Aug. Week 3, 2016
★ " How to Deal with Selfish Friend "
身勝手な友達との付き合い方?


秋山曜子さま、 初めまして。このコーナーを毎週愛読している秋山さんのファンで、キューブさんのサイトも毎日のようにお邪魔しています。 私も是非秋山さんにアドバイスをいただきたいと思ってメールをしています。 お忙しいかもしれませんが、よろしくお願いします。

先日、友達のAさんがある写真を撮影しなければならなくなり、その小道具を探していました。 私はそれを持っていなかったのですが、友達のBさんが持っているのを知っていたので、借りられるかどうかを訊いてあげることになりました。
でもBさんに話すと、「頻度は少ないけれど仕事で使うし、壊れそうな状態だから、借りても役に立たないと思う」と気乗りがしない様子だったので、 その小道具を売っているウェブサイトを教えもらって Aさんに伝えました。それほど高い物ではなさそうだったので、 私はAさんが自分で買うかと思っていたのですが、撮影の時の1度しか使うチャンスが無い小道具を 買いたくないと言って、 私からBさんを説得してくれないかと言ってきました。
それで私から再びBさんに頼みこんで、何とか貸してもらえることになりましたが、Bさんが気乗りがしていないのが分かったので、 私からお礼にランチををご馳走すると言いましたし、当然Aさんもお礼をしてくれると思っていました。

小道具を借りに行くのはAさんから直接Bさんに連絡を取ってもらって、Aさんが車でBさん宅に行って、 撮影が終わったら返却ということになっていました。すると戻ってきた小道具を受け取ったBさんから、 小道具が破損して戻ったことを知らされました。
「壊れそうだったけれど、本当に壊して返してきた」のだそうで、慌ててAさんに連絡を取ったところ、 「あなたが借りる前から壊れているって言っていたじゃない。私が壊したんじゃないわよ」といって、自分に責任がないという言い分でした。 私は Bさんに言われた通り、「壊れそう」とは言いましたが、「壊れている」 とは誓って言っていません。 でもAさんは勝手に勘違いして、お詫びもしなければ、 借りたお礼も口で言っただけで、私には小道具が壊れていたので 使い難かったなどと愚痴る始末でした。

私はBさんに悪いと思ったので、話し合って修理代を 私からAさんに請求するということになりました。 それとは別に私からBさんにはお詫びとお礼で、食事をご馳走する約束をして、最初はランチをご馳走するつもりだったのですが、 Aさんのせいで、それがディナーになってしまったと思っていました。
Aさんに修理代の話をしたところ、「最初から壊れていた物の修理代を私が払うの?」、「そんなお金を払うくらいだったら最初から自分で買った方が楽だった」 などと言って、支払いを拒まれてしまい、結局、大した金額ではないですが修理代も私が払い、 Bさんへのお礼も私だけが食事をご馳走するという形ですることになってしまいました。

こういう時は私はAさんに修理代を支払わせるためにどうすれば良かったのでしょうか。 Aさんはちょっと身勝手で、物事を自分の思い通りにしてしまうところがありますが、 悪い人ではなくて、ここしばらく仲良くしてきた人です。
BさんとはAさんは、今回小道具を借りるために初めて会ったのですが、2人はお互いに友達になれるタイプとは思わなかったようです。 Aさんが修理代の支払いを断ってきたのは、2人が会ったときのBさんの印象が良くなかったからかもしれないのですが、 それでも私が間に入って、せっかく小道具を借りて、感謝されても不思議ではないのに、私ひとりの出費が嵩むのはあまり納得できません。
Aさんにあらかじめ、壊れたら弁償するように言っておかなかったのがいけなかったのかとも思ったのですが、 そのくらいは大人だったら常識で分かるものではないかと思っています。 今後もこんなことがあったら、Aさんとは友達でいられないと思うので、 彼女みたいな友達との付き合いを学ぶ意味でも、何かアドバイスを頂けないでしょうか?
よろしくお願いします。 これからも ずっとこのコーナーや、キャッチ・オブ・ザ・ウィークのコラムを楽しみにしています。

- K -




私は 物でもお金でも、極力 友達と貸し借りをしないようにするように心掛けていて、もし借りた場合には 出来る限り直ぐ返すこと、 逆に貸す場合は最悪の場合を想定して、戻ってこなくても諦められるような状況で貸すようにします。 それほど、金品の貸し借りというのは友情にヒビが入る原因になりうるものなのです。
そして友達との金品の貸し借り以上に避けなければならないのが、その”また貸し”、”また借り”です。

Kさんがご相談下さった状況を複雑にしているのは、当人同士の貸し借りではなく、お互いを知らない者同士の間にKさんが介入した貸借であるという部分です。
Kさんが優しい気持ちでお友達の面倒を見てあげようとするお気持ちは理解できるのですが、 この場合、Aさんに良くして上げようとする行為は、同時に Bさんに気乗りがしないことを押し付けている訳ですので 単なる友達への親切心とは言えない部分があります。 この問題は、Aさんが探している小道具を Kさんが持っていなかった時点で 本来終わるべきだったのです。 したがって、Kさんが自分が所有している訳ではないBさんの小道具のレンタルを Aさんにオファーすること自体が 既に間違いだったのです。

もちろんAさんが探しているものを、Bさんがたまたま処分したがっていた場合でしたら お二人を繋ぐ行為は親切です。
でもBさんが気乗りがせず 一度は断ってきた話しを、Aさんに頼まれたからといって 再び食い下がって 借りてしまうというのは、 友達のためにしてあげる行為としては、”やり過ぎ”、”行き過ぎ”と判断されるものです。
もしAさんとBさんが既に友達同士で、当人同士の間で小道具の貸借が話し合われた場合は、 Bさんが貸さずに終わっていたか、もしくはAさんが借りた小道具の状況を誤解することなく、 破損の際の責任の所在も明らかになっていたはずです。

また自分と仲が良い友達、もしくは信頼する友達が 自分から借りた物を破損してしまうのと、 友達を通じて無理やり頼まれた初対面の人が破損するのでは、貸して破損された側の気持ちも大きく異なります。 人間性を良く知る友達が破損してしまった場合は 「それなりの理由があったのだろう」と理解を示せるかもしれませんが、 全く知らない人間が どんな風に扱ったか分からない状態で破損したという場合は、 気分が悪くなっても不思議ではありませんし、人間心理というのはそういうものなのです。

でも私がこのケースで興味深いと思ったのは、何故KさんがAさんのことをそこまで優遇するのかという点でした。
Aさんに小道具について訊ねられて、ただ断れば良かっただけのところを、それを持っているBさんから借りようとして、 Bさんが断っているのに、Aさんに頼まれて 再びBさんを説得しただけでなく、Aさんが破損したダメージをBさんと交渉して、 Aさんが払いたくないと言えば、今度はAさんに代わってそれを支払うというのは、まるで我が子を思う母親のような世話焼きぶりです。 Aさんが修理代を支払いたくない理由についても、Aさんがクリアに彼女の言い分を述べているにもかかわらず、 「Aさんが修理代の支払いを断ってきたのは、2人が会ったときのBさんの印象が良くなかったからかもしれないのですが」と Aさんの味方をするような言い訳を Kさんがご自身ででっち上げていました。

そのAさんの人柄については 「ちょっと身勝手で、物事を自分の思い通りにしてしまうところがありますが、 悪い人ではなくて、ここしばらく仲良くしてきた人です」とのご説明がありましたが、 私がKさんのメールから受けた印象は、Kさんが Aさんのとの友達関係に問題を感じていながらも、 それを自分の中で割り切ることによって友達関係を続けようと努力しているというものでした。
「今後もこんなことがあったら、Aさんとは友達でいられないと思うので…」と書いていらっしゃいましたが、 既にAさんのことを 「ちょっと身勝手で、物事を自分の思い通りにしてしまう」と考えるKさんは、 Aさんのせいで迷惑を被ったのが これが初めてではないとお察しします。
Kさんは そんなAさんのためにBさんに迷惑をかけて、その事後処理をさせられて、さらに「この先もお友達でいるため、 そしてAさんのようなお友達と付き合っていくためのアドバイス」を求めていらした訳ですが、 私の考えでは Aさんとはこの先 お友達でいる必要は無いと思いますし、”Aさんのようなお友達”というのは 親しいお付き合いを避けるべき存在です。

以前のこのコーナーにも書きましたが、交友関係というものは毒にも薬にもなるものです。 人間は毒になる交友関係を、それと気づかず自分の生活の中に受け入れている場合が少なくありません。 でもそういう人達を友達と信じて付き合っていると、余計な時間や労力を費やして、ストレスを溜めるけで、 何も良いことはないのです。
恐らく Kさんが「身勝手で、物事を自分の思い通りにしてしまう」と考えるAさんのことを 「悪い人ではない」と思ってお友達付き合いしている背景には、 嫌な思いをさせられても 後からAさんがKさんに対して 何らかのダメージ・コントロールをしてきて、 それが功を奏している結果とお察しします。 それはAさんがKさんのことを役に立つ存在と思って利用しているということかもしれませんし、 そうでなければ 「Kさんが離れていったら、自分のために尽くしてくれる友達が居ない」とAさんが自ら悟ってのことかも知れません。

でも友達というのは 同等の関係であるべきで、どちらかの持ち出しが多い関係には長い友情は育ちません。 Aさんもメールの中で Kさんのことを「ここしばらく仲良くしてきた人」という表現をしていらしたので、 それほど長い交友関係ではないとお察ししましたが、 そんな長い友達関係ではないにもかかわらず、Kさんは ”ここしばらくの間”、Aさんのために随分お世話を焼いてきたのではないかと思います。
もしそうだとすれば、Aさんには Kさんを惹き付ける魅力や、自分の考えに巻き込む強さなどがあるのかも知れません。 そうでなければ、Kさんは ”Aさんに信頼される友達” というポジションを 何らかのステータスだと思い込んでいるのかも知れません。 でもそれは決して良い友達という意味ではありません。

そもそもKさんとて、”物のまた貸し”がトラブルの原因になることくらいは、私に言われるまでもなく 分かっていたことと思います。 それを頼んできたのがAさんであったために、余計な努力をして 後悔をする結果を招いてしまった訳ですが、 そんな自分が本来だったらしないようなことを やらされてしまうような友達というのは、 まともな高校生が悪友と付き合ううちに非行に走るのと同様に、交友関係を続けることによって それまでKさんが仲良くしてきたお友達からの信頼を失うリスクをもたらすのです。

本当の友達というのは 同等の関係で、 自分らしく振舞いながら仲良く、楽しくやってける人であって、 自分が一方的に尽くしたり、主張や考えを曲げながら、無理に合わせていかなければならない人ではありません。
それを頭に入れて、今一度ご自身の交友関係の中で友達というものを考え直してみることをお薦めします。 Kさんは 常識もあり、お友達思いで しっかりした考えの持ち主なのですから、 不本意な友情にしがみつかなくても、お友達は沢山居ると思いますし、その方達とストレス・フリーな 交友関係を楽しく続けていけるものと私は思います。

Yoko Akiyama

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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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