Dying To Be Barbie?
It's Impossible!!

バービーのボディ・イメージが拒食症を増やす?
バービーのあり得ないプロポーションを徹底検証!

肥満が問題になっているアメリカで、同時に増えているのが少女やティーンエイジャーの拒食症。
その原因として頻繁に槍玉に上がるのが、ただでさえ細いモデルを更にフォトショップで細く見せている ヴィクトリアズ・シークレットのカタログ・フォトとバービー・ドール。
特にバービーは、アメリカの少女にボディ・イメージを植えつける最もパワフルな存在として知られており、 実際にアメリカの小学生の中には、バービーのボディになるためにダイエットをする少女が少なくないとのこと。 アメリカでは9歳〜10歳の少女のうちの 50%が何らかのダイエットを試みているそう。
また、アメリカの12歳以下の少女のうちの5人中4人は、「体重が増えて太ることを恐れている」とアンケートで答えている一方で、 6歳〜10歳の少女の42%が「もっと自分が痩せていたら良いと思う」とも答えていることが明らかになっています。

「そんなアンケート結果でバービーを責めるのは行き過ぎ」と言う指摘もありますが、 実際には幼少期からバービー・ドールで遊んでいた少女ほど、細いボディに憧れ、 自分のボディ・イメージに自信が持てない傾向は強いのは、既に明らかになっている事実。
そして、そのままティーンエイジャーに成長して陥るのが拒食症。 アメリカでは女子高校生における 過食嘔吐などの拒食症の割合は既に30%を超えていることが明らかになっています。

増え続けるプレティーン&ティーンエイジャーの拒食症に拍車を掛けているのが、”Pro-ana / プロアナ”。 これは拒食症 / Anorexia Nervosa を 健康や精神の問題ではなく、個人のライフスタイルとして肯定することを意味する言葉で、 インターネット上に溢れているのが、プロアナのウェブサイト。
ここには「物を食べるべきではない70の理由」として、「太っていたら、いじめの対象になる」、「太っていたらモテナイ」、 「痩せていれば、美しく見える」、「痩せていると、人から羨ましがられる」といった内容の羅列が記載されるなど、 「痩せ細っていることが美しい」という価値観を植えつける内容に溢れていますが、 このサイトにアクセスしたティーンの90%が実際にダイエットを始めるという調査結果も得られています。
したがって少女の成長プロセスで、幼少期のバービー、中学&高校時代のプロアナ、カレッジ〜20代におけるヴィクトリアズ・シークレットのカタログが、 ノンストップで、ボディ・イメージのプレッシャーを掛け続けているというのが専門家の分析。 こうした拒食症になってまで、細いボディを追求することで、少女や女性達が幸せになっているかと言えば、決してそうではないようで、 超スリムなボディの追求に夢中になって、学業など他のことが疎かになったり、 無理なダイエットとエクササイズでストレスを貯めたり、少しでも体重が増えただけで鬱病のようになってしまうなど、 身体に栄養が行き届かないだけでなく、精神面でも病んで行くことも明らかになっています。


少女時代に、「拒食症に陥る精神的基盤を形成する」とさえ指摘されるバービーですが、専門家がバービーを槍玉に挙げる理由の1つは、 バービーが人間の形をしながらも、実際には人間として あり得ない体型で製作されているため。
写真一番上は、バービーをアメリカ女性の平均身長に拡大して、アメリカの平均的な女性のボディと比べたものですが(数値は全てインチになっています) 、 バービーがアメリカの平均的女性より大きいのは頭のサイズだけ。 それ以外は、あり得ない寸法とプロポーションになっています。
以下は、そのバービーのボディ・パーツ別の問題点。

ウエスト :
バービーが身長163cmであるとすると、そのウエスト・サイズは16インチ(40.64cm)。 これは頭の周囲の22インチ(55.88cm)より小さくて、このサイズだと内臓は、肝臓が半分と小腸が数十センチ分しか入りきらないとのこと。

手首 :
バービーの手首の周囲は3.5インチ(8.89cm)。お箸は持てても、スーツケースはおろか、テニス・ラケットさえ持つのが難しい細さ。

足首 :
足首の周囲は 6インチ(15.24cm)。このサイズは、たとえどんなにバービーが細身であっても、全体重を支えて歩くのが不可能と言われるもの。 シューズのサイズは、3歳児並み。

脚 :
バービーの脚の長さは、腕の二倍。脚が、腕より20%長いというのが、ごく普通の体型であるから、バービーはどんなに身体が柔らかくても、 前屈をして手を床につけるのは不可能。

WHR (ウエスト:ヒップの比率):
バービーのWHRは0.56。すなわちウエストのサイズがヒップの56%であるということ。 アヴェレージの女性のWHRは0.8。マリリン・モンロー、オードリー・ヘップバーン、シンディ・クロフォード、ジゼル・ブンチェンなど、歴代のベスト・ボディと呼ばれた 女性達の黄金値と言われるのが0.7。ちなみにバービー並みのウエスト・サイズの女性が存在するとしたら、25億人に1人の割合とのことです。

バービーを製造するマテル社は、1998年に、バービーのウエストを大きめにして、バストを小さくすることによって、 実際の女性のボディに近づけるモデルチェンジを一度行なっていますが、それでもバービーのボディは、実際の女性とはかけ離れたもの。
これについて、マテル社は 「バービーは着せ替え人形なので、ボディを細くしておかないと、服の着せ替えが難しくなる」と説明して、 バービーはあくまで人形で、理想の女性像ではないことを強調する姿勢を取っています。


写真上、左は2012年のミス・アメリカ、ローラ・カエッペラーで、その体型は、身長180cm、体重60キロ。
バービーの右隣の ごく一般的なアメリカ人女性の体型は、身長163cm、体重75.3キロ。
そして、一番右は修正無しのヴィクトリアズ・シークレットもモデルの写真ですが、彼女らの平均的な体型は、身長178cm、体重48キロ。
これに対して、バービーは163cmであった場合、推定で30キロ程度と言われています。

ちなみにバービーのボーイフレンドと言えばケンですが、ケンのボディ・プロポーションに関しては、バービーとは比べ物にならないくらい、普通の人間の体型。 すなわちあり得ないボディ・イメージが要求されるのは、やはり女性。 それを立証するかのように、25歳以下の拒食症の90%は女性。

子供を拒食症から救うための手段として、親達が子供の少女時代に バービー・ドールよりも、 写真下右側、「アメリカン・ガール・ドール」のようなリアリスティックな人形を買い与えることが奨励されています。










執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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