Apr. 20 〜 Apr. 26 2015

”Amal Does Manhattan ” ”
完璧にステージングされた、アマル・クルーニーNYデビューの背景とは?


今週は、週末に入ってネパールで起こった大地震のニュースが大きく報じられていたアメリカであるけれど、 メディアとソーシャル・メディアの関心がもっぱら集中していたのが、キム・カダーシアンの義父であり、 オリンピックのゴールド・メダリストとしてセレブリティとなったブルース・ジェナが、 性転換をしたことを3大ネットワークの1つ、ABCの特番インタビューで明らかにしたというニュース。
ブルース・ジェナが徐々に性転換手術を行っていたことは、既にメディアが報じていたこと。 でも憶測の域が出なかったメディア報道を彼自身が認め、「自分は男性というよりは、女性だと思って生きてきた」と 性同一性障害を告白したことは、かなりのセンセーションを巻き起こしており、 レディ・ガガ、オプラ・ウィンフリー、エレン・デジェネラスといったLGBT支持者のセレブリティが こぞって彼をサポートするツイートを繰り広げていたのだった。




ところで 今年2月からニューヨークでロイヤル・カップル並みの注目を浴びているのがジョージ&アマル・クルーニー夫妻。
というのも、ジョージ・クルーニーが映画「マネー・モンスター」の撮影のため、3ヶ月ほどニューヨーク入りしているためで、 そのスケジュールに合わせて、国連の人権弁護士でもあるアマル・クルーニーは、 コロンビア大学でゲスト・プロフェッサーとして週に2回レクチャーを行い、 2人揃って NYに長期滞在しているのだった。
このため2人がディナーに出掛けたり、イベントに出席する度に パパラッツィや芸能メディアのレポーターが彼らを追いかけてはスナップし、 彼らの ニューヨーク・ライフを逐一報じているけれど、これはジョージ・クルーニーが独身時代に NYで映画撮影を行っていた時には起こらなかった現象。

実際に、メディアが追いかけているのは もっぱらアマル・クルーニーで、 彼女がコロンビア大学でレクチャーを行う際には、 必ずそのファッションがスナップされ、彼女がジョージを同伴することなく 出掛けた際にも待ち受けているのがパパラッツィ。 また先日、ジョージ・クルーニーの映画撮影現場にパパラッツィが集まったのも、アマルがその様子を見にやってきた際で、 これは偶然ではなく、完全にコントロールされたパブリシティ。
そしてそんなことは、ニューヨークのメディアもお見通しなので、NYタイムズ、NYポストなどが記事にしていたのが、 アマル・クルーニーがいかに 注意深くお膳立てがされた中で、ニューヨーク・デビューを果たしているかということ。
彼女は、完璧にブローアウトされたヘアに、完璧なメーク、エッジが感じられるスタイリッシュなアウトフィット、 そして外出の度に、セレブ・エディターとして知られるティナ・ブラウンや、最高裁判事のソニア・ソートマイヤー等、 彼女のソーシャル・ステータスを高める人々との交流をアピールし、移動はいつも黒塗りのSUV。 NYで住居代わりにしているのは、アッパー・イーストサイドのカーライル・ホテルの1泊数十万円のスウィート・ルーム。
コロンビア大学のレクチャーにしても、ファッション・グラビアから飛び出してきたようなスタイルで登場。 その彼女のコロンビアのレクチャーは、大学関係者から生徒の一人一人までもが、 メディアに詳細を口外しない協約のもとに行われており、すべてが VIP中のVIP扱いになっているのだった。




そんな完璧な女性像、アマル・クルーニーのプロデューサー的役割を担っているのが、2人の結婚式にも列席し、 アマルのウェディング・ドレスを見開きのグラビアにフィーチャーしたアメリカン・ヴォーグ誌の編集長、アナ・ウィンター。
そもそも、アマルとジョージ・クルーニーとの婚約が発表されてからというもの、 プライベート・タイムでも頻繁にスナップされるようになった彼女のために ヘア・スタイリストが付いたことは、内情を知らない人でも、 過去と婚約後の彼女のスナップを比べれば一目瞭然のこと。 それほどまでに 歴然と異なるのが、アマルのヘアのつやと自然なボリュームで、こ れはプロのブローアウトだから演出される完璧さ。 そんな彼女のヘアを手掛けているロンドンのヘア・スタイリスト、マックス・コールズは、 昨年秋に行われたイタリアでのウェディングの際にもアマルのヘアを手掛けているけれど、彼をアマルに紹介したのもアナ・ウィンター。
ウエディングに際しては、オスカー・デ・ラ・レンタのウェディング・ドレスから、 世界中のメディアにフィーチャーされたジャンバティスタ・ ヴァリのフラワーとレースのカクテル・ミニ・ドレス、 アレクサンダー・マックィーンの真っ赤なイヴニング等、スーパー・スタイリッシュなアウト フィットの数々を アレンジしたのもアナ・ウィンターだったとのことで、当然のことながら  ">ニューヨークにおける完璧なアマルのファッションも 彼女と一流スタイリスト、ヴォーグのスタッフが全面協力して可能になっているもの。
アマルのもとには毎日のように高額デザイナーの作品が届けられ、 そのほぼ全てがデザイナーからのレンタル、もしくはギフトとのこと。
またジョージ・クルーニー本人も、これまで彼がレッド・カーペット上にエスコートしてきた女性達の アウトフィットをコントロールしたがることで知られていただけに、 彼の意見もアマルのファッションに かなり反映されていることが伝えられているのだった。

ちなみに、妻のファッションを自分のパブリシティの一部と考えて コントロールするのはハリウッドでは珍しくないこと。 同様のことはブラッド・ ピットがジェニファー・アニストンに対して、 トム・クルーズがケイティ・ホルムズに対して行っていたことでもあるのだった。


このアナ・ウィンターとのコネクションのおかげで、 弁護士で、本来はファッション業界に全くコネクションが無かった彼女(写真上左)が、 まだブティックに並ぶ前のデザイナーズ・アウトフィットを着用して、 ランウェイから飛び出してきたようなファッションで登場するのは、今では決して珍しくないこと。
またファッション以外の、アマルの毎日のスケジュール管理や、必要な物事のアレンジは、 ジョージ・クルーニーの20年来のパーソナル・アシスタント、 エンジェル・マッコーネルが 全面的に面倒を見ていること。 エンジェル・マッコーネルはジョージ・クルーニーが自宅の敷地内に彼女のための住居を設けるほど、 ジョージに信頼される存在であるけれど、彼が自分のアシスタントを 自分の世話以外にあてがうのは これが初めてのことなのだった。

とは言ってもアマルにとって、ニューヨークでの生活は決して新しいものではなく、彼女はNYUのロー・スクールに通い、ニューヨークの大手弁護士事務所で キャリアをスタートしているので、その間の11年間はウエスト・ヴィレッジのアパートで暮らしていたとのこと。 その後、彼女はロンドンに戻り、オックスフォード大学で学んでいるけれど、当時からの友人が語るのは、社交的とは言えなかった彼女が 堂々と、そして華やかにソーシャライズするようになったのは、ジョージとの交際を初めてからとのことなのだった。

このような完璧にステージングされたアマル・クルーニーのニューヨーク・ライフの背景にあると メディアがこぞって指摘しているのが、既に政治の世界でアクティビストとして 活動しているジョージ・クルーニーが 今後政治的なキャリアを模索しているということで、 一部にはロナルド・レーガンのようにアクター出身の大統領を目指しているというという説も聞かれているのだった。
その ”リーダー・オブ・ザ・フリー・ワールド”とも表現される米国大統領に 不可欠なのが、学歴、マナー、スタイルなど、 全ての条件を満たした伴侶の存在で、アマルはジョージが過去に交際した女性の中で、 唯一そのクライテリアに属すると言われているのだった。


そんなジョージとアマルをサポートしているメンバーは、こぞって自らの世界で既にサクセスを収めて、政治の世界への影響力に興味を示している人々。
その筆頭に挙げられるのが前述のアナ・ウィンターで、彼女はオバマ大統領が再選された際に、 英国大使としてのポジションをオファーされたという噂が流れたけれど、 これは、キャロライン・ケネディが在日大使に就任したのと同様の選挙勝利のお礼人事。
アナ・ウィンターはヴォーグの編集長という肩書きを使って、このところ政治的な活動を繰り広げて、 ファッションの世界を超えたパワーを確立しつつある存在。 オバマ氏の2回の大統領選挙の際には、ファッション・デザイナーに働きかけて、オバマ・グッズを製作し、それがヴォーグのウェブサイトで販売され、 オバマ大統領の選挙資金集めに貢献していたのは周知の事実。  昨年、メトロポリタン美術館内にアナ・ウィンターの名前が付いたコスチューム・インスティテュートがオープンしたけれど、 その際のテープ・カットにミシェル・オバマ夫人が駆け付けたことからも分かる通り、彼女はオバマ政権にとって最も強力な支持者の1人。

その一方で、ワールド・トレード・センター跡地に建ったワン・ワールド・トレード・センター・ビルの第1号のビジネス・テナントとなったのが、 ヴォーグを出版するコンディ・ナスト社。コンディ・ナストがそれより遥かに便利で最高の施設を誇ったミッドタウンのビルを出て、 わざわざワン・ワールド・トレード・センターに移った背後で、動いたと言われるのがアナ・ウィンター。 ワン・ワールド・トレード・センターは、今もビジネス・テナントがすべて埋まっていないことが報じられているけれど、 コンディ・ナストほどの大企業、しかもメディア企業が同ビルに入居して、広告塔の役割を果たしてくれることは デベロッパー側やニューヨーク市にとって 願ったり、叶ったりの有難い話。 これを実現させたことで、アナ・ウィンターは彼女の政治力をさらに強めたことが指摘されているのだっ た。

アナ・ウィンターは、ジョージ・W・ブッシュ元大統領夫人のローラ・ブッシュに 対してスタイリングのアドバイスを申し出て、断られた経緯からも分かる通り、 かなり以前から政界とのかかわりを求めてきた存在。
米国大統領の誕生に、政治とは関係ない世界のセレブリティが尽力し、思わぬ選挙の武器になるのは ケネディ大統領時代のフランク・シナトラ、オバマ大統領誕生の際のオプラ・ウィンフリーなど、決して珍しくない話なのだった。

ジョージ・クルーニーが政界への進出を狙うにあたって、アマル・クルーニーが唯一のネガティブ・ポイントになりうるとすれば、彼女がアメリカ人ではな いこと。 でもフランスのサルコジ元大統領も、イタリア人のカーラ・ブルー二と結婚したことを考えると、 世の中の人々はだんだんそういった部分のこだわりが無くなってきているが実際のところ。 もちろん米国大統領はアメリカ生まれのアメリカ人でなければならないことが法律で定められているけれど、伴侶については規定がないだけに、 イメージ以外の点においては支障にならないのだった。

ところでジョージ&アマル・クルーニーは、割烹Masa、ラム・クラブ、バッボなど、 ニューヨークの有名レストランでディナーを楽しんでいる様子が レポートされているけれど、実際のところ2人はさほど食べ物にはこだわらないのだそうで、 アマルに関しては、そのモデル並みに細いボディから察することが出来る通り、かなりの小食。 ニューヨークのレストランでは、料理をハーフ・ポーションでオーダーすることが多いという。
むしろ2人がこだわるのはドリンクで、ジョージが飲むのはもっぱらカーサミーゴのテキーラ、 アマルはそのカーサミーゴを使ったカクテル、”ジンジャリータ”が彼らが滞在するカーライル・ホテルのバーでのお気に入りとのこと。
ジョージが撮影のために朝早く出掛けるため、2人ともディナーの前の早めのドリンクを好んでいることがレポートされているのだった。


Will New York 宿泊施設滞在



執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。




PAGE TOP