Dec. Week 3, 2016
★ "I'm not Controling My Own Life"
意思が弱くてダイエットや人生のコントロールができません



Yoko Akiyamaさま、
いつもCube New Yorkのサイトの更新を楽しみにしていて、ショッピングもさせて頂いているファンです。
このコーナーの大ファンなこともあって、Yokoさんのアドバイスがいただけたらと思ってメールをしています。
私の悩みは人と比べて意思が弱いことで、そのせいで自分が思うような人生が送れていないように思います。 ここ2年ほど特にそれを感じるのはダイエットに挫折する時で、ダイエットをしては諦めたり、飽きたりして止めてしまうのですが、 よく考えるとそれがワークアウトや習い事など全てに共通しています。

私は以前は痩せていたのですが、 お友達と外食をしたり、お料理を習ったりしているうちに、徐々に太りだして来てしまいました。 肥満という訳ではありませんが、運動をせずに、美味しい物を食べているのと、やはり年齢を重ねてきたせいで代謝が悪くなっているようで、 毎年少しずつ体重が増えて来ました。 以前は食べ過ぎてもお腹が出るくらいだったのですが、 ここ1年ほどは手足に脂肪がついてきて、少し前にはお医者様に年齢の割にコレステロール値が高いとも言われました。
私は両親もコレステロールや血圧が高いので、そんな家系を考えると 自分の健康のためにもダイエットしなければならないのに、 食欲を抑えるのがどんどん難しくなってきていて、これはダイエットのやり方が悪いというよりも、私の意思の弱さの問題だと思うようになりました。

あとダイエットに失敗する理由には、ダイエットを始めるタイミングが悪いこともあって ダイエットを始めた時期に 外食が続いてしまったり、2週間ほどダイエットが続いた時には私の誕生日がやってきて、お友達がお祝いの食事会をしてくれて、 「誕生日くらい好きなものを食べないと!」と言われて、ついつい食べ過ぎて体重が戻ってしまいました。
年末や新年は、お酒を飲んだり、ご馳走を食べる機会が多いので、そんな時にダイエットは無理だと思うのですが、 お正月ムードが一段落したら 今度こそしっかりダイエットに取り組みたいと思っていて、 体重を落とすことを新年の目標に掲げています。

そこでYokoさんにアドバイスをお願いしたいのは、 どうしたら意思を強く持って、食欲に負けずにダイエットを成功させることができるかという事です。 ダイエットだけでなく、新年からは他の事でも挫折せずに目標を達成出来るように自分を変えたいと思っています。 私にも出来るような気持ちの切り替え方とか、目標達成のためのテクニックなどがありましたら、アドバイスをしていただきたいです。 よろしくお願いします。

年末のお忙しい時期を迎えますが、お身体に気を付けて、これからも頑張って下さい。

- C -




私の考えでは、人間は生まれつき意思が強い人、弱い人が居る訳ではなく、 意思の強さというのは後天的に身に付くものです。
また”意思の強さ”というのは、他人と比較して強い、弱いが決まるものではなく、 自分自身をコントロールできるか、否かで決まります。 したがって一般的に ”意思の強さ” と考えられているものは、セルフコントロールのことで、 それには単なる制御だけでなく、自分自身をサポートしたり、気分転換をしたり、励ましたりしながら、興味やエネルギー、義務感や使命感、目的達成欲を 持続出来るかも含まれます。

また意思が強いと言われる人は、「自分をコントロールできる」、もしくは「直面している問題を乗り越えられる」という自信を持っている人で、 この自信についても 持って生まれるものではなく、後天的に育まれるものです。 自信というものは自分が抱く迷いや不安を払拭して、物事を乗り切ったり、苦境に打ち勝った経験から身に付くもので、 スポーツ・サイコロジーの世界でも、ピンチに追い込まれた時の粘りや、プレッシャーに押しつぶされることなく自分のベストを出し切れるメンタリティは、 日頃から様々な形で自分の弱さを克服する経験を積み重ねることによって育まれるとされています。

そう考えればCさん1人が特に意志が弱い人間に生まれてきた訳ではないことが理解できるかと思いますが、 要するに人間は皆、基本的には同じ程度の性能の自動車でレースをしているようなものなのです。 それでもレースの勝敗が分かれるのは、ドライバーの運転スキルが異なるからで、 運転のテクニックを身につけたドライバー、車のベスト・パフォーマンスを引き出しながら 理性的にレース展開が出来るドライバーがレースに勝つのです。
ですから、セルフ・コントロールが充実した人生のカギを握っているといっても過言ではありませんし、 それはサイコロジーの世界では立証された事実であったりもします。

メールを拝読した印象では、現時点ではCさんは自分の意思が弱いと決めつけて、それを物事を諦めてしまう理由、物事が達成できない原因と考えて、 意思が弱いうちはアレが出来ない、コレが出来ないと自分の可能性をどんどん閉ざしてしまっています。 それだけでなく、ダイエットをするにも「スタートのタイミングが悪い」、「年末年始はお酒を飲んで、ご馳走を食べるから出来ない」 と、目標を達成できない都合や言い訳を並べてしまっています。
でも外食が続くのでダイエットが出来ないとしたら、ニューヨーカーの殆どはダイエットなど出来ません。 また年末年始にご馳走を食べるオケージョンが増えたとしても、その都度食べる量を決めるのはCさんです。 体重が増えるまで食べなければならない規則などありませんし、誰かが銃やナイフを突きつけて「食べろ」と強制する訳でもないのです。

体重を落としたいという意思や目標があるにも関わらず、それが実現できない理由や誘惑を自分に与えて、 達成を阻んでいるのはCさん自身なのです。 お誕生日の食事1つを例にとっても、「誕生日くらい好きなものを食べないと!」と言われて、好きなものを食べるのは全く問題ありません。 でもそれがきっかけで食べ過ぎて、ダイエットに失敗してしまうのは、Cさんが「誕生日くらい好きなものを食べないと!」というお友達の言葉を、勝手に頭の中で 「誕生日くらい好きなものを沢山 食べないと!」と解釈して、過食にGoサインを出しているからなのです。
そしてどうしてそうなってしまうかと言えば、それはCさんが誘惑や本能的な欲望に対して自分が弱いことを知りながらも、それに無防備であるためです。

人間なのですから、自分のためにならないと承知していても その時々の気分に流されて楽で簡単なこと、楽しいこと、その時々の欲望を満たすことを 選んでしまうのはある程度は仕方がないことです。日頃は自分をコントロールできる人でも、不用意にそうしたオケージョンに出くわした場合は、 誘惑に負けてしまうケースは少なくありません。 そんな誘惑や、自分の目標達成を阻む怠け癖を克服する最も有効な手段は、 自分にチョイスを与えない事です。
例えばエクササイズをする場合でも、「今日か、明日エクササイズをする」と考えて自分に日を選ぶチョイスを与えてしまえば、明日を選んでしまい、 明日になればまた同じ選択をして、結局はやらず終いになってしまいます。でも「今日は何が起こってもエクササイズをする日」と決めて、 「やらない」、「後回しにする」というオプションを取り去ってしまえば、実践する可能性はずっと高まるのです。
人間は小さな選択、無意識のうちにしている選択を含めて1日に数えきれないほどの選択をしていますが、 それが知らず知らずのうちにストレスになっているのは様々な方面から指摘される通りです。 中には自分が食べたいものさえメニューから選べない人も居ます。 すなわち選択という行為は知らず知らずのうちに脳のエネルギーを消耗しているので、チョイスを与えてしまえば それを考えるだけでエネルギーと時間を無駄にしてしまいます。
逆にチョイスを無くして、毎朝歯を磨いたり、顔を洗うのと同様の日課にしてしまえば、自分の意思の強さや弱さを自覚する以前に やると決めたことをこなしているはずなのです。 このように選択の余地をなくしてしまうことは、意思が弱い人であればあるほど、物事を予定通りこなすための有効な手段となります。

ニューヨーカーを相手にしたダイエット・ビジネスの中には、ダイエティシャンが クライアントが外食で出掛けるレストランのメニューの中から、 ダイエットの妨げにならないヘルシーな料理を選ぶサービスを提供しているところもあります。そのクライアント達は レストランでメニューを眺めることもなく、 ダイエティシャンが選んだ料理をそのままオーダーすることによって、外食を続けながらも減量を達成しているのです。

このようにチョイスが無くなれば、決めたことが実行がし易くなりますが、さらにその助けになるのが事前の準備と計画です。 例えば朝、仕事に行く前にエクササイズをする習慣をつけようとした場合、早めにアラームをセットして、前の晩からエクササイズ・ウェアやスニーカーを出しておいたり、 天気や所要時間を考慮して ジムに行くか、屋外を走るかなど、どんなエクササイズをするかまで決めておくことによって、それを実行出来る可能性は驚くほど高まります。
物事を達成しようと思ったら、行き当たりばったりで始めたところで、よほどラッキーでない限りは挫折するのは目に見えています。 事前に計画を立てて、それを実行する一方で 計画を見直したり、改善したりしながら前進することによって 目標に到達したり、物事が達成できたりするものです。 人間は本来は誘惑に弱く、常に強い意思を貫ける訳ではないからこそ、事前のプランや準備というものがとても大切になってきます。
どんなに小さな達成でも、それを積み重ねることによって自信が養われますので、日頃の生活の中で「目標、計画、準備、実行、継続、達成」を繰り返していくことは、 人生を長期的に考えた場合、非常に意味があることなのです。

ダイエットに関して言えば、 朝食抜きにして、低カロリーのランチを持参するなど、どういうやり方が自分のライフスタイルの中で無理なく実践できるかを吟味して、 それを毎日続けるための計画と準備をすることも大切ですが、 そのスタートに当たって、「年が明けたら始める」というように期日を定めてしまうと、「それまでの間に好きなものを食べておこう」という気持ちが高まって、 ダイエットの前に体重を増やす結果になったり、その時の過食が原因で食欲がコントロールできなくなってしまう場合もあります。
ですからスタートの期日を定める場合、それまでの間をダイエットの準備期間と考えて、心の準備をしたり、食べる量を少しずつ減らしたり、 水を沢山飲む習慣をつけたり、エクササイズを一足先に始めるなど、プレダイエット・モードにしておく方が 楽にダイエットが始められますし、 体重が減るペースも早まるはずです。
また、ダイエット中でも週に1度は好きなものを食べる日を作るなどして、計画的に息抜きをする日を設定しておくと、 たまに過食をしても、それがきっかけで脱線することなく ダイエットが続けられる体制になります。

私は太り易い体質なので 趣味のようにいろいろなダイエットを試してきましたが、体重が落とせるか、落とせないか、ダイエットを長く続けられるか否かは、 それに取り組む際の精神状態に掛かっていると思います。 なので恋をしているなど、食べること以外に興味や関心が行っている時はダイエットが非常に簡単ですし、 ストレス・レベルが低い時の方が、ダイエットやエクササイズなど本来自分の身体にとって良い事に対して肯定的な気持ちで取り組むことが出来ます。 逆にストレスレベルが高いと、ダイエットやエクササイズによって惨めな気持ちになったり、悲観的になったり、被害者意識を覚えるケースさえあります。
そんな時には無理に自分をプッシュするよりも、「食べ過ぎないようにする」、「砂糖を控える」というようにハードルを低くして、 それを無理なく続ける方が、ダイエットに取り組んでは過食をして挫折するよりも建設的で健康的なアプローチです。

いずれにしても よほど痩せ過ぎな人でない限りは、体重を落とすと 身体も気分も軽くなって、ハッピーで前向きになります。 ですから食欲を満たすことによって得られる刹那的なハピネスよりも、食欲を理性的にコントロールして得られるハピネスの方が 遥かに大きいと考えて、ダイエットに取り組んで頂くのが良いかと思います。 Good Luck!

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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