May 7 〜 May 13 2018

”Best Diet Method? Time-restricted Eating”
シャリース・セロンも立証した、タイム・レストリクテッド・イーティングの効果


今週は火曜日にトランプ大統領が、イラクの核合意離脱を発表したことが国内外からの大批判を浴びていたけれど、 その一方で月曜にメトロポリタン美術館(以下Met)で行われたのが、今年でヴォーグ誌編集長、アナ・ウィンターにとって最後になるであろうと言われる コスチューム・インスティテュート・ガラ。「ファッションのスーパーボウル」とも言われるこのイベントは、Metにとって多額の寄付とパブリシティを集める手段でありながら、 長年Metを支えてきたパトロンを冷遇し、アートに全く関心が無いセレブリティを優遇してきたことで、美術館関係者の間でも賛否両論だったイベント。
特に昨年は寄付の額がダウンした一方で、バジェットが嵩み、しかもモデルやセレブリティが世界屈指のアート・コレクションから数メートルしか離れていない トイレでタバコを吸いまくる有り様で非難が集中。 また今年は同イベントに多額の資金を割くメリットを感じないデザイナーやブランドが不参加を決めたことから、チケットが完売しなかったことも伝えられ、 この夏リタイアが見込まれるアナ・ウィンターと共に、現在のようなセレブ中心のガラも今回でリタイアになるという噂が飛び交っていたのだった。




さて、5月4日にアメリカで公開されたのが シャリース・セロン主演の映画「Tully / タリー」。 この映画の中で、低所得者の3児の母親を演じるために約23キロ体重を増やしたのが彼女。
シャリースと言えば 長身&スリムな元モデルで、生まれた時から痩せ型の体質。 その彼女が急速に増やした秘訣は 加工食品と砂糖で、特に努めて食べていたのがポテトチップス。 最初の2週間ほどは、好きなものを好きなだけ食べられるのが かなり楽しかったようで、朝からメープルシロップをたっぷりかけたパンケーキを食べ、 ポテトチップをスナックにして、ランチにファストフード・バーガー、ディナーでも フライド・チキンやクリームソースのパスタ、デザートを食べて、とにかくダイエットの大敵と言える 食生活をしていたとのこと。
やがて彼女が驚いたのは、そんな砂糖や加工食品が精神に及ぼす影響で、 精神的に落ち込んだだけでなく、常に疲れて無気力になってしまったという。 同様のことは、2004年に公開された「ブリジット・ジョーンズ・ダイアリー」に出演するために スターバックスのフラペチーノでクリスピークリームのドーナツを流し込んでいた レネー・ゼルウェガーも当時語っていたけれど、 シャリースの場合、その精神的な落ち込みとの闘いが かなりの苦痛になっていたようで、 加工食品や砂糖が、体型や体重だけでなく、精神にも大きな影響を及ぼすことを初めて悟ったと告白しているのだった。

シャリース・セロンは、オスカーの主演女優賞を受賞した2003年公開の映画、「モンスター」に出演した際にも、大幅に体重を増やしているけれど、 この当時の彼女は27歳。そもそも代謝能力に優れた体質の彼女は この時はあっという間に体重を落とすことが出来たという。 しかし同映画の時点では42歳を迎えており、エイジングによるメタボリズムの低下のせいで、体重を完全に戻すまでには半年近くが掛かったことを告白しているのだった。




でもシャリース・セロンのように生まれつき痩せていて、エイジングで衰えつつあるとは言え、ある程度のメタボリズムを維持している場合、 一度増やした体重を維持し続けるのは大変なこと。というのも人間が食べられる量には限度がある上に、 彼女は短時間で体重を増やしているので、徐々に食べる量が増えて行く慢性的な肥満とは異なり、何日も大食を続けているうちに 胃が疲れて、食べられなくなってくるため。
そこで、シャリース・セロンが食事の量を増やさずに太る手段として実践したのが、 一度眠ってから 夜中の2時に目を覚まして、チーズ・マカロニを食べて、再び眠るという 睡眠の合間の夜食。 加えてポテト・チップスの袋をありとあらゆるところに置いて、常に食べ続けていたとのこと。 これにより彼女は食事の量を増やすことなく、更に体重を増やすことに成功しているのだった。

このシャリース・セロンの体重増加法は 一日中食べ続けること、代謝能力が落ちる夜間に食べることが如何に体重増加を早めるかを立証したもの。 このようにカロリーもさることながら、食事のタイミングが体重の増減に深く影響するセオリーを反映させたダイエットとして 近年注目を集めてきたのがタイム・レストリクテッド・イーティング。
これは1日のうちで 食事を摂取する時間を短く制限するダイエットで、アメリカで最も一般的なのは「エイト・アワー・ダイエット」。 すなわち1日8時間の間に食事をして、残りの16時間はファスティングをするという、いわゆるプチ断食。 通常は朝食を抜いて、正午から午後8時の間で食事を摂取するというもの。 ファスティングの時間には、本来は水しか飲んではいけないようで、ブラック・コーヒーやダイエット・コーク等はノー・カロリーであるけれど、 それに含まれたカフェインや人工甘味料を肝臓が代謝しなければならないので、 これらを飲んでしまったらファスティングとは見なされないとのこと。
タイム・レストリクテッド・ダイエットが健康に与えるベネフィットとして挙げられるのは以下のようなもの。


これらのベネフィットが結果的にもたらすのが長寿とアンチ・エイジング、がんの予防、ホルモンレベルの安定等。 そもそも 1日の中に飢餓状態をクリエイトすることによって可能になるのが、生存と防衛のための酵素、SIRT1を活性化。 これが老化によるDNAのダメージをリバースするため、体重に限らず健康面のメリットが非常に大きいのがタイム・レストリクテッド・ダイエットなのだった。




タイムリストリクテッド・イーティングは、特定期間のダイエットとして行うのではなく、ライフスタイルにするべきと言われるけれど、 ダイエット効果とアンチ・エイジング効果を高めるために有効なのが 食事時間を1日4時間に抑えて、ファスティングの時間を20時間にする実践法。 4時間の食事時間には 出来るだけヘルシーなものをお腹一杯食べることが奨励されるけれど、 4時間で食べられる食事の量はさほど多くないので、結果的には1日の摂取カロリーがかなり抑えられるという。
このやり方の場合、午後3時〜7時、4時〜8時 といったタイムテーブルで実践している人が多く、ディナーの時間を早くして、 空腹で眠れば眠るほど、ダイエットの効果がアップするとのこと。
タイム・レストリクテッド・ダイエットの場合、大切なのは毎日同じ時間帯で食事をすること。 それによってインシュリンの分泌がコントロールされる等のメリットをもたらすとのことで、 逆に食事時間が安定しない場合、激減するのがその効果。 というのも人間の身体にとって、細胞修復およびホルモンシグナル伝達のような生物学的機能を管理するための概日リズムが非常に大切なためで、 これこそが若さと健康を保つ秘訣。
それというのも概日リズムによって 消化吸収、細胞の組成といった内臓や細胞の活動の負担やストレスが大きく軽減されるためで、 若い頃には さほど影響しない不規則な生活や、時差がある場所への移動も、50歳を過ぎてこれを続けた場合、 エイジングにどんどん拍車を掛ける要因となるのだった。

年齢が若い方がタイム・レストリクテッド・イーティングで体重を落とすスピードが速いことが指摘されているけれど、 アメリカの報道番組では、60歳を過ぎた糖尿病の女性がエクササイズをする事無く、タイム・レストリクテッド・イーティングによって 大きく体重を落としただけでなく、血糖値まで改善させたことが伝えられていたのだった。この女性の場合、 朝の5時起床、午後9時就寝というライフスタイルで、最初は食事時間を午前10時〜午後5時での7時間でスタート。
これでかなり体重が落ちたものの、更に痩せたいという欲が出てきたため、食事時間を前倒しして、時間を短縮。 午前10時〜午後2時という4時間にして更に4キロの体重を落とすことに成功。現在は標準体重を維持しているという。 この女性の場合、食べる量や摂取カロリーは、どちらの時間帯の場合も あえて同じにしていたとのことで、 食べる時間帯だけでもダイエット出来ることを見事に立証しているのがこのケース。
これを痛感してからは、毎日のディナーの時間を努めて早くするのが私のダイエット法になっているのだった。

★ お知らせ ★
今週から、CUBE New Yorkの更新サイクルが替わります。「キャッチ・オブ・ザ・ウィーク」の更新はこれまで通り毎週日本時間の月曜日、 「Q&ADV」と「フェイバリット・オブ・ザ・ウィーク」が1週置きに交互で日本時間水曜日の更新、そしてその他のニュース記事が日本時間金曜日の更新になります。 映画やちょっとしたトピックはフェイスブック・ポストで発信します。
新しい更新サイクルに変更後も、CUBE New Yorkをよろしくお願いいたします。



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

Shopping
home
jewelry beauty health apparel rodan

PAGE TOP