Stone-Age People's Diet!?
" Paleo Diet "

旧石器時代の食生活で痩せる!?
ウェイト・ロス・プランのメイン・ストリーム、パレオ・ダイエット


ここ数年で徐々に人気を高め、今や多くのメディアが取り上げるほどのメイン・ストリームになったのが ”パレオ・ダイエット”。 ”パレオ” とは ”パレオリシック (旧石器時代)” の略で、農耕が発達した約8000年前までの時代、約250万年間を指した言葉で、 パレオ・ダイエットとは、その旧石器時代の人々の食生活を再現したダイエット法です。

旧石器時代に生きた人々、つまり原始人は、身体が強く、非常に健康的であったと言われていますが、 旧石器時代以降の約8000年間、人間の遺伝子はあまり変化していないとのこと。 したがって現代人がその時代の食生活を行っても全く健康に支障がないだけでなく、 何万年にも渡って原始人が行っていた食生活、すなわち工場で生産されたフード、ケミカルや遺伝子組み換え技術を用いたフード とは無縁の自然界から手に入るものだけを食べることが、人間の身体に望ましいというのがパレオ・ダイエットのセオリー。 その食生活を実践することによって、石器時代の人々のような健康で強く、皮下脂肪の少ないボディを手に入れることができる、というのがパレオ・ダイエットです。



炭水化物を控える


米、パスタ、パン、とうもろこし等の炭水化物は現代人にとって欠かせない食物ですが、パレオ・ダイエットでは ほんの少量の芋類を除いて、 炭水化物はほとんど摂取しないのが基本。 これには、一般に健康食品とされている全粒粉や玄米等も含まれます。
炭水化物はエネルギー源なので、その摂取を絶つと 体力がもたないのでは?と疑問を抱いてしまいますが、 農耕が栄える前の旧石器時代には これらの食物はもちろん存在せず、1日のカロリーの55%を肉から摂取していました。 それで持久力と体力が要求される狩猟をこなしていた訳ですから、現代人の生活は問題なくこなせると考えられています。
ところでなぜ穀類の摂取を控えなければいけないかというと、それは穀類がレクチンの一種、グルテンを多く含んでいるため。 最近ではグルテン・アレルギーの人口が増加していることもあり、グルテン・フリーの食べ物が注目を浴びていますが、 アレルギーがない人でもグルテンの摂取過多により内臓に炎症反応を起こす場合があります。 レクチンは生物の体内で多くの役割を担っているのも事実ですが、パレオ・ダイエットではグルテンの毒性を重視しているのです。
また、炭水化物の過剰摂取は肥満に繋がることは周知の事実。 現に炭水化物の摂取量を抑えるダイエットは、これまでにも数多く登場しています。 カロリーが高いわりにヴィタミンやミネラル等の栄養分に乏しく、さらに身体を酸性に導く要素もあるため、 パレオ・ダイエットでは炭水化物は避けるべきものだと考えられています。



調理法


芋類を除く炭水化物の他にも、パレオ・ダイエットでは豆類、砂糖や塩を含む調味料、乳製品、添加物や加工品は一切摂ることができません。 そのため、豆類を除く野菜全般、肉、魚、果物、ナッツ、卵が主な食物になります。
人工的に手の加えられていない自然に近いものが好ましく、肉はグラス・フェッド(コーンではなく、牧草を餌に育った牛等)のものが適切。 飲料に関してはアルコールやコーヒーはもちろんNG、基本的に水とお茶のみとなります。
パレオ・ダイエットというと、火を通さないロー(生)・フードを想像する人も多いようですが、 原始時代はすでに火を使った食生活が行われていたため、パレオ・ダイエットでは火を使った調理が可能。
様々な本やウェブサイトでその調理法が紹介されていますが、調味料を使ってはいけないので、基本的な味付けは香辛料等のハーブを使用。 また油はカノーラ油、コーン油、大豆油等は使用できないので、オリーブ・オイル、ピーナッツ・オイルやアーモンド・オイル等のナッツ・オイル、 もしくはグレープシード・オイルを使用することになります。



生活習慣


食事制限だけでなく、コアなパレオ・ダイエットを実践している人の間では、生活習慣も石器時代を真似ているとのこと。 例えば 「寝たい時に寝る」、「お腹が空いたら我慢せず食べる」 というのが代表的なもの。 健康体を作るにはストレスは大敵であるため、実生活の中で可能かどうかは別として、「身体に我慢を強いない」 というのも基本ルールのひとつして挙げられています。
また、原始人が走って狩猟をしたり、重い石を持ち上げていたように、ランニングとウェイト・リフティングはパレオ・ダイエットに相応しいエクササイズ。 ランニングを取り入れる場合は、走る距離にもよりますが、最初はエネルギー源になる炭水化物が少ないため、苦しく感じる場合がありますが、 それも2〜3週間で身体が慣れていきます。 ですが、フル・マラソンやウルトラ・マラソン等を走るアスリートや、激しい運動のトレーニングをしている場合は、 炭水化物の量を増やして、栄養分を多少調整する必要があります。 アスリートが行うパレオ・ダイエットに関しては、アスリートのための食事プランがデザインされた本が出版されています。



パレオ・ダイエットの効果


一般的に健康食品だとされている全粒粉や玄米も摂取を控えなければいけないことや、調味料が使えないこと等、 きちんと実践した場合、現代人の食生活とはかなり異なるパレオ・ダイエット。 果たして本当に体調を崩さずにダイエット効果が得られるのか?と疑問に感じる人も少なくないようですが、 パレオ・ダイエットを実践した多くの人々が、たった1週間で2〜3キロの減量を実現しています。 ナイス・ボディーで知られる女優のミーガン・フォックスもパレオ・ダイエットを行っており、 彼女がその引き締まったスリムなボディーを維持できているのはその食生活のおかげなのだとか。
体重を落とすだけでなく、長期に渡って続けることでアレルギーが治った、健康診断で出る数値が正常になった、毎日快眠できる、 集中力が増した等、多数の実践者からポジティブな結果が報告されています。

問題点としては、食べてよいものが限られていることから、始めのうちは食材を購入するのに手こずる場合があるのと、 オーガニック食品やグラス・フェッドの肉等、なるべく自然に近い状態の食材を選ぶ必要があるので、費用もそれなりにかかってしまうこと。 さらに前述のように調味料も使用できないので、一般に公開されているパレオ・ダイエットのレシピなしでは、独自に調理を行うことは少し難しいのが実情。
でも、体質の改善と皮下脂肪を短時間で落とすのには、抜群の効果があるといわれるのがパレオ・ダイエット。 また、女々しさが感じられないダイエット・コンセプトで肉や魚が沢山食べられるとあって、 他のダイエットに比べて男性の実践者が非常に多いことでも知られています。






執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

PAGE TOP