Aug. Week 4, 2016
★ " My Friends Keep Dumping Their Problems On Me! "
友達の問題の聞き役でストレスが溜まっています


秋山さま、
このコーナーやCube New Yorkのウェブサイトを愛読しているファンの1人です。いつもいろいろな方の悩み事に適格にお答えされている秋山さんの文章を毎週とても楽しみにしていて、キャッチ・オブ・ザ・ウィークのコーナーとともに更新を心待ちにしています。

実は私も友達の悩み事の聞き役になることが多く、私の場合、秋山さんのように素晴らしいアドバイスができないので、もっぱら友達の問題や悩みを聞いて、同情したり、時に驚いたり、呆れたりしています。 私が聞かされる悩み事は、ご主人の浮気や頼りなさ、職場の人間関係、義理の親との関係などが多いのですが、悩み事と言いながらも結局は愚痴なので、話を聞かされた後はグッタリ疲れたり、ストレスをもらってっきたような感触を味わいます。
でも話した友達は、「聞いてもらって少し楽になった」とか、「やっぱり自分の中に貯めておかないで発散しないとダメよね」などと言って、私とは正反対の様子を見せるので、おそらく友達の問題やストレスのおすそ分けを私がもらったことになっているのだと思います。私も最初のうちは、友達の役に立てているは良いことかと思っていたのですが、いつも愚痴ばかりを聞かされる友達から「そろそろストレスが溜まってきたから、会わない?」などと言われると、気がめいってしまいます。 話題をそらそうとしても、すぐに愚痴に戻ってしまうので 今日こそは違う話をしようとしても愚痴られてしまいます。

私はこのコーナーに相談事を寄せられる方たちのメールを読んで、その大変そうな様子を垣間見ながら、秋山さんのアドバイスを読んで安心したり、心が晴れたりする思いをすることが多いのですが、秋山さんご自身はこのコーナーの皆さんの悩みや相談事を読んだ時に、どんな風に対処しているのでしょうか?ご相談からくるストレスをどうやって解消しているのかを伺って参考にできたらと思ってメールをしています。

私の場合、友達の愚痴など聞かなければ良いだけなのですが、いつも気が付くと愚痴られる立場なので、出来ればそれも改善できたら嬉しいのですが。 秋山さんと同じように考えたりは無理かもしれませんが、何かアドバイスを頂けたらすっごく嬉しいです。 よろしくお願いします。
このコーナーがとにかく好きなので、ずっと続けてください。

- H -




人の悩みや問題を聞くというのは、アメリカではセラピストが時給500ドル以上でやっていることなので、そう簡単なことでは無いのは私にもよく理解できます。
人間は話しているうちに解決法やアイデアを見出す場合もあって、そこから生まれたのが ”対話法”というものですが、誰かに悩みや問題を聞いてもらうというのは実際に物事の解決になったり、その問題や悩み事を別の角度から見直すきっかけになったりもします。本人の話を聞きながら そういった解決や改善、気分転換に導くのが高額を支払って受けるうセラピーというものですが、セラピストもピンキリなので 逆にセッションの後に落ち込んだりフラストレーションを感じるケースもあるようです。

Hさんの場合、お友達が悩みや問題を話したがるというのは Hさんが面倒見が良く、優しい人柄でいらっしゃることもあると思うのですが、会話の手法が聞き役に適した受け身の スタイルでいらっしゃるものとお察しします。 会話の聞き役になれる人というのは 人望が厚い場合が多く、精神的にも穏やかで、言葉は少なくても適格な指摘が出来る傾向にあります。でもそれを利用して自分のストレスの吐き出し口として使う人や、何か嫌な事があるたびに駆け込み寺のように使う人はどうしても出てきますので、真面目に聞いてあげればあげるほど、お友達のストレスをもらい受けているような状態になるのは無理もないことと思います。
さらに会話力に乏しい人の中には、いつも同じ悩み事を愚痴っては 人に同情してもらうということで、自分が話題や話術に乏しくても 自分中心の会話が続くことを好む人も居ますが、そんな人との会話は時間と労力の無駄以外の何物でもありません。

私はテニスをするせいか、会話というのはテニスみたいなものだと考えていますが、ボールのスピードや強さに関わらず、打ち易いボールを打ってくれる相手とプレーをしている時はラリーが続いて、しかも気分良くプレーができるものなのです。Hさんの場合、愚痴を言いたいお友達にとっての格好のテニスの相手になってしまっている訳で、 「話題を変えようとしても、すぐに愚痴に戻されてしまう」とメールに書いていらっしゃいましたが、愚痴の会話ラリーを続けたくない場合には、相手が打ち返せないボール、打ち返し難いボールで応戦するのが一番なのです。

もう何年も前のことですが、私の知り合いの女性が、会うたびに彼女が当時好きだった男性について、同じことを繰り返し、繰り返し言っていたことがありました。「こんなことがあったんだけれど、私、彼に遊ばれているのかな〜」というのが彼女の決まり文句で、最初は私や別の友達も彼女が言うことを大人しく聞いて、心優しい友達は「彼はこう考えて、そういったんじゃないの?」などとアドバイスをしていましたが だんだん皆ウンザリしてきていました。 ある時、日頃より高いグルメ・レストランで女友達4人が集まった時に、彼女がまたしても「私、彼に遊ばれているのかな〜」という話を持ち出してきたので、この時ばかりは、私を含む残りの3人が口々に「もう3カ月以上も同じことを言い続けているっていうことは進展が無い訳だから、遊ばれていないとしても縁が無いんじゃない」とはっきり言ってしまいました。彼女がその場で、日頃と異なるリアクションに驚いた顔をしたのを今でも覚えていますが、その日以降は二度と「私、彼に遊ばれているのかな〜」というエピソードを彼女から聞くことは無くなりました。
友達の中には「彼女が好きな男性のことをのろ気たいと思っていた」という見方がありましたが、私の見解はちょっと違っていて 「私、彼に遊ばれているのかな〜」と女友達が恋愛の問題を持ち出して来れば、内心はどうあれ「そんなことないわよ」と言って慰めたり、勇気づけるのが女性の交友関係というものなので、彼女は周囲にそう言ってもらうことによって 自分の進展しない恋愛関係がこれから花開くかのような希望や期待感を味わいたいのだろうと思って見ていました。

このエピソードの場合、愚痴ではありませんでしたが、聞かされる側がウンザリするという点では愚痴と同じでしたし、好きな男性の話を何度もする女性が求めていたのは自分の心を満たしてくれるリアクションで、それもHさんに悩みや問題を愚痴るお友達と同様だと思います。Hさんのお友達の場合も、Hさんが同情してくれたり、励ましてくれたり、自分の辛い立場を理解して、その中で何とかやっていることを褒めてくれたりすることを期待して話していることと思います。
もちろん、本当に友達が辛い思いをしている場合には、そうやって友達を励まして、気分を軽くしてあげることは友達としてやってあげるべき事ですし、それが友情というものです。でも自分がその問題に何の策も講じることもなく、ストレスが溜まったときだけ、友達のサポートや励ましをATMから現金を引き出すような感じで求める人というのは、話を親身になって聞いてあげるに値しないケースが多いのです。
そういう人はHさんが愚痴や悩みを聞かなくなれば、また別の新しい聞き役を探すだけですから、早くお役御免になった方が Hさんも心豊かに過ごせると思います。

そのためには、愚痴がスタートした時に話題を変えるよりも、それ以上愚痴られないように対応しなければなりません。
「Hさんに愚痴ったところで、問題の解決にはならないことを理解しているか?」、「Hさんよりも、直接問題に関わる人や問題の解決につながる人に相談したか?」、 「問題や悩みを解決するために何をしたか?、しているか?」、 「解決できない問題の場合、少なくとも自分の気分転換のための努力をしているか?」、 そして「悩み事は、聞かされる側にとってもストレスになることを考えたことがあるか?」等を、はっきり訊いてみるべきです。
また、「そろそろストレスが溜まってきたから、会わない?」とお友達が言って来たら、「今は友達のストレスを引き受けられる状態じゃないから、遠慮しておく」と、 誘いを断ってみるのも手です。人によっては、自分にストレスが溜まっていると、他の人の生活にでもストレスがあることを忘れていたり、自分の目から幸せに見える人は 悩み事など無いものと思い込んでいるケースもあります。ですから、Hさんとてストレスがあることを相手にリマインドするのは大切なことです。

私自身の場合、幸いこのコーナーや少し前にスタートしたプライベート・セッションにご相談を下さる方々は 私に愚痴りたい訳ではなく、アドバイスをして欲しいという気持ちで 悩み事や問題を説明してくださるので、私のそれらに対するアプローチも その解決法の模索に絞られるので、 頂くご相談が私のストレスやジレンマ、フラストレーションになることはありません。
逆に頂いたメールへのアドバイスを考えているうちに、自分自身が前向きになったり、自分の過去の間違いに気付いたり、自分を取り巻く環境や自分の家族や友人への感謝の気持ちを新たにすることが非常に多いので、これは私にとってのセラピーや勉強でもあると思ってこのコーナーを続けています。
ですので、Hさんも何か目標や目的を持ってお友達の悩み事を聞く場合には、現在感じていらっしゃるようなストレスや、悩みを押し付けられているような気分を味わうことは無いかもしれません。

いずれにしても お友達から悩みや問題を聞かされても、それらがHさんの問題になる訳ではありませんので、それをストレスとして貰い受けないようにする気持ちの切り替えを学ぶことはとても大切です。 それさえ学べば、Hさん自身がストレスフルな状況に陥った時に 気持ちの切り替えや息抜きをしながら、自分を追い詰めることなく乗り切ることが出来るはずですので、Hさんが周囲に愚痴って迷惑をかけるようなことは起こらないものと思います。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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