タバコを吸わなくても肺がんになる原因が
毎日食べている思わぬ食物に潜んでいる!?
肺がんになる確率を49%もアップする食物とは?
3月8日の欧米のメディアで大きく報じられたのが、糖質や炭水化物の摂取が
肺がんの原因になるというショッキングなデータ。
このデータを発表したのは、テキサス大学MDアンダーソン がんセンターで、
新たに肺がんと診断された1905人の患者を対象とした調査の結果 明らかになったのが、
白米、パン、ベーグル、コーンフレーク、ケーキ、ドーナツ等の砂糖を多量に含んだ食品を
過剰に摂取している人々は、 野菜や果物、たんぱく質中心の食生活をしている人に比べて
49%も肺がんになる確率が高いということ。
このレポートの中で、肺がんの危険性をもたらすと指摘されたのは、GI(Glycemic Index / グリセミック指数)の高い食品で、
これは食後の血糖値の上昇度を示す指標。
摂取後2時間以内に 血液中に入る糖質の量を測定した値で、
これが高い食品は 「含まれている糖質の吸収が早い=血糖値が上昇し易く、それにしたがって大量のインスリンが分泌される」
という肥満と糖尿病のシナリオをもたらすフード。
GIが高いのは、前述の白米、パン、パスタといった主食に加えて、
ケーキ、マフィン等、小麦粉を用いたデザートや多量の糖分が含まれた食品、
フルーツでもパイナップルやスイカを含むメロンなどは、たとえ繊維質が含まれていても
GIの高い食品と見なされているのだった。
アメリカでは、がんの中で最も死亡率が高いのが肺がんで、2016年には15万人が肺がんによって死亡すると見込まれている状況。
イギリスでは、毎年約4万6,000人が肺がんと診断され、約3万5000人が命を落としていると言われるのだった。
もちろん肺がんの原因のNo.1は喫煙であるものの、ノン・スモーカーは GIの高い食品を食べることによって
肺がんを発症する確率が喫煙者よりも 2.25倍も高まることが指摘されているのだった。
ではGIの高い食品を食べて、血糖値が急上昇することがどうして肺がんに繋がるかと言えば、
それに伴うインスリンの分泌が、身体のインスリン様成長因子(インスリンと配列が高度に類似したポリペプチド)のレベルを跳ね上げるためで、
これは肺癌のリスクに関連しているホルモンとして知られるもの。
このため GIの高い食品を主食としている人は、GIの低い野菜、果物、たんぱく質を主食にする人々に比べて、
扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんを発症し易くなるという。
この扁平上皮がんとは 上皮性の悪性腫瘍のことで、 肺がんの約30%が扁平上皮がん。
従来までは 喫煙と深い関連性が指摘されてきたもの。
今回のレポートで、炭水化物を始めとするGIの高い食品が扁平上皮がんと関連付けられたことから、
メディアの中には、「炭水化物は新たなタバコか?」と指摘する声も聞かれているのだった。
では具体的にどんな食品が、今回のレポートで悪玉に挙げられていたかと言えば、
白米、白パン、パスタ、麺類、ケーキ&ペストリー類、ポップコーン、プレッツェル、ソルト・クラッカー、
ポテト・チップ、ポテト・フライ、砂糖を含んだシリアル、コーンフレーク、インスタント・オートミール、メロン、スイカ、パイナップル、
フルーツ・ジュース、ソーダ、コーン、ポテト、にんじん、かぶ、玉ねぎ、加工食品全般、ドライフルーツ、など。
逆にGIが低く、摂取を奨励される食品は、肉&魚類、ナッツ類、葉野菜、ブロッコリ、ベリー類、甘味の弱い果物、オイル、豆類、アボカド等。
GIの低い食品を摂取しても、量が多ければ血糖値が上昇し、インシュリンが多量に分泌されるので、
GIだけでなく、食べるポーションのコントロールも同時に必要であるのが 糖尿病や肥満を防ぐ際のケース。
ところが、このレポートによれば肺がんと関係するのは GIの高い食品の量より質。
すなわち、肺がんのケースでは 例えカロリー1日の総カロリーが標準以下でも
GIの高いフライド・ポテトや、ドーナツ、ポップコーンなどを食べているとリスクが防げない一方で、
ナッツや野菜、肉、フルーツに関しては食べ過ぎて肥満や糖尿病、心臓病の原因になっても、
肺がんに繋がる訳ではないと説明されています。
そうは言っても、肺がんのNo.1の原因は圧倒的に喫煙。
炭水化物など、GIの高い食品を食べ過ぎて肺がんを発症したケースは 肺がん患者全体の約12%。
残りは全てスモーカー、もしくは元スモーカー。
したがって、スモーカーは GIの高い食品を食べても、ノンスモーカーより肺がんになる確率が
低いとは言え、既に喫煙による肺がんの可能性が極めて高いだけでなく、
肺がん以外の15のがんになる確率も高まっているので、
実際には ノンスモーカーよりも遥かに食事制限をする必要がある存在。
インターネットの一部では、タバコと肺がんの関連を否定する誤報道行われて 問題になっている昨今ですが、
やはりこれだけのデータを突きつけられている以上、、
健康と長生きのためには、手遅れになる前に喫煙を控える方が無難と言えるでしょう。