July 17 〜 July 23 2017

”Unique Way to be a Multimillionaire ”
前科者モデル、ジェレミー・ミークスに見る、
マルチミリオネアになるユニークな方法



今週のアメリカで最大の報道になっていたのは、木曜に行われたO.J.シンプソンの仮保釈のヒアリング。 メジャーネットワークから、ケーブル局までがライブ放映したこのヒアリングで、9年間刑務所で過ごしても 人間性が変わらないことを披露したO.J.シンプソンであるものの、保釈は認められて10月の出所が決定。 全米のみならず、世界中からの注目を集めた妻とその友人殺しの裁判から20年以上が経過し、 アメリカ人口の約4分の1がその裁判以降に生まれた世代になった現在でも、 彼に対するアメリカ国民とメディアの注目がまだまだ大きいことを立証したのが木曜のヒアリングなのだった。

さて今日、7月23日に報じられたのがラスヴェガスで行われたワールド・シリーズ・オブ・ポーカーで ニュージャージー州のスコット・ブルムステイン(25歳、写真下左)が勝利を収め、810万ドル(約90億円)を勝ち取ったというニュース。 驚くべきはこの大会が彼にとって初めてのメジャー・イベント参加であったことに加え、彼が僅か2年ほどオンラインでポーカーを学んだだけの 全くのルーキーであったという事実。スコット・ブルムステインは、「オンラインでプレーすることによって、 プロ同士がプレーするよりも遥かに多くの”手”を見てきた」と語り、オンライン・ポーカーが合法であるニュージャージー州の法律に感謝していたけれど、 彼は今後もプロのポーカー・プレーヤーとして活躍する意思など毛頭無く、自分でビジネスをするか、 大学に戻って勉強をするか、とにかく別のことを考えるとサバサバと語っていたのだった。




そうかと思えば、6月末に報じられたのがYouTube上で570万人のサブスクライバーを擁するスライム・ビデオのスター、 カリーナ・ガルシア(23歳、写真上右)が、その収入で6ベッドルームの邸宅を購入したというニュース。 ここ数年、アメリカでは自家製スライムがブームになっていたけれど、その先駆者的な存在が彼女。 収入源となっているのはYouTubeの広告収入ではなく、ディズニー、コカ・コーラといった大手企業からの スポンサーシップ・フィーで、彼女がクリエイトするスライムに、スポンサーの広告イメージを盛り込むと毎回 フィーが舞い込むというもの。 彼女の月収は平均10万ドル(約1110万円)で、多い月は20万ドル(約2220万円)の収入を得ることもあるそうで、 今や彼女が親と兄弟を養うほどに稼いでいることが伝えられていたのだった。

こうしたエピソードを見ていると時代の変化を反映して、リッチになる手段や方法も新しくなってきていることを感じるけれど、 ミレニアル世代は これまでのアメリカン・ドリームのコンセプトに描かれるようなハード・ワークで成功を勝ち取って豊かになるよりも、 如何にインスタントに、しかも好きな事をやって20代にしてマルチミリオネア、もしくはビリオネアかを考えているジェネレーション。 人間の労働力がどんどんマシーンやロボットに取って代わられる時代を体感している世代なだけに、 技術を身に付けようという意欲や労働意欲が希薄と言われるけれど、 実際のところ、今の世の中は大金持ちほど働かずに投資だけで大金を稼いでいるもの。 その投資は株式、不動産、スタートアップへの出資など様々であるけれど、20代でビリオネアが誕生するIT起業のIPOは もっぱら こうしたメガ・リッチからの出資によって株式公開前にビジネスが大きくなり、ビリオン・ダラー・エヴァルエーション(10億ドル単位の企業価値見積もり) を獲得するから起こりうるもの。
インヴェスターでなくても、早い段階でビリオン・ダラー・エヴァルエーションを獲得してIPOを実現するスタートアップに関わるのも、 労せずしてマルチミリオネアになる近道で、 グラフィティ・アーティストのデヴィッド・チョー(写真下左)は 2005年にフェイスブックの最初のオフィスの壁画を担当し、その代金の6万ドル(約666万円)の代わりに 同等額分のフェイスブックの株式を受け取ったことで、2012年の同社のIPO後にはその株式が2億ドル(約222億円)に膨れ上がっているのだった。 ピカソやゴッホのような歴史的な画家でさえ、1枚の作品の価値がこれほどまでになったことは無いけれど、 デヴィッド・チョーがキャッシュよりもフェイスブックの将来に賭けて株式を選んだのは、 映画「ソーシャル・ネットワーク」の中でジャスティン・ティンバーレイクが演じていたフェイスブックの初代プレジデント、 ショーン・パーカー(写真下右)のシャープさを見込んだためと後に語っているのだった。






そのショーン・パーカーは、ナップスターでミュージック・ダウンロードというものを この世に生み出した セルフメイドのビリオネアであるけれど、最も手っ取り早くビリオネアになる方法と言えば、ビリオネアの親の子供に生まれてくること。 現在インスタグラムでその富をひけらかすメガリッチ・キッズ達はもっぱらビリオネアの子供達なのだった。
そしてそのビリオネアの娘とデートすることで マルチミリオネアへの道を切り開こうとしているのが、 欧米で”ホット・フェロン(ホットな前科者)”とニックネームされるモデルのジェレミー・ミークス(写真上左、33歳)。

元カリフォルニアのギャング・メンバ―で、拳銃不法所持等の容疑で2014年に逮捕されたジェレミー・ミークスは、 警察が逮捕時の顔写真をそのフェイスブック・ページで公開したところ、7万5,000の「いいね」と2万のコメントを獲得。 その写真が1万回シェアされたことから、「World’s hottest felon/世界一ホットな前科者」として一躍有名になり、 それがきっかけでモデルとしてスカウトされたという異例の経歴の持ち主。 その彼がここへきて、突然メディアの注目を集めるようになったのは、大手アパレル・チェーン、トップショップの オーナーの娘で、ビリオネアのクロエ・グリーン(26歳)との交際をスタートしたためなのだった。

この2人が単にデートを始めただけなら、それだけのニュースであったけれど、最初に2人のラブシーンがソーシャル・メディア上を賑わせた時点での ジェレミーは 2人の息子を持つ既婚者。息子の母親である妻、メリッサ(38歳)は2008年に彼と結婚し、ナースをして 彼の出所をサポートした存在。 仕事のためにヨーロッパに出かけたと思っていた夫が 巨大なヨットで、 10歳も年下のビリオネアの娘とロマンスを楽しんでいる様子をメディアを通じて見せつけられて、 当然の事ながら腹を立てた彼女は、ジェレミーの帰りを自宅で待ち受けていたパパラッツィの目の前で彼を追い払い、 程なく彼との離婚を申請したのだった。




その直後からスタートしたのが、クロエとジェレミーのPDA(Public Displays of Affection/公にラブシーンを展開すること)マラソン。 ちょうど季節はヴァケーション・シーズンで、セレブリティ関連のニュースやスキャンダルが少ない時期とあって、2人はパパラッツィに毎日のようにスナップされるようになり、 その度にPDAを披露しているけれど、その様子はメディア受けを狙ってやっているとしか思えないもの。
ふと考えるとビリオネアの娘、トップショップの後継者でリアリティTVにも出演していたクロエ・グリーンであるけれど、パーティーで彼女をスナップするパパラッツィは居ても、 これまでだったら わざわざ追いかけてまでスナップする価値は無かった存在。ジェレミー・ミークスにしても前科者からモデルになったという経歴はユニークでも、 パパラッツィが追いかけるようなニュース性は皆無。 でもこの全くバックグラウンドが異なる2人が不倫からロマンスをスタートしたとなると、突如パパラッツィが追いかけるに値するだけのスキャンダル性が出てくるのだった。

当初はお嬢様育ちのクロエが自分の周囲に居ないタイプのジェレミーに惹かれただけで、彼女が飽きるまでのロマンスと見られていたけれど、 クロエはジェレミーを気に入っているだけでなく、彼とのロマンスがスタートして以降のメディアや人々から注がれる注目を 非常に楽しんでいるとのことで、これは単にトップショップの後継者のビリオネアというポジションでは 彼女がどんなに望んでも得られなかったもの。 一方のジェレミーはクロエのコルベットを乗り回して、メディアに追いかけられながらクロエとのデートを重ねるという 突如スーパーアップグレードしたライフスタイルを楽しむ毎日。 しかもジェレミーはこの交際がきっかけで、トップショップのメンズライン、トップマンの広告出演が決定。 その契約金だけで複数億円になるのは確実で、そんなお互いのメリットから 2人のロマンスがまだまだ続くことが有力視されているのだった。

一方、ジェレミーから子供の養育費を受け取ることは出来ても、彼の浮気をネタに稼ぎ損ねたのが離婚した妻のメリッサ(写真上右)。 彼女が、ジェレミーに離婚を迫られてもそれに応じずに、三角関係になって不倫スキャンダルを大きくすれば、 たとえ後に離婚に応じたとしても慰謝料の金額が増えるだけでなく、 彼女がメディアに対して自分サイドのストーリーを売ることによって マルチミリオネアになる道が開けていたのは言うまでもないこと。 彼女は遅ればせながら、メディアへのアピールをスタートしているけれど、 今となっては離婚のタイミングが早すぎたというのが正直なところなのだった。

ちなみにマルチミリオネアと呼ばれるためには幾らの資産が必要かというのは、アメリカ人の間でも曖昧なセオリーであるけれど、 少し前に900万ドル(約10億円)と言われていたガイドラインは貧富の差の開きを受けて跳ね上がり、現時点では最低1500万ドル(約16.6億円)の 固定資産がマルチミリオネアの条件と見なされているようなのだった。


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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