たちまち予約が取り難いほどの大人気に!
またアップスケールなレストランにおいて 近年スタンダード化しているのが、選択肢をほとんど与えないプリフィックスのコース・メニュー。 ですが、バタールではアラカルトで2〜4品のコース料理(55〜75ドル)にできるという良心的なメニュー設定。 価格帯も非常にリーズナブルな上、2品コースの場合はデザートが含まれていないので、甘い物が苦手な人にとっては嬉しいポイント。
同ランキングを決定したピート・ウェルズは、「ニューヨークのハイ・スタイルなダイニング・シーンに、'Sane(正常な精神)’をもたらした」と大絶賛しています。

Batard
239 West Broadway, New York, NY 10013
Tel: (212) 219-2777
Website: http://batardtribeca.com/batard.php



No.2 Russ & Daughters Cafe / ラス・アンド・ドーターズ・カフェ


東ヨーロッパ出身のユダヤ系移民、ジョエル・ラスが1914年にオープンしたデリカテッセン(惣菜屋)、ラス・アンド・ドーターズ。
店舗を持つ前は、食べ物を肩から提げて歩き売りをしていたというラス家は、 昔から伝わるユダヤ教の仕来たりに則った料理をニューヨークに持ち込んだ先駆者的存在。 どれだけ時代が移り変わっても その信念を貫き通し、移り変わりの激しいニューヨークで4代に渡って引き継がれてきた老舗。 今ではスミソニアン協会からもお声が掛かる程の歴史あるビジネスとして知られるようになりました。
そして今年堂々の2位に輝いたのが、これまでテイクアウト&デリバリー専門だったラス・アンド・ドーターズのカフェ版。 カフェというよりダイナーという表現が相応しい明るく爽やかな同店では、 デリカテッセンのメニュー+αに、シェイク等のスペシャル・ドリンクやアルコールをサーブ。
ユダヤ教のキュジーヌとは言っても、宗教に関係なく幅広い層のニューヨーカーをファンに従えており、 オープン直後にはかの有名なイタリアン・シェフ、マリオ・バターリがダイニングする姿も目撃されています。
2014年のベーグル・ブーム再燃の一端を担ったカフェでもあります。

Russ & Daughters Cafe
127 Orchard Street, New York, NY 10002
Tel: (212) 475-4881
Website: http://www.russanddaughterscafe.com/



No.3 The Simone / ザ・シモーヌ


アッパー・イースト・サイドのこじんまりしたストリート沿いに登場したザ・シモーヌは、夫婦経営の小さなフレンチ・レストラン。
決してスタイリッシュとは言えない内装、筆記体で無造作に書かれたメニュー、充実したワイン・リストにも関わらず、地味な服装で登場するソムリエ女主人。 そんな要素もあって、「2014年にオープンしたレストランの中で、最もトレンドから掛け離れたレストラン」とピート・ウェルズは語っていますが、 それでも堂々3位に選ばれた要因は、味、サービス、そしてオーナー夫婦の情熱。
同店のフードは、昨今ありがちなフュージョン料理等、みじんも思い起こさせない王道フレンチで、 シェフのフレンチ・キュジーヌに対する思い入れを強く感じさせる 非常にクラシックなスタイル。 豊富な知識を持ったソムリエの熱意も素晴らしく、高飛車で理屈っぽいアプローチは全く無く、 ワインに対するピュアな情熱によるチョイスを披露してくれます。
味やサービスなど、全面において訪れた客を喜ばせたいという一心で取り組む夫妻の姿勢は、来店客全てを感激させています。

The Simone
151 East 82nd Street, New York, NY 10028
Tel: (212) 772-8861
Website: http://www.thesimonerestaurant.com/



No.4 Cherche Midi / シェルシュ・ミディ


ニューヨークの大御所レストランター、キース・マクナリーの最新レストランであるシェルシュ・ミディ。
サーブされるのはフレンチ・キュジーヌですが、ウェイターに説明してもらう必要が全く無いオーソドックスなビストロ・フレンチ。 本場フランスのレストランに見られる気取らないカジュアルなインテリア、フレンドリーなウェイト・スタッフ、会話の邪魔にならない音量のBGM等、 全てにおいて快適さを重視した同店は、キース・マクナリー本人が行きたいと思う理想のレストランを具現化したコンセプト。
シェルシュ・ミディは、ニューヨークに何軒も長寿レストランを構える彼が、長年に渡って何度も繰り返しているコンセプトに基づいますが、 常にアップタウン、ダウンタウンのスタイリッシュなニューヨーカーを引き付けては リピーターにしてしまうその魅力は健在。 久しく新店舗をオープンしていなかったキース・マクナリーですが、同店のオープンによって「今も彼はキング・オブ・ニューヨーク・レストラン」だと メディアに言わせるに至っています。

Cherche Midi
282 Bowery, New York, NY 10012
Tel: (212) 226-3055
Website: http://www.cherchemidiny.com/



No.5 Ivan Ramen / アイヴァン・ラーメン


ラーメン・ブームがピークをつけて、「トゥーマッチ」と言われるようになってきた2014年のニューヨークですが、 他店との差別化を図っているという点が評価されて5位にランクインしたのがアイヴァン・ラーメン。 ただのラーメン店ではなく、シェフのこだわりを見せるグルメ・ラーメンということでチョイスされました。
同店の非常に手の込んだスープは、「シェフの創作意欲と発想が盛り込まれた秀作」と評価され、 ピート・ウェルズは「ニューヨークにおいて右に出るラーメン屋は無い」とさえコメントしています。

Ivan Ramen
25 Clinton Street, New York, NY 10002
Tel: (646) 678-3859
Website: http://www.ivanramen.com/






No.6 Delaware and Hudson / デラウェア・アンド・ハドソン


冒頭でもご紹介した同店は、食の世界で忘れられかけてきたミッド・アトランティック・キュジーヌをコンセプトにしたレストラン。 これは19〜20世紀前半に掛けて東海岸で親しまれた一種の郷土料理で、これまでのニューヨークには無かったタイプのキュジーヌ。
その目の付け所も然ることながら、同店の最大の魅力はリーズナブルな価格。 たった48ドルでコース料理楽しむことが出来る同店のメニューは、全4コースとリストされていますが、1コース目で3〜4皿のアペタイザー、 そして4コース目で3つのデザートががサーブされるため、細かく数えると全部で8〜9コース。
とてもジェネラスなもてなしは、ニューヨークでも屈指のベスト・ディールとなっています。

Delaware and Hudson
135 North 5th Street, Brooklyn, NY 11249
Tel: (718) 218-8191
Website: http://delawareandhudson.com/



No.7 Contra / コントラ


コントラでサーブされるのは、食べる側の探究心をくすぐるコース料理。 1皿1皿が非常に手の込んだ仕上がりになっており、それぞれが驚きを与えるとても興味深い味。
通常この手の料理は、高級レストランでハイプライスを付けられた、3時間は掛かりそうなテイスティング・メニューを連想させますが、 コントラは5コースにまとめられ、さらに55ドルというお手頃価格。 シェフのセンスが光る無駄のないプレゼンテーションは、値段を遥かに超える満足感を提供します。
パンが3ドルと別料金になっていますが、元コペンハーゲンのノーマのペストリーシェフが焼き上げたパンは絶品。 必ずオーダーすることをお薦めします。

Contra
138 Orchard Street, New York, NY 10002
Tel: (212) 466-4633
Website: http://contranyc.com/



No.8 Dirty French / ダーティー・フレンチ


トリシ・イタリアン・スペシャルティーズやカーボンで大成功を収めたチームが、2014年に新しくオープンしたダーティー・フレンチ。 ニューヨーカーの期待を集めてオープンした同店ですが、 インテリアやプレゼンテーションにおいて過度に凝ったアイディアは賛否両論。 でも多くのグルメ・ニューヨーカーがこぞって訪れたために、オープン直後から予約が取れないことで有名だったのが同店。
でもクラシックなフレンチを モロッカン・スパイスやエキゾティックなフレーバーで仕上げた奇抜さやアイデアは、非常にユニーク。 その並外れた料理のレベルは、多くのクリティックをうならせています。

Dirty French
The Ludlow hotel, 180 Ludlow Street, New York, NY 10002
Tel: (212) 254-3000
Website: http://dirtyfrench.com/



No.9 Gato / ガト


テレビ番組にも頻繁に登場するアメリカのセレブ・シェフ、ボビー・フレー。 既に24軒のレストランを構える彼ですが、ニューヨークに新店舗を出したのは実に7年ぶりのこと。
ガトでサーブされるのは、ボビー・フレーの持ち味が存分に発揮された ヴィヴィッドなフレーバーの地中海キュジーヌ。 インテリアも地中海にある田舎町のレストランをモダンにアレンジした、カジュアルなヨーロピアン・テイストに仕上がっています。 ディッシュによってはフレーバーが豊か過ぎると指摘されるものもありますが、 あらゆるスパイスや調理法を用いて アメリカ人好みの味わいを常に具現化し、来店客を必ず満足させるのは ボビー・フレーならではの手腕。
また、テーブルの配置に余裕を持たせたゆったりした空間や、リーズナブルな価格のワイン・リストは、 他店も見習うべきだとピート・ウェルズによって高く評価されています。

Gato
324 Lafayette Street, New York, NY 10012
Tel: (212) 334-6400
Website: http://gatonyc.com/



No.10 Bar Bolonat / バー・ボロナット


コンテンポラリー・イスラエル料理をサーブするバー・ボロナットは、 イスラエル人シェフによって手掛けられたマルチ・エスニックなキュジーヌを提供。
一言でイスラエル料理と言っても、イランやイエメンなど様々な地方のスパイスやキュジーヌを取り入れていますが、 コンテンポラリーなツイストが加わっているので、独特なフレーバーを展開しながらも、 エスニック性が強すぎることは全くナシ。 同店について何も知らずに訪れた来店客が、 何料理かは思いつかなくても、シンプルに美味しいと思って味わえる料理がメニューにラインナップされています。

Bar Bolonat
611 Hudson Street, New York, NY 10014
Tel: (212) 390-1545
Website: http://barbolonatny.com/



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