Aug. 14 〜 Aug. 20 2017

”Great American Solar Eclipse 2017 Fever!”
約100年ぶりの歴史的な皆既日食で人生が変わる!?


今週のアメリカでは、先週末にヴァージニア州シャーロットヴィルで起こった白人至上主義者のデモに対して、 火曜日にトランプ氏がそれを擁護する発言をしたことから、大統領の経済政策の諮問機関として誕生した、大手製造業CEOで構成される製造業コミッティのメンバーが次々と辞任を発表。 水曜にはディズニー、ウォルマート、IBM、J.P.モーガン・チェイス等のCEOで構成される戦略&ポリシー・コミッティのメンバーが、カンファレンス・コールを行い、 その大半の辞任を確認しあったことから、当初は辞任メンバーに対して「代わりは幾らでもいる」と強気の批判ツイートをしていたトランプ氏が、 先手を打って両諮問機関の解散をツイッター上で発表。 加えてトランプ政権が計画していたインフラ整備の諮問機関設置についても取り止めを明らかにしたのがその翌日の木曜日。
さらに金曜には、大統領の白人至上主義擁護発言を批判するアート&ヒューマニティ・コミッティのメンバーが全員辞任するという前代未聞の事態が発生。 その直後には、ホワイトハウスが 毎年12月にアートや音楽の功労者に対して大統領が授与するケネディ・センター栄誉賞の 2017年の授賞式への大統領夫妻欠席を発表。それだけでなく、授賞式の日にホワイトハウスで行われてきた 恒例のレセプションも同時にキャンセルするという伝統破りを発表しているけれど、 これはライオネル・リッチー、グロリア・エステファンを始めとする今年の受賞者が既に、大統領の政策に抗議をして出席をボイコットしている状況を受けてのことなのだった。

その一方で、金曜午後にはトランプ政権の中で最も物議を醸した人事であったスティーブ・バノン主席戦略官の解任のニュースが報じられ、 その日のうちに同氏が舞い戻ったのが、自らが立ち上げた極右メディア、ブライトバート・ニュース。バノン氏は解任後もトランプ大統領の極右路線をサポートする意思を表明する一方で、 彼をホワイトハウスから追放した ジャレッド・クシュナー&イヴァンカ・トランプを含む、彼の反対勢力に対するリベンジも明らかにしており、 解任後も同氏が極右勢力を率いる存在であることには変わりはないのだった。




今週、アメリカでもう1つの大報道となっていたのが、8月21日、月曜日の皆既日食のニュース。
アメリカで皆既日食が見られるのは1979年2月26日以来のことで、日食のビューイング・エリアがアメリカ大陸を横断する日食は1918年以来のこと。 上のアメリカ地図の赤い100%のラインが英語で”トータル・ソーラー・エクリプス”と呼ばれる皆既日食が見られるエリアで、 ニューヨークや、ロサンジェルスなどは残念ながら70%の日食しか見られない見込み。 ニューヨークでこの日食が始まるのは午後1時23分で、終了は午後4時。ピークである70%の日食が見られるのは午後2時44分となっているのだった。
この歴史的な日食が国を上げたフィーバーとなっているため、学校の多くが休校となり、仕事を休んでウォッチングに出かける人々も多いことから、 この日をソーラー・エクリプス(日食)ホリデイと呼ぶメディアもあるほど。 トータル・エクリプスが眺められるケンタッキー、テネシー、ミズーリといった州では、通常一泊32ドルが相場のエアBnBの宿泊費が、今週末から月曜にかけて一泊400〜500ドルにアップ。 テント持参の人々に庭や裏庭をキャンプ地として提供するようなケースでも1晩100ドルという高額ぶり。
宿泊施設が確保できなかった人々は、前日から車で皆既日食が見られるエリアに向かうケースが多く、既に日曜夜から歴史的な交通渋滞が伝えられているのだった。

日食を眺めるためには特別な眼鏡が必要であるけれど、NASAの安全規定を満たしているメーカーは僅か4社。 特別な眼鏡とは言っても一ドル程度のものなので、多くの企業や病院などがこれを無料で配布していたけれど、安全性を満たしていないプロダクトも出回っていたため、 メディアで注意が呼びかけられていたのが今週。一部のエリアでは眼鏡の需要が供給に追い付かないことが伝えられていたこともあり、 Eベイでは安全規定を満たした眼鏡が900ドルで販売される事態になっていたのだった。
専門家によれば、太陽を100秒間凝視しただけで 失明や色盲になるリスクがあるとのことで、太陽光線の強さは日食の場合も、そうでない時も全く同じとのこと。 見方を変えれば、日頃何気なく眺めている太陽も、凝視する時間が長いと危険という事なのだった。

前述のように、日食フィーバーに乗ってビジネスをするエリアがある一方で、アメリカ経済全体が 日食ウォッチングによって失う生産性は約770億円。 これは仕事を休まなかったとしても、就業時間のうち平均20分が日食騒ぎで失われるためで、 毎年スーパーボウルの翌日にも 人々が職場で平均10分間スーパーボウルの話題に興じることにより、 アメリカ経済に約320億円の損失をもたらしているのだった。 そのスーパーボウルは、毎年アメリカの最高視聴率番組になっているけれど、 今回の日食も、史上最もビューワー数が多い日食になる見込みで、 既にメディアではこの日食を 「Great American Solar Eclipse」とネーミング。 様々な場所でウォッチ・パーティーが企画される一方で、メジャー・ネットワークからケーブル局までが、 特番を組んで日食報道をすることになっているのだった。




さて、日食の最中は太陽が月によって遮られて暗くなり、気温が下がるとあって、 日ごろとは異なる行動をすることが見込まれているのが、ペットから自然界までの動物たち。 過去の日食ではクモが巣を崩し始めたり、アリが動かなくなったり、チンパンジーが空を見上げて指を差す等の奇行が伝えられているのだった。
人間界においても、かつては日食を不運の兆候と捉える迷信が存在していたけれど、 それは以下のようなもの。

NASAのウェブサイトでも このうちのいくつかについて それが単なる迷信であることを科学的な見地から解説しているけれど、 NASAによれば 天体ほど予測通りの動きをするものはないとのことので、上記のことを心配する必要があるとすれば、 それは予測された通りの日食が起こらなかった時。 今回のアメリカの日食についても、 既に何年も前からインターネット上で騒がれ、皆既日食が見られる州では1〜2年前から観光客誘致の準備が行われていた訳で、 現代人が日食を不吉なものとして捉えるのを止めて、滅多に起こらない天体現象のセレブレーション、及びそのビジネス・チャンスとして 歓迎するようになったのは、現代科学が迷信を払拭した例の1つと言えるのだった。




心理学の世界では、日食が人間心理に何等かの影響を与えることが認められていて、 それは人々が 「日食によって世界が変わる」、もしくは「予期せぬ出来事が起こって、 突如自分の人生が好転する」と期待したり、その逆で「何か悪いことが起こる」と恐れる気持ちを少なからず抱くため。
そうなるのは人類にとって天体というのが 長く神秘として捉えられてきたためで、火星の逆行から、流れ星、満月、新月に至るまで、 自分に良い事が起こっても、悪い事が起こっても それを天体現象に結び付ける人が非常に多いのが実情。 そんな人の中には、火星の逆行期間中に幸運に恵まれて、「自分は火星の逆行中の方がラッキー」などと解釈する人も居るのだった。
今回の日食にしても、その前後にボーイフレンドと別れた場合でも、友達と喧嘩をした場合でも、大切なものを紛失した場合でも、 逆にもう会えないと思っていた人と再会したり、日頃あり得ない出来事に遭遇した場合でも、 それが日食の影響と考える人々が非常に多いことが見込まれるのだった。

でも日食や火星の逆行等はさておき、月の満ち欠けについては、潮の満ち干にも影響するだけでなく、接客業をしている人が 業種に関わらず「満月の時は変なお客や、頭がおかしいお客が多い」と語ること、 女性の70%以上が満月に生理を迎えることなどから、私自身は自然や人間に影響すると考えているのだった。
実際にバイオダイナミックス農法がもてはやされる以前から「満月に蒔いた種は生えない」という格言があった訳だけれど、 このセオリーは人間の授精にも然りで、生理が満月、排卵が新月という月経サイクルでない限りは 女性は妊娠しないもの。 なので私が不妊治療をしている女性に必ずアドバイスするのが、「生理のサイクルを自然界にマッチさせる」ということだけれど、 私はこのアドバイスで、感謝されたことはあっても異論を唱えられたことは未だ一度も無いのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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