The Most Extreme Diet Eever?  "Tube Diet"
10日間で楽に5キロ以上の減量!
今、結婚を控えた女性達がこぞってトライする
最もエクストリームなダイエット! ”チューブ・ダイエット”


ニューヨーク・タイムズ紙が4月13日付けの同紙の中で 掲載したのが 「Bridal Hunger Games / ブライダル・ハンガー・ゲームス」という記事。
この中では、結婚式でスリムにになりたいという女性達が、無理なダイエットをする様子が紹介されていたけれど、 その中で取り上げられ、話題が集中したのが 別名KENダイエット、K_Nダイエットとも呼ばれる ”チューブ・ダイエット”。
このダイエットは、特許を取得している液状のフォーミュラを、1日2リットル 鼻に挿し込んだチューブから注入し、 胃にダイレクトに送り込むというもの。 このフォーミュラに含まれているのはプロテインを含む栄養分で、1日分が約800カロリー。炭水化物は一切含まれて居ないとのこと。
これだけならば、さほどエクストリームなダイエットと思わない人は多いけれど、 このチューブは10日間のダイエット期間中、ずっと装着し続けなければならないもの。 そして、チューブで注入しているフォーミュラも1日24時間 ずっとチューブに繋いでいなければならないので、 言わば鼻から点滴をしている状態。
外出時は、フォーミュラが入ったタンクを持ち歩き、仕事中も、睡眠中も、 タンクを横に吊っておかなければならないのはもちろんのこと。 10日のダイエット期間中は、タンクさえ持参していれば普通の日常生活が送れるものの、 スポーツやエクササイズはご法度。
1日に1時間チューブをタンクから外すことが許されていて、その1時間で シャワーや入浴をするように奨励されているのだった。
ダイエット期間中は、食べ物は一切 摂取できないけれど、空腹感は無いとのこと。 チューブさえ、きちんと装着されていれば 口から 水はもちろん、砂糖やミルクを入れないコーヒー、紅茶、 ハーブ・ティーを飲むのはOK。でもアルコールやソーダ、ジュース類は飲んではいけないことになっているのだった。

ちなみに鼻の穴に挿し込まれるチューブは、子供用にデザインされた細く柔らかいもので、 一度差し込んでしまえば、見た目の良し悪しは別問題として、付け心地が悪いということは無いという。




ダイエットが終了した後は、カロリーを控えめにした健康的な食生活を送らなければならないけれど、 10日間でかなり胃が小さくなっていることもあり、この食生活も苦にならないとのこと。
また、チューブ・ダイエットのユニークな点は、自分の理想体重に達するまでに何回でもリピートできることで、 1回のセッションで落とせる体重は5〜10キロ。
4回のセッションで、25キロを落とした女性も居り、回数を重ねても毎回それなりの効果があることが伝えられているのだった。
さらに驚くべきは、失ったウェイトの内訳。 通常、こうした短期間のエクストリーム・ダイエットといえば、体重が落ちた場合、 失われるのは水分と筋肉。 なので、ダイエットが終われば 直ぐに水分で体重を戻す一方で、 筋肉が失われた分、新陳代謝が鈍るので、逆に痩せ難い体質になるケースが非常に多いのだった
ところがこのチューブ・ダイエットの場合、失われるのは30%が水で残りは脂肪。 筋肉は失われないということが明らかになっているという。

同ダイエットを既に行なった1800人のデータによれば、1年後も 87%の落とした体重が保たれているとのことで、 短期間のダイエットにありがちなリバウンドは、極めて少ないことが立証されています。




もちろん、全てのダイエットに問題は付き物であるけれど、チューブ・ダイエットの最大の問題点は、 常にタンクを持ち歩かなければならないことに加えて、他人に知られずに行なえるダイエットではなく、常に鼻にチューブが挿し込まれているというルックスが、 オキシジェン・セラピーが必要な病状を抱えているかのように見えること。
ことにビジネス・エグゼクティブの女性であれば、鼻にチューブを挿し込んでミーティングをする訳には行かないのはもちろんのこと。 また、「ダイエットのために そこまでしようとするなんて・・・」と周囲にジャッジされるのも、キャリアを極めようとしている女性には あまりプラスにならないこと。
さらに、ダイエットの専門家は、チューブから注入される液体フォーミュラに ファイバー(繊維質)が入っていないことを 問題視し、ダイエット中に脱水症状や頭痛の症状が出る可能性があること、低カロリー・ダイエットを繰り返すことが腎臓結石の原因になることを指摘しているのだった。

その一方で 専門家が危惧するのは、 自力で週に0.5キロのペースでダイエットをしていけば、食欲のコントロールを身に付け、 過食の習慣を払拭できる可能性が高いのに対して、チューブ・ダイエットで短時間に体重を落としてしまう場合、 その精神状態は 肥満をもたらした段階のまま。
したがって、精神的に落ち込んだり、満たされない思いをすれば、何時でもまた食べ物で 自分を癒す生活に戻ってしまうので、 結局のところ、体重が戻ってしまうであろうというのがその指摘。
さらに、もっと危険なのは 「ちょっとくらい食べ過ぎても、またチューブを挿し込んで痩せれば大丈夫」と、 過食を肯定し、チューブ・ダイエットに頼ってしまう不健康な考えを抱くようになってしまうこと。

そんな問題点を抱えていても、「健康的に、理想的に痩せるのが如何に難しいか」を 熟知している医学界の著名なドクターの中には、「成果が上がらないダイエットを続けて、逆に肥満に拍車がかかってきた 過去の状況を振り返れば、確実に効果が上がるダイエットをするのは決して悪いことではない」という 意見が聞かれているのだった。



ところで、どうしてこのダイエットが結婚を控えた女性の間で特に人気であるかといえば、 こうした女性が、ウェディング・ドレスをスリムに着こなしして、一生の記念になる写真に収めるために、 必死に、そして ”非現実的” と言えるほどの体重を落とそうと躍起になっているため。
アメリカでは、結婚式というのは花嫁が主導権を握って全てをアレンジするもの。 自分のドレスはもちろん、ブライズメイド(花嫁の付き添い)のドレス、ケーキ、自分のブーケを含む、 フラワー・デコレーションなどその準備は大変なもの。 なので、リッチなファミリーの大々的な結婚式の場合は、プロのウェディング・プランナーを雇うのが通常であるし、 小規模なウェディングの場合でも メイド・オブ・オナーと呼ばれる ブライズメイドの中でも、特に花嫁と親しい友人が その準備を手伝うのが常。
でもウェディングの準備のプロセスがあまりにストレスフルであるのに加えて、ウェディングの日にスリムな姿で ドレスを着こなしたいという願望からくる焦りから、 多くの花嫁は ストレス・イーティング、すなわち結婚式を控えたストレスによる過食で、体重が増えてしまうケースが非常に多いという。

また式の準備によるストレスがさほど無かったとしても、「絶対にウェディングまでに痩せるから・・・」と宣言して、 ドレスを小さめに作ってしまったり、自分より遥かにスリムだった 母親のヴィンテージのウェディング・ドレスに体型を合わせようとするなどして、 結婚式までに10キロ前後を短期間に落とそうという 極めて無理なダイエットを試みる 女性は非常に多いのは今に始まったことではないもの。
そんな 「限られた時間の中で、確実に体重を落としたい」、「落とさなければならない」という結婚を控えた女性達にとっては、 鼻にチューブを挿し込んだ状態で、10日間タンクに付きっ切りの生活をするだけで、苦しいエクササイズをする必要が無い チューブ・ダイエットは、 効果が約束されているだけあって、決して悪い条件とは言えないもの。
チューブ・ダイエットは、イタリア、スペインでは既に何年も行なわれてきたもので、イギリス、アメリカには上陸してまで間もないものであるけれど、 6月のブライダル・シーズンを控えて、アメリカでは結婚を控えた女性が、1500ドルの料金を支払って このダイエットをトライするケースが 非常に増えているとのことが指摘されているのだった。

ちなみに、チューブ・ダイエットが適していないのは腎臓に障害がある人々、ミルクを含む乳製品にアレルギーがある人々。 でも、心臓を患っている人は トライしても問題が無いことが医師から指摘されています。







執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

PAGE TOP