May 25 〜 May 31 2015

”7 Types of Difficult People ”
友達にしたくない 7タイプのキャラクター


今週アメリカで最も報道時間が割かれていたのは、テキサスとオクラホマを襲った大洪水のニュース。
金曜の時点で23人の死者が確認されている この洪水は英語で「Flash Flood/フラッシュ・フラッド」と呼ばれる、 急激に水位がアップする洪水。したがって、車内にいても 屋内にいても、避難について考えている暇も無いスピードで 雨水が襲ってくる恐ろしさ。 メディアで公開された自宅の2階に避難した被災者が撮影したビデオでは、洪水というよりも 難破船の中のような 凄まじい浸水ぶりが生々しく捉えられていたのだった。

もう1つ大きなニュースになっていたのは、アメリカとスイスの司法省がFIFA幹部の汚職摘発に同時に動いたというニュース。 過去10年間に、FIFA幹部が着服したと疑われる賄賂の金額は180億円以上。 その賄賂で豪遊する見返りに、開催地やスポンサー選びの便宜を図ってきたFIFAの長年の体質は、マフィア同様と批判されるもの。 でもサッカー界の不正は、決して新しいニュースでは無いどころか、「サッカーに不正は付き物」的な意識さえあったのがこれれまでの状況。
それに対して スイスだけでなく、アメリカが動いたというのが今回サッカー界を驚かせている点で、 アメリカ司法省は更なる逮捕者が出ることを予告。 これについては、次回ワールドカップの最大手スポンサーであるVISAカードが、FIFAに対して事態の説明と究明を 求めている一方で、その開催地となるロシアのプーチン大統領は、FIFA不正を否定し、擁護する発言をしているのだった。

それとは別に、今週報道されたニュースで私が興味深く思ったのは555人のフェイスブック・ユーザーを対象に、 そのアップデートの頻度や内容から分析した人間性についてのレポート。
物事をきちんとやりたがる人は、より頻繁に子供についてのアップデートを行い、オープンな人ほど時事問題や知的なトピックに関する意見をポストするとのこと。 自分のダイエットやエクササイズについてのポストが多いのは圧倒的にナルシスト。自分に自信が無いタイプほど 定期的にロマンスや恋愛についてのアップデートをして、外交的なタイプは自分が出掛けた場所やパーティーの写真やその場をシェアした友人のことを アップデートをする傾向にあるとのことだっけれど、その頻度が高い場合は やはりナルシストでもあることが指摘されているのだった。




アメリカでは、このように様々なものを通じてキャラクター分析をする傾向が見られるけれど、 そんな人間のキャラクター分析の本の走りとして、ベストセラーになり、 今も同様の本を書く著者が叩き台にすると言われるのが、1981年に出版されたロバート・M・ブレイムソン著の 「Coping With Difficult People / コーピング・ウィズ・ディフィカルト・ピープル(難しい人々との対処)」。
この本では、ブレイムソン博士が 扱いが難しい人々を7種類に分類して、それぞれへの対処法をマニュアル化しているけれど、 その7種類の扱いが難しい人々とは、以下のようなもの。

  1. Indecisive / インディサイシブ
    インディサイシブとは優柔不断なこと。アメリカは「Yes」、「No」がはっきりした社会であるから、 日本社会以上に 優柔不断 な人が厄介がられる傾向にあるもの。

  2. Know-It All / ノウ・イット・オール
    「何でも知っている」という意味であるけれど、博学というよりは 人が何を言っても 「そんな事は、言われなくても知っている、分かっている」と見下した態度を取ったり、周囲にレクチャーをしたがる人物。 会話の相槌に 「I Know」 が多いのがこのタイプ。

  3. Super-Agreeable / スーパー・アグリーアブル
    アグリーアブルと言えば、イージーゴーイングで、ポジティブな性格を差す言葉であるけれど、 これにスーパーが付けば、それが過度の状態を意味するので、「誰にでも愛想が良過ぎる八方美人」とか、 深く考えずに人の意見に同調したり、何でも褒めたり、いたずらに人に期待を持たせるような事を言って トラブルを起こす人々。

  4. Complainer / コンプレイナー
    文字通り、文句ばかり言う人のこと。人の悪口ばかり言っている人や、人の性格、その他の粗探しをしては 指摘する人もこれに含まれる。

  5. Silent & Unresposive / サイレント&アンレスポンシブ
    大人しい性格とは別に、反応を示さず沈黙を守るのがこのタイプ。 何を考えているか分からないので、自分の意見を持たないように見られるのも アメリカでは嫌われる要因。 訊かれた質問にストレートな答えをせずに、ごまかしてしまうのもこのタイプ。

  6. Hostile-Aggressive / ホスタイル・アグレッシブ
    アメリカ、特にニューヨークには お金儲けや自分の欲しいものを手に入れることに対して アグレッシブ(攻撃的)な人が多いけれど、 これがホスタイル、すなわち敵対的になると 会話をしていても相手をやり込めようとしたり、 褒め言葉が皮肉に満ちているなど、とにかくトゲのある性格。

  7. Negativist / ネガティヴィスト
    何にでも否定的な人。プランニングをする際に、ネガティヴィストが1人居るだけで、 それが難航するもの。
    ネガティヴィストは通常、感情的に否定するのではなく、 論理的にどうしてそのプランがダメなのかを説明するタイプであり、人にそういった否定的な説明をして、 行動を起さない、物事を止めさせることを好む傾向にあるという。 また楽しい雰囲気に水を差すようなことを言うのもこのタイプ。





私はこの7つの分類には それほど賛同はしていなくて、それというのも 私がこれまで出会った多くの ”扱いが難しい人々” というのは、この分類の2つ以上のキャラクターを持っている場合が殆どであるため。
"コンプレイナー"というのは 往々にしてネガティヴィストであるし、"ホスタイル・アグレッシブ" や "ノウ・イット・オール"も、 他人に対しネガティブな姿勢を持っているからこそ有り得るキャラクター。
その一方で "スーパー・アグリーアブル"や"サイレント&アンレスポンシブ"は、 往々にして どっちつかずの "インディサイシブ(優柔不断)"な人々。 でも後者の方が、ネガティブでない分、遥かに無害な場合が多いのだった。

このロバート・M・ブレイムソンの7つのキャラクター分析は、主に職場の上司や同僚、 取引相手、顧客、コミュニティのメンバー、もしくは義理の家族など、 社会的に関わらなければならない人々の難しさを分類したもの。
したがって、これらはある程度割り切った付き合いや、距離を置いた付き合いが出来る人々であり、 社会的な力関係もはっきりしているので、対処法をマニュアルとして本に纏めることが出来る関係。

私の意見では、これより遥かに難しいのが 自分がもっと気を許して、親しく、そして対等に付き合っている友人同士のケース。 この場合、プライベートなオケージョンで カジュアルに接する訳であるけれど、 交友関係がスタートしたばかりの 遠慮があるうちは 人間関係というものは極めて平和なもの。
ところが、親しくなってその遠慮の壁が崩れ始めると、時にそれまで隠れていた意外な側面やキャラクターを見せる人も居るもので、 そうした”扱い難い友達のキャラクター” については、 ロバート・M・ブレイムソンを真似た本が出版されているだけでなく、 インターネット上でも 頻繁にそれを分析した記事や、カテゴリー分けが展開されているのが実情。 そこで、それらを総合して 代表的なキャラクターを7つ拾ってみると以下のようなリストになるのだった。




  1. Caste Mania / カスト・マニア:
    カストはインドのカスト制度のことだけれど、社会的なランク付けを現す言葉。カスト・マニアとカテゴライズされるのは、 勤めている会社、出身校、出身地、住んでいるエリア、年収、愛車、結婚相手、身につけている物、容姿 など、 様々な要素を持ち出してきては、自分の周囲の人間に勝手なランク付けを行なう人。
    カスト・マニアは、自分よりカストで下と見なす人々を蔑視するのはもちろん、 社会的に自分より上の人に対して ジェラシーを抱いたり、足を引っ張るような陰口も言うのが常である。

  2. Over Reactor / オーバー・リアクター :
    過剰反応する人。人が言った些細なことや、小さな事件に 凄く腹を立てたり、ショックを受けたりして 大騒ぎをする一方で、 自分のした事、言った事を周囲がどう思っているか、どういう目で見られているかを 何時までも 気にしているタイプ。
    オーバー・リアクターのもう1つのタイプは、火の無いところに煙を立てたがる人で、誰にでも親切な人に優しくされただけで、 相手が自分を好きだと勘違いしたり、単なる偶然を自分を特別な存在だと信じる要因にして、 周囲に言いまくるのがこのタイプ。 前者は自意識過剰、後者は自己中心型の目立ちたがり屋。
    このオーバー・リアクターの相談相手にされてしまうと、自慢話や、自己中心の妄想めいたストーリーで 時間を無駄にさせられるケースが多いのだった。

  3. Careless Speaker / ケアレス・スピーカー :
    言って良い事と、悪い事の常識的なコンセプトを理解してない人。 本人には悪気が無いだけに、最悪の内容を 最悪の人にペラペラ喋ってしまったり、 人が気分を損ねるようなことを平気で言ってしまうのがこのタイプ。 「言わないでね」と口止めされたことでも、口止めしてから、数人程度に話すのであれば大丈夫と考えて、誰にでも秘密を喋ってしまうので、 周囲からは「自分が知らないことを聞き出す情報源」として利用されることもしばしば。
    ケアレス・スピーカーの中には、他人の情報を自分の社交の武器として使う人も居るけれど、 周囲は 「お喋り過ぎて、信用できない」というイメージを抱いているもの。

  4. Script Writer / スクリプト・ライター :
    ケアレス・スピーカーより遥かにしたたかで、策略家が多いのがこのタイプで、自分の書いたシナリオを他人が言ったことにする人。
    往々にして自分の言った悪口、自分の作り話を、誰か別の人間から聞いたことにして周囲に喋ることによって、 情報操作をするのがこのタイプ。また、他人が実際に言ったコメントを、必要以上に悪い内容にして、 その人の発言として伝えるのも この類の人間。 社交的で、外交的に振舞っているものの、基本的には気が小さいので、自分の良からぬ噂話には 非常に神経質。 自分を良く思わない人、自分より目立つ人などに対して、裏から攻撃を仕掛けるのが常。



  5. Inspector / インスペクター :
    人のプライバシーを必要以上に知りたがる人。ソーシャル・メディアで友人の行動を逐一チェックして、 自分が呼ばれなかったディナーやパーティーに来ている面子に目を光らせたり、 会話に質問や詮索が多く、常に周囲の身辺調査をしているのがこのタイプ。 そうして得た情報をゴシップとして広めるケースもあるのだった。

  6. Super Competitor / スーパー・コンペティター :
    ライバル意識、競争意識が高く、議論になると自分が勝利しないと気が済まないタイプ。 自分がライバル視している人が褒められたり、チヤホヤされているのを見ると、表面では合わせていても、 睨み付けた目線に燃え上がるジェラシーが隠し切れないのがこの類の人々。 逆に自分がおだてられると、機嫌が直る場合が殆ど。
    自分が競争意識を持っている人の悪口を言う傾向が強い。

  7. Name Dropper / ネーム・ドロッパー :
    ネーム・ドロップとは、共通の知人の名前を出したり、相手に一目置かれるような人脈、少しでも関わりのあるセレブリティ、裕福な家族や知人の名前等をあげて、 便宜を図ってもらおうとしたり、相手と親しくなろうとする人のこと。 すなわち、人の名前を使って自分の交友関係、利害関係を有利にしようとする人のこと。
    この類の人は1度会っただけの人を「友達」と表現しがちで、会ったことさえ無い友達の知人のことでも、まるで自分の知り合いのように 話す傾向があるもの。 またネーム・ドロッパーは人の名前だけでなく、他人のコネクションでも、優遇される状況でも、自分を有利にしたり、周囲から良く見られるものなら、 使えるものは全て利用しようというタイプ。したがって友達やコネクションが沢山あるように振舞う傾向にあるけれど、 勝手に良く知らない人の名前を出して顰蹙を買ったり、時間と共に口で言うほどはパワフルなコネクションや交友関係が無いことがバレてくるので、 「話しが大き過ぎる」などと批判されるのがこのタイプ。


これらのうち、私が最も大きな被害にあったのは ”スクリプト・ライター”。
私は物をはっきり言う方なので、”スクリプト・ライター”にとっては利用し易いキャラクターのようで、 以前、私が知らないことで、話題にしようもない事が、私の発言として友人の間に伝わっていてビックリしたことがあるのだった。 また”スクリプト・ライター” は、本人が言った誰かの悪口を聞いて、私が笑ったり、同意したりしようものなら、 次に”スクリプト・ライター” がその話しをする時は、それが私の発言として語られてしまうのがありがちなシナリオ。 なので、会話の相槌さえ打てない場合も多いのだった。

さらに ”スクリプト・ライター”は、実際に人が語ったセンテンスの内容を中身を悪く書き換えることも多くて、 例えば 以前 私が知人達とレストランでランチをした時のこと。 そのレストラン可も無く、不可も無くのレストランだったので、知人の1人がその店の感想として 「1度行ったら、十分っていう感じ」 と語ったそうだけれど、このセンテンスも ”スクリプト・ライター” を通じて人に広まる時には、 「あのレストラン、2度と行きたくないわ」というものに変わっていて、ランチをセットアップした人の心象を悪くする形で 伝わっていたのだった。

私が尊敬するベンジャミン・フランクリンによれば、「他人の悪口はたとえ それが事実でも言うべきではない」とのことだけれど、 その人のせいで酷い目に遭った時には、どうしても愚痴ってしまいたくなるのが人情というもの、
したがって、上記の7つのキャラクターの人とは、できる限り距離を置いて、親しい友達関係にならないのが一番の得策と言えるのだった。


Will New York 宿泊施設滞在



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。


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