Dec. Week 4 2017
★ "Who is Toxic & Who is the Person to Look Up"
"人生に毒を盛る人と、夢や幸福をもたらす人"



秋山曜子様
このコーナーが大好きで、おそらくアドバイスは全て読ませていただいたと思います。 いろいろな方からのお悩みに、お茶を濁すことなく建設的な解決策をきっぱりとアドバイスする秋山さんをとても尊敬しています。
私はこれまで周囲に尊敬できる人が全く居なくて、両親、学校の先生や先輩、会社の上司など、尊敬出来る人だったらどんなに良いかと思う人たちが ことごとく尊敬できずにきました。それだけでなく、そういう人たちからへこまされたり、意地悪をされることが多くて、人生に毒を盛られているような思いをすることがしょっちゅうでした。 そのせいで人よりも学んだり、感動したりということが少ない人生を歩んできたような気がして それがこれまで少なからずコンプレックスになってきました。
それで思ったのは、秋山さんが今のようなアドバイスが出来るようになるまでに、どんな方たちを尊敬して、どんな人たちに気を付けて生きて来られたのででしょうか。 変な質問で申し訳ないのですが、秋山さんのアドバイスを読むたびに いつも知りたいと思ってきたことなので、 思い切ってお尋ねしてみることにしました。 お差し支えなかったら教えて頂けると嬉しいです。
ニューヨークはこれからクリスマスで華やいだ季節を迎えるのでしょうね。羨ましいです。 お身体に気を付けて頑張って下さい。

- M -





Mさんがおっしゃるように、人生には関わっていると毒を盛られるような人も居れば、 インスピレーションや幸運をもたらしてくれたり、自分の目標として尊敬する人も居るものですが、 私が人生に毒を盛ると考えて 警戒するのは以下のような人たちです。


往々にして、これらのうちの1つに当てはまる人というのは、よく考えてみると複数に該当するケースが殆どで、 如何にそういう人達と関わるとろくなことが無いかが良く分かります。

今回のこのコーナーは2017年最後のアドバイスなので、ここからは尊敬できる人にフォーカスして ポジティブに締めくくりたいと思いますが、 私の場合、尊敬というのは 時にネガティブな状況でも抱くことがあります。
例えば、特に秀でた能力がある訳ではなく、人に好かれる人柄でも無いにも関わらず、 自力で世の中の良いポジションにいる人というのは、独特の嗅覚があったり 自分の周囲を上手くコントロールする術を心得ている場合が非常に多かったりします。 そういう人たちは人間的には尊敬に値しなくても、 学べる部分があると思っていますし、そのサバイバル力にも脱帽することも少なくありません。

ですが そうした人たちからは、エネルギーやインスピレーション等のポジティブな活力を得たり、 自分の人生の指針を授かるようなことはありません。 そんなパワーやオーラを持つのは、信念や情熱を持って物事に取り組んで成功を収めた人々や、 人間としての包容力や、高潔さ、深い魅力に溢れた人々で、そんな人々を尊敬し、目標として生きることによって、 同様の人々を人生に引き寄せることが出来るというのが私の信条です。

そんな私は 頻繁にこのコラムで語録を引用するベンジャミン・フランクリンやココ・シャネルのように、既に大きな功績を残した人を 尊敬するのはもちろんですが、それに向けて努力や勉強を惜しまない段階の人のことも尊敬していますし、 長年の友人達についても、人間として尊敬できるからこそ友情が続くと考えています。 また自分のDNAを授かった両親や祖父母等にも誇りと尊敬の念を抱いていますが、 それは自己愛、自尊心という見地からとても大切なことだと私は考えています。
ですのでMさんが これまでご両親を尊敬できなかったのは残念なことですが、 親子関係という固定概念から切り離してみると、それまで見えなかったご両親の人間像が見えてくることもあるのです。 自分のルーツは 自分のアイデンティティですので、ご両親に何等かの尊敬の念を抱くことが出来た方が 愛情、信頼、モラルといった人間としての中軸がMさんの中でしっかり確立されるはずなのです。 ですのでご自身のためにも 成長過程とは異なる視点から 今一度ご両親、そしてご両親との関係を見直してみることを強くお薦めする次第です。

ところで、このページのイメージ写真に何故、イギリスのロック・バンド、デフ・レパードのドラマー、リック・アレンのフォトを使ったかと言えば、 私がこれまでの人生を振り返ると、彼が紛れもなく 最もインスピレーションを与えてくれた 尊敬できる人物の1人であるためです。
1963年生まれの彼は、1978年に当時15歳でオーディションを受けてデフ・レパードのメンバーになったほど 卓越した素質に恵まれたドラマーで、 彼が加わった直後に初のレコーディングをしたデフ・レパードは、80年代初頭からヒットチャートを賑わすメガ・サクセスを収めてきました。 しかしそんな人気絶頂の最中の1984年、21歳を迎えたリック・アレンが見舞われたのが交通事故で、その怪我で肩からの左腕切断を余儀なくされた彼は、 その時点で自分のドラマー人生が終わったものと考え、バンド・メンバーも新しいドラマーを探すためのオーディションを何度も行ったとのことですが、 その結果、バンド・メンバーが悟ったのは「彼を超えるドラマーは決して見つからない」ということでした。 そこでメンバー達は 「左手を失っても、右手と両脚はこれまで通り使える」と、リック・アレンを励ますと同時に 説得。 その熱意に動かされたリック・アレンが、歩くのも精一杯だった状態から ドラム・メーカーと共に着手したのが、左手無しでも叩けるドラムセットの開発。
やがて試行錯誤を繰り返して、左脚で4つのペダルを駆使することによって左手同様の役割を果たすドラム・セットが生まれたものの、 彼のような天分に恵まれたドラマーでさえ、それを使いこなすためには 本人が「何度も挫折しかけた」と語るほどの 長時間の凄まじい努力とトレーニング、それを乗り越える精神的な闘いを強いられたのは容易に想像がつくところ。 そんなリック・アレンが 「左手が無いドラマー」としてデフ・レパードのステージにカムバックしたのは、交通事故からほぼ2年後の1986年のことでした。
デフ・レパードは バンドが誕生して40年が経過する現在でも活動を続けていますが、以来リック・アレンは 常にライブ・ステージで ファンからのスタンディング・オーベーションを獲得するインスピレーショナルな存在。 また彼はその後、自分と同じように片腕を失った退役軍人や、病気や事故が原因で肉体的な不自由を味わう人々に ドラム演奏の機会を与えるチャリティを設立。自らの経験から不可能が克服出来ることをアピールする彼は、人々に夢や希望を与える存在になって久しい状況です。

私にとって彼のストーリーが非常にインスピレーショナルなのは、「諦めなければ たとえ絶望的な状況でも必ず道が開ける」というお手本であるのに加えて、 諦めずに頑張り続けるためにも 人生においては自分が本当にやりたい事、好きな事に取り組んでいるべきということを 改めて実感させてくれるため。 また自分が苦境を克服しても そこで満足せず、同じ状況に苦しむ人々に手を差し伸べて助けるべき ということも彼から学べるレッスンの1つで、 同じ境遇を味わった人間のサポートには特別なパワーがあること、そして人を助けることが自分の幸せとしてフィードバックされることを立証しているのも彼の人生です。


その意味で、私が会ったことさえ無くても 尊敬しているのがステップ・アヘッド・プロステティックスというニューヨークの企業のオーナーと従業員の人々。
アメリカではクリスマス・シーズンに限らず、女児へのプレゼントとして人気のアイテムとなっているのがアメリカン・ガール・ドールで、 これは自分の肌の色、髪の毛や目の色を指定して、自分そっくりな人形を作ってもらえるというベストセラー人形。 ステップ・アヘッド・プロステティックス社は、アンピュテ―ション(義手、義足)を作る企業で、その同社が無料で行っているのが 義手、義足を付けた少女達のために、アメリカン・ガール・ドールにも同じように義手や義足をつけるというサービス。
オーナーと従業員は 一銭の利益にもならないことを承知で、希望者からアメリカン・ガール・ドールが送付されてくる度に ミニチュア・サイズのアンピュテ―ションを製作、装着しては送り返しているけれど、それを受け取った少女たちのリアクションは 親達が涙ぐむほどにハッピーなもの。それほどまでに幼い少女にとっての人形は自分のアルター・エゴであり、アンピュテ―ションをつけた人形は 少女たちのプライドを育むために大きな役割を果たすもの。 親達が有料でも依頼すると思われるサービスであるけれど、同社があえてそれを無料で提供するのは 一生アンピュテ―ションを付けて生活するのに 如何にお金がかかるかを熟知していることもあるけれど、 それよりも何よりも 人形を受け取って大喜びする少女たちの写真やThank Youレターが送られてくる度に、従業員一同がハッピーになって、 自分達の仕事に生きがいと使命感を感じるようになるため。

こんな実例からも、「人を幸せにする人こそが 幸せになれる」ということを改めて痛感しますが、やはり幸せというのは物やお金について回るのではなく、 人と人との繋がりによってもたらされるもの。 だからこそ完璧ではなくても、 尊敬できる部分を持つ人々に囲まれて生きることは人生の充実と心身の健康のために とても大切だと私は考えます。
毒をもたらすような人も沢山居る一方で、尊敬できる人も沢山居るのが世の中なので、心と同時に目を見開いて 豊かな気持ちで生きられる人間関係を構築していって下さい。

Merry Christmas & Happy New Year!

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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