Oct. Week 1, 2016
★ " It was't My Fault!"
ケーキ屋さんが誕生日ケーキの名前を間違えて…


秋山 曜子さま、
よくお買い物をしているのですが、このコーナーには初めてメールをします。
いつもサイトを楽しませていただいています。ありがとうございます。

私も迷った挙句、アドバイスをいただきたいことがあります。 よろしくお願いします。
先日、お友達のまだ小さな娘さんの誕生日のお祝いがあって、私がケーキを持っていくことになりました。 ケーキは予めデザインが決まっていて、チョコレートのプレートに名前とメッセージを入れてくれることになっていて、 「お誕生日おめでとう」という言葉と、お嬢さんの名前を入れてもらうように私が電話で頼んで、お祝いの当日にとお友達がピックアップしてきてくれました。

ケーキはお祝いのメイン・イベントのような感じになっていて、お嬢さんも楽しみにしていて、ロウソクを立てて いざお祝いしようとした時に、 ロウソクに火をつけていた友達が、びっくりして苦笑いをしながら、隣に立っていた友達とヒソヒソ話を始めて、 どうしたのかと思ったら、お嬢さんの名前が1文字間違っていて、すごい言葉になっていたので 私はびっくりして凍り付いてしまいました。
それを見て呆れる人もいれば、笑う人もいたのですが、そのまま写真を撮るわけにはいかないので、プレートをはずそうとしたらお嬢さんが嫌がって泣き出してしまい、 プレートの間違ったところをナイフで削って、ケーキに付け直したのですが ちょっとした騒ぎになってしまいました。 私は、恥ずかしかったのでケーキ屋さんに間違った名前のチョコレート・プレートの写真を撮って送って文句を言って、ケーキ屋さんは当たり前ですが恐縮して、ケーキ代を半分返してくれました。
でもその席にいたもう少し大きい子供たちが、その言葉を大声で連発し始めて、その場がゴタゴタしてしまったこともあって、友達は私に対して気分を害していて、翌日謝りのメールをしたのですが、以来連絡がありません。 私がピックアップをすれば、間違いに気づいたかもしれないのですが、友達に任せてしまったので事前に間違いに気づくチャンスを逸してしまいました。

私は、早くこのことを忘れたい気持ちで一杯だったのですが、以来この事件は話のネタになってしまったようで、共通の友達で私がそのケーキをオーダーしたと知らない人からも 災難話として この時の話をされて、ドキッとしてしまいました。
でもケーキのプレートを間違えたのはケーキ屋さんで、私ではありません。 間違えた言葉を大声で連発してはしゃいでいたのは そこに来ていた友達のお子さんたちで、私ではありません。子供たちはプレートに書いていなかったらそんなことは言わないと思いますが、 だからといって私が責められるべきではないと思うのですが…。
その場に居合わせた友達は 私のせいじゃないと理解を示してくれていますが、それでもこの事件を話題にして笑っていたりします。 そんな風に笑い話になっているせいで、娘さんがお誕生日会をした友達の私に対する気持ちは収まらないようで、 私もそれを感じるので気分が悪い思いをしています。 どうしたらそういう気持ちを処理出来て、どうやったらこの出来事を過去のものにできるかについて、何かアドバイスをしていただけると嬉しいです。
このコーナーに寄せられる他の方たちの悩みほどは 深刻な悩みに聞こえないかもしれませんが、私も罪悪感で苦しんでいるので どうかよろしくお願いします。
これからもずっとキューブさんの応援と素敵な商品のショッピングを続けますので、頑張ってください!

- H -




Hさんに起こったと同様のことは、アメリカでも決して珍しいことではなくて、 インターネット上には、そんなバースデー・ケーキのミス・スぺルの例や、 ケーキのデコレーションの指示を勘違いしたパティシエの失敗ぶりが頻繁にポストされています。

例えば写真上は、おそらく双子など2人のバースデーを祝うためにオーダーされた2つのケーキですが、 オーダーする側は、どちらのケーキにもHappy Birthdayと入れてもらおうと思って、 「Happy Birthday on Both」と指示をしたところ、両方のケーキにその通りの文字が書かれてしまったという例。

写真下上段左は、「Happy Birthday in French」と書かれていますが、これはオーダーした人が書いて欲しかったのは 「Bon Anniversaire」というフランス語のHappy Birthday。そのため「フランス語でHappy Birthday」という指示を出したところ、 それがそのまま書かれたという例。

写真下上段右は、「Happy Birthday Mark with the Sea」と意味が分からないメッセージが書かれていますが、 おそらくこのケーキのオーダーは電話で行われたもので、オーダーした人は「Happy Birthday Marc」とケーキに書いて欲しかったために、 ”マーク”という名前のスペルのラストが ”K” ではなく ”C” だということを伝えるために「With C」 と言ったのを、「With the Sea」と勘違いされたのがこのケース。



写真上下段左は、バースデーのメッセージをインターネットのフォームから書き込んでコミュニケーション・ミスが起こった例。 ケーキには「ハッピー・バースデー、ディック!ハハハ、そう書くなよ、彼の名前はマット!」と書いてありますが、 ディックは人の名前であると同時に、男性の性器を示す言葉で 男性を侮蔑する表現にも使われるもの。 オーダーする側は単に「ハッピー・バースデー、マット!」と書いて欲しかっただけで、余計なジョークをフォームに書いたために、 それがそのままケーキに書かれてしまった例。

私が一番びっくりしたのは その隣のUBSドライブが描かれたケーキで、画像にも書いてある通り UBSドライブの(中に入っている)写真を ケーキの上にプリントしてもらおうとしたところ、UBSドライブ本体の写真がケーキにプリントされてきたというもの。

アメリカでは、ありとあらゆるスペシャル・オケージョンでケーキをオーダーするので、こうしたミスは日常茶飯事に起こっているようで、 それを専門に扱うウェブサイトさえ存在するほどです。 もちろんケーキをオーダーした人は、これらのケーキを受け取って 最初は唖然としたり、頭に来たりするようですが、直ぐに笑い飛ばしているわけで、 そういう陰湿さのない割り切りや 開き直りは、見習うべきだと思います。

バースデーを主宰したお友達にしてみれば、可愛いお嬢さんのバースデーの大切なケーキ、そして写真に撮って残したかったキャンドル・セレモニーだったと思いますが、 人生にはこうしたアクシデントが付き物なのです。 私も幼いころを振り返って、楽しいはずの1日が脱線した思い出はいくつかありますが、それはそれで構わないのです。
親にとっても、子にとっても、「生きていればいろいろなことが起こる」ということが心に残る方が、 ごく普通にお祝いして終わっただけのバースデーより意義深かったかもしれないのです。

Hさんは、お友達がこの出来事を話題にしていることで 罪悪感を新たにしていらっしゃるようですが、 ご自身もメールに書いていらっしゃる通り、それはHさんの責任では無く、Hさんとて被害者なのですから 罪悪感を抱く必要はそもそも無いのです。 バースデーを主宰したお友達がHさんに対して気分を害していらっしゃるのも、ひょっとしたらHさんが「自分が悪かった」という態度をその場で見せて、 謝罪のメールを送付したからかもしれません。人間というのは 謝る人に責任があると思い込むところがありますので、 このケースでHさんに非があるとすれば、ご自身が悪いわけではないのに謝ってしまったことだと思います。
「自分でケーキをピックアップをして、名前を確認していれば」というお気持ちがあるかもしれませんが、 これはケーキ店さえしっかりしていれば、起こらなかったトラブルです。 Hさんは、ケーキ店に責任があると思われたからこそ、ケーキ店に写真を送付して返金をしてもらったのですから、 バースデーを主宰したお友達にも、ミスをしたのはケーキ店で、Hさんもこの間違いの被害者であったということを明確にしておくべきだったかと思います。

この類のトラブルは、誰かが怪我をするなどの危険を招いたわけでもなく、物理的なダメージなどもなく、 気持ちの整理の問題なので、相手が気分を害している時に余計な事をせず、冷却期間を置いて、 先方の気持ちが収まったところでアプローチするのが適切で、効果的です。 お友達とて、頭を冷やせば これがHさんのせいではないことは理解できるはずです。
その一方で、Hさんにはアメリカの例を見て ケーキのオーダーでとんでもないミスが起こっても、 笑い飛ばすような強さを持っていただきたいと思います。 そのためには、お友達がこのトラブルを話題にするのを肩身が狭いを思いをして聞いているのではなく、 Hさん側のストーリーをユーモアのセンスを盛り込んでお友達に話してみるべきなのです。 このトラブルを話題にするお友達が求めているのはエンターテイメントですので、 ケーキをオーダーしたHさんが、チョコレート・プレートの文字を見て凍り付いた状況などを 面白おかしく、オープンに話すことで、罪悪感やこのトラブルでもたらされた気分の悪さを払拭できるはずです。
その際、バースデーを主宰したお友達や娘さん、その場にいらしたお友達やそのお子さんなどの 心情やプライドを傷つけるようなことは言わないように、細心の注意を払ってください。

今回のことに限らず、この先も誤解や行き違いで自分は悪くないのに責められたり、 気分が悪い思いをすることがあるかもしれませんが、 周囲の人々が噂話よりも興味を示すのが当事者の話です。
その意味で、当事者には情報をコントロールするパワーがありますが、 その当事者の話を周囲が鵜呑みにするか否かは、 話の信ぴょう性よりも、その当事者の話術にあります。 出来事を上手く消化して、ユーモアを交えて客観的に語ることができれば、 周囲の理解と支持を得ることが可能なのです。 そしてそんな話術同様に大切なのが、当事者がそのストーリーを語るタイミングです。 あまり早く出て行き過ぎると、自分をよく見せるための根回しだと思われます。
事実というのは、常に後から浮上してくるイメージがありますので、 自分サイドのストーリーは、噂話や自分を批判する人の言い分が 一段落してからの方が効果的であるということも覚えておくと良いかもしれません。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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