The Night Life Goes Back To Its Origin
New York Follows EDM Scene

90年代のナイトライフがカムバック
今、ニューヨークではEDMが熱い!


世界で名を馳せるDJの宝庫であるヨーロッパには、レイブやパーティーのためだけに毎年世界中から多くの旅行者が訪れますが、 そんなヨーロッパのナイトライフは良い音楽を提供するピュアなミュージックシーンが盛ん。 パ−ティー・アイランドとして知られるスペインのイビザ島などはその代表で、一年を通して世界中の有名DJたちがプレイするレイブが行なわれ、 クラブ・カルチャーの中心として知られています。

一方、ニューヨーク、ラスベガス、マイアミといったアメリカの大都市は、ヨーロッパを始めとする他国と全く異なるナイトライフ文化が繰り広げられていることで、しばしば話題に上る存在。 音楽を聴いてダンスを楽しむよりも、高額ファッションを身に纏い、ボトル・サービスをオーダーして、日本円にして数十万〜数百万円という 多額の支払いにステータスを求めるという、クラブ本来の楽しみ方から かけ離れた ナイト・ライフ・カルチャーが90年代後半から定着して久しい状況。 ですが、最近ニューヨークでは そんな特殊なナイトライフが徐々にシフトしつつあり、ヨーロッパで見られるような 純粋に音楽とダンスを楽しむ ヴェニューやパーティーが急速に勢いを伸ばしています。



そもそも、ボトル・サービスが流行りだす前のニューヨークのナイトシーンは、ヨーロッパのクラブ・シーンに近いものがあり、 ドラッグ・クイーンやファッション業界の人々、ソーシャライト、セレブリティ、アーティスト等、 その客層は ダウンタウン、アップタウンのミックス、リッチとヒップ&エッジーのミックスで、そんなクラブ・ゴーワーが楽しんでいたのが、 マン・ウォッチングとミュージック。
大箱のクラブが多数存在し、カバーチャージさえ支払えば誰でも入ることが出来、 有名DJがスピンする大規模なパーティーが頻繁に行なわれては、純粋に音楽を楽しむクラウドがダンスに興じて、大いに盛り上がっていました。

ですが、先述のようにその勢いが急降下したのが90年代半ば以降。
当時のジュリアーニ市長が、街の安全対策の一環としてドラッグの取り締まりを強化。 それがきっかけで、ドラッグが出回っていた当時の有名クラブは次々と閉鎖されて、 アンダーグラウンドなミュージックシーンは 経営リスクが高いと見なされるようになったことから、 従来のパーティー・ゴーワー達は行き場を失うという結果に・・・。
そして、その後ニューヨークのクラブ・シーンのメインストリームになったのは、 こともあり、形態がガラリと変わってしまったニューヨークのクラブシーン。 「クラブ」というよりも「ラウンジ」という言葉が相応しい、テーブルとカウチが並べられたヴェニュー。 カバーチャージを支払う代わりに、最低500ドルのボトル・サービスを中心としたビジネスへと変わっていきました。

ボトル・サービスとは、クラブ内でテーブルを確保するためにボトルをオーダーするシステムのこと。 ボトルは1本500〜1000ドルが平均ですが、高いシャンパンやコニャック等は1万ドルを越えるものも珍しくないのが実情。 ですがそのボトルの原価は、支払う金額の20〜50分の1程度で、好況時代の日本の銀座のクラブのような ”ぼったくり価格”。
そして、そんな90年代 後半から始まったボトル・サービスのブームと時を同じくしてミレニアムの好景気を迎えたのがウォールストリート。
それまでは、カッティング・エッジのクラブで、 ドア・ポリシーに引っかかって入店できなかった ウォールストリートのビジネスマン達が、 お金に物を言わせて クラブ・シーンで幅を利かせるようになり、クラブ側が 彼らのがお目当てにするような 若く、美しいモデルをプロモーターを使って毎晩入店させるようになってきたのがこの頃。
各クラブにはVIPラウンジが設けられ、そこではビジネス・エグゼクティブ、セレブリティ、モデル達が、 華々しいパーティー・シーンを繰り広げ、毎晩のように数百万円の売り上げをVIPラウンジだけで儲けてしまう 時代を迎えるようになりました。

もちろん払う金額が高ければ高いほどVIP扱いをされるだけに、多くのリッチなクラブ・ゴーワーにとっては、 その優越感がクラブ通いの目的となることもしばしば。
さらに、スニーカーやジーンズはお断り、そして女性を連れていない男性だけのグループはお断り、といったドア・ポリシーでステイタスを追求するクラブも90年代 以降 数多く登場しており、ファッショナブルで若くルックスが良い男女、モデル連れのリッチそうな男性客が優遇されるという ルールは、以来 今日まで健在となっています。

ですが、そんな時代でも、昔のようなクラブシーンをフォローしていた人々が沢山存在していたのは事実。
EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)を中心としたパーティーをプロモートしたり、 ヨーロッパのミュージック・シーンをそのまま再現したりと、地味で華やかさは無いものの、常に何らかのムーブメントが起されていました。 でもそんなムーブメントが徐々に活発になってきたのは2011年頃から。 この頃から、ブルックリンの倉庫や、ダウンタウンの流行らないレストランなどを会場に、ポップアップ(一時的にオープンする)の ゲリラ・ナイトクラブが ファッショナブルなクラウドやアート関係者、ヒップスターを集めるようになり、 徐々にその勢いが、かつてのニューヨークのクラブ・シーンを彷彿させるものになり始めました。

そして、2013年に入ってからは ナイト・クラブまでもが そのムーブメントに同調。 ボトルサービスの先駆けとして知られるクラブ、“Marquee / マーキー” までもがEDMへ方向性をシフトして、新しい客層の獲得に乗り出しています。
マーキーのオーナーによると、「クラブシーンにもサイクルがある」とのことで、そのムーブメントは再び90年代のメインストリームに戻りつつあるのだとか。
クラブ・ゴーワー達もそろそろ上辺だけ華やかさを追求するクラブシーンに飽きを感じてきた頃で、 これからはまた音楽の本質を追求するピュアで、エキサイティングなシーンがさらに盛り上がりを見せることが予想されています。
ここでは そのニューエイジの流れに乗って 話題を集めている3つのヴェニューをご紹介します。



Marquee
マーキー



冒頭でもご紹介した、ボトルサービスが主流だった頃のニューヨークで常に注目を浴びていたセレブ・マグネットのメガ・クラブ、マーキー。 かつて一般層は中に入ることすら難しかった同店は、ニューヨークだけでなく、ボトルサービス文化の先駆者的存在としてアメリカ国内でもトップに入るヴェニューとして有名に。 その人気の波にアップダウンはあったものの、絶頂期には多くのセレブリティが頻繁にプライベート・パーティーを行ない、ソーシャライトやモデルが集うスポットとして知られていました。
そんなマーキーが2013年初旬、大規模なリノベーションを経て再登場。 以前は、ホワイトカラーの男性がモデルのような女性達を引き連れる姿が目立ったマーキーですが、 現在はソーシャライトからクラブキッズ、ウォール・ストリート系からアパレル風の男女まで、そのクラウドはまさに様々。 一段高いところにDJブースを、そしてフロアの周りにはゴーゴーダンサーが踊るキャットウォークを設置。 その下でクラウドがクレイジーに踊る姿は、少し前までのマーキー独特の増長したイメージとは打って変わって、90年代のクラブシーンがパーフェクトに再現されています。
水〜土曜のみオープンの同店では、各日EDM界のビッグなDJ達がゲストとして登場。 アドミッションは20〜30ドルとなっています。

Marquee
289 10th Avenue
Tel: (646) 473-0202
Website: http://marqueeny.com/index.cfm




Verboten
ファーボーテン



ディープ・ハウスとテクノを中心としたニューヨークのアンダーグラウンドなミュージック・シーンをリードしているのが、ドイツのクラブ・シーンにインスピレーションを受けて作られたファーボーテン。 クラブ、船上パーティー、フェスティバル、ミュージック・カンファレンスなどをオーガナイズする団体で、ボトルサービスがメインストリームだった過去数年間にEDMを支え続け、 アンダーグランドとは言われているものの、EDMシーンを愛する数多くのフォロワーを持つ、超ポピュラーなイベント・クリエイターです。
イベントの度にロケーションが変わるファーボーテンは、マイアミにまでそのテリトリーを拡大しているほどですが、近いうちにブルックリンにヴェニューを構えることが決定。 もともとウェアハウスであった巨大スペースを改造してクラブを建設するため、その規模はかなりのものになるのだとか。 月に数回、ランダムに行なわれるファーボーテンのイベントは、もちろん毎回世界中のビッグネームDJがゲストとして登場。 クラウドはヨーロッパのクラブシーンに似たレイブ風の盛り上がりを見せ、とてもエクレクティックなパーティーはミュージックファンにとって最高のシーン。 今回ニューヨークのクラブシーンを大きくシフトさせた要因のひとつとも言え、ニューヨークの新しいナイトライフにとって、とても重要な存在として捉えられています。

Website: http://verbotennewyork.com/



Bossa Nova Civic Club
ボサノヴァ・シヴィック・クラブ



2012年12月にオープンしたばかりのボサノヴァ・シヴィック・クラブは、 ブルックリンの閑散としたエリアにあるにも関わらず、オープン直後から大きな注目を浴びていたヴェニュー。 もともとレイブのプロモーターをやっていた人物が手掛けているだけに、EDM寄りのミュージックに合わせて踊りまくるクラウドで連夜盛り上がりを見せています。
とは言え、結婚式やプライベート・パーティーが行なわれていたラウンジ・レストラン風のヴェニューを改造したスポットだけに、 店内のイメージはオールドスクールで少しアダルトな雰囲気。 そのため、レイブキッズが集まるメガクラブのようなクレイジーさはなく、ユニークなファッションの若者が目立つアート系のアバンギャルドなクラウドがメイン。 また同店は、ドラッグや飲酒に関してとても厳しいことで有名で、 自分でアルコールを持ち込もうとしたり、店内でドラッグをやるようなビジターは堅くお断り。 そのため、アンディ・ウォーホールを始めとするアート系のクラウドが主流だった70〜80年代のクラブシーンを彷彿させるようなスポットでありながらも、 「ヘルシーなナイトライフ」をモットーに掲げた現代らしさが、注目を浴びる理由となっているようです。

Bossa Nova Civic Club
1271 Myrtle Avenue, Brooklyn
Tel: (718) 443-1271
Website: http://bossanovacivicclub.com/






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