Aug Week 1 2017
★ "How To Use Fortune Telling"
"占いに人生を左右されている気がしています"



秋山さま、
数週間前に友人に薦められて、初めてキューブ・ニューヨークさんのサイトにお邪魔しました。
特に友人が薦めてくれたのがこのコーナーで、どんどん遡ってアドバイスを読ませて頂くうちに是非私もアドバイスをお願いしたいと思ってメールをしています。よろしくお願いします。

昨年春に結婚間近だった男性との別れを経験して、うつ病になるのではないかと思うほどに落ち込んでしまい、周囲にも心配されました。 そんな時に友人の1人が連れて行ってくれたのが非常に当たると言われる占いで、その占い師に言われたことが本当に心に染み渡って とても救われた気がしました。 ですがその時に言われた具体的なことは全く実現しなくて、もう一度その占い師を訪ねたところ、私の考えの間違いや甘えを指摘されて、その通りと思って 再び気持ちと希望を新たにしました。ところがその直後にまた落ち込む事が起こり、その占い師の言う事と正反対になってしまったため、別の友達にその事を愚痴ってしまったところ、 その友達から「あの占い師じゃだめ、この人の方がずっと当たる」と言われて別の占い師のところに連れて行かれました。

その占い師は自分の将来に待っている幸運について教えてくれて、その幸運を招き入れるための色や、今の私の身体の中を浄化するための方法などを教えてくれる人で、 その時は本当に納得して、薦められた色の物を買って帰り、言われた通りの習慣を始めて最初は良くなったように思ったのですが、 だんだんと虚しさや精神的な落ち込みがどんどん酷くなる思いを経験しました。
自分ではどうにもならないような気がしていた時にこのコーナーを友達に教わって、私が占い師を訪ねたのと同じような理由で皆さんが悩んでいる様子や、 それに的確なアドバイスをしている秋山さんの様子を読んで心から感銘を受けたのですが、その中で秋山さんのお母様が占い師だと書いていらっしゃるのを何度も目にしました。 失恋以来、占いにコントロールされるような状況だったので それを抜け出したいと思っていましたが、秋山さんのようなアドバイスをする方のお母様が 占い師で、秋山さんがお母様からのアドバイスを生かしている様子を感じること、 そして自分が失恋して落ち込んでいた時に占い師に励まされたことを思い出して、 占いも使い方によっては悪くはないのかと思ったりして、占いについて考えると混乱する毎日です。

秋山さんはお母様の占いのアドバイスをどんな風に受け入れていらっしゃるのでしょうか。占いにコントロールされずに、占いを生かす方法というのを 教えて頂けたらと思ってメールをしています。 自分が弱いので、将来の事を知っておくのがとても大切な私にとって、占いが人生から切り離せないように思うのですが、 だからといって今までみたいに占いにコントロールはされたくありません。
情けない質問かもしれませんが、どうかよろしくお願いします。今後の益々のご活躍をお祈りしています。

-A-





Aさんのご指摘通り、私の母は占い師で 私は母から沢山のことを学びましたし、今も母から受けるアドバイスはいつも心に留めています。 でも一言に占いと言っても様々なものがあって、特に占いというものが盛んに商業ベースで営まれている現在の日本の状況を見ると、 私が信じて、人生の指針にしている母の占いと、Aさんがアドバイスを求めた占い師による占いというのは別物だと私は考えています。

母の占いは中核になるのが四柱推命ですが、四柱推命というのは占いのメソッドというより、中国で4000年とも5000年とも言われる歴史の中で育まれてきた運勢の学問です。 もちろん四柱推命とて現在では短絡的な解釈でコマーシャル化する傾向があるので、四柱推命をやっている占い師が必ずしも信頼できる訳ではありません。 ですが四柱推命を勉強したことがあれば、人間が生まれた時点でその運勢がどう展開するかが予め決まっていることは学んでいるはずです。 盛運期を早く迎える人も居れば、晩年運の人も居ますし、生まれながら持つ能力や外観の魅力なども全て生まれた時の星の配置に現れています。
人生の中で苦しい時期が何時やってきて 何時終わるかが分かると、辛い時期が乗り越え易くなるだけでなく、そこで様々なことを学んで、 それを盛運期に生かすことが出来ます。また盛運期がいつやってくるかを理解していれば、そこで勝算の大きな賭けに出ることも出来ますし、 運の後押しで偉業をを成し遂げることが出来たりもします。 逆にそれを知らずに生きている人は 衰運期で自分と相性が悪い相手と結婚してしまい、せっかくの盛運期をその相手とやっとのことで離婚するだけに費やしてしまうケースもありますし、 晩年の盛運期を若い頃から続けた不摂生が原因の心臓病や糖尿病などで生かしきれない人も居ます。
自分の能力についても、早くからそれを悟っていれば、自分に足りない能力をパートナーシップやアウトソーシングで補って、 自分の本来やるべき事に専念することが出来る訳で、自分の人生のブループリントを四柱推命によって把握することは 人生における大きなアドバンテージになるのです。

ここで勘違いしてはいけないのは、運勢の展開と人生のスケールや豊かさが全く別物だということです。 四柱推命のチャート上でどんなに恵まれた運勢で生まれてきたとしても、極めて平凡な人生を送る人も居れば 「こんなに悪い運勢で どうやってここまで…」と思うようなサクセスを収める人も居ます。実際に世の中の成功者の中には、むしろそういう人の方が多かったりします。 すなわち大切なのは恵まれた星の下に生まれることよりも、与えられた運気の中で人生を上手くナビゲートすることなのです。
占いなど信じないような強気で猛烈な実業家でも、ある程度人生経験を積んで 自分の力以外のものに人生が影響されていることを悟ると 占いを取り入れるケースは多く、 故スティーブ・ジョブスを始め、ありとあらゆる実業家や政治家が占い師や、スピリチャル・アドバイザーに何等かの指南を受けていますが、 そうした人々にアドバイスをする占い師は決して「この色を身に着けるように」といったアドバイスはしないものです。

私の母の占いは、一生の運勢の流れを10年単位で分析して、人生全体の展開を把握するところから始まっていて、 私はそれを人生の羅針盤と思って使ってきました。 私自身も占いを少しずつ勉強していますが、占いはあくまで自分が生きるための道具や知恵、学問であって、 自分の人生が占いによって決定するものだと思ったこともありません。
占いの本質を理解していない人ほど、占いというものが近い将来の自分に何が起こって、自分がどうなるかを教えてくれるものだと勘違いしてしまう傾向にありますが、 それを正確に言い当てるのはサイキックの仕事だと私は考えています。というのも私自身がもう何年も前の事ですが、私のことを何一つ知らないサイキックに その数週間後に起こったことをズバリと言い当てられた経験があるためです。
もし「自分が弱いから 将来を見越しておくことが大切」とお考えのAさんが、そんな近い将来の予告を占いに求めていらっしゃるのであれば、 占いにコントロールされるような人生になってしまうのは避けられないように思います。 TVドラマでも、映画でも「結末を先に知りたい」というのがどんな状況かを考えてみて下さい。 私が結末を先に読んでしまう映画は、ちょっと興味はあるけれどお金や時間を費やして観るほどの価値が無いと思う作品ですし、 友人の中にはハラハラするプレッシャーを嫌ってドラマやスポーツの試合の結果を知ってからでないと観ない人が居ます。 人生もそれと同じで、プロセスに価値を見い出さずに結果だけを求める場合、プロセスを必要以上に恐れて 楽しむことが出来ない場合に、結果を先に占いで知ろうとするのです。
でも人生というのは、そのプロセスで学んだり、幸せを味わったり、頑張ることによって 自分が求める結末に辿り着くべきものですから、 決まった結末に向かって起こる出来事を待っていたり、見守っているだけであれば、それは人生の放棄にあたります。 人生を放棄していれば、その結末を提示した占いにコントロールされてしまうのは当然の成り行きなのです。

また短期的な未来が気になる時の人間心理というのは、運気が弱っている状況を意味します。だからこそ 自分が言って欲しい事を言ってくれる占い師に有り難味を見出してお金を払いますし、リピーターになる人は少なくありません。 そういう時ほど正当な判断力が低下しているので、毒気の強いアドバイスを受け入れてカルト宗教に洗脳されるなど、道を間違えるケースさえあります。
占いも立派なビジネスですので、そうした運気が弱っている人に希望を与えたり、逆にその心配を煽っては それを和らげるような手法で お金儲けをする人々については、私はとやかく言うつもりはありません。
ですが毎日オンラインの占いをチェックしてその内容に一喜一憂したり、複数の占い師が言うことを比較分析しながら 自分の将来を考えている状態からは決して何も起こりませんし、開運の道が開けることもないのです。 それは占いビジネスの”カモ”になって刹那的な自己満足を得ているだけであって、 その状態は マシーンにコインを入れて 直ぐに捨てるだけの玩具がカプセルに入って出てくるのを楽しんでいる子供と何ら変わりはありません。

私が商業的な占いが危険な存在にもなり得ると考えるのは、例えば恋愛で傷ついている場合は「彼は貴方に相応しい人ではありませんでしたが、 彼が居なくなったことで、ようやく貴方に相応しい人が現われるお膳立てが整ったのです。その人はすぐ近くまで来ています」などと言ったり、 職場で悩んでいる人に対しては「上司はあなたの本質を見えていないだけで、貴方も上司に自分をアピールするチャンスにこれまでは恵まれてきませんでした。 でも貴方の運がこれから上昇に転じるので、これまでの態度を少し変えるだけで思わぬ転機が訪れます。」などと、 悩んだり、傷ついたりしている人が一番すがりたくなるアドバイスを、友人や職場仲間など現状を理解している人が決して言えないような、 非現実なレベルのエンプティ・ホープを盛り込んで出来てしまう点です。
失恋の後に 友達が「もっと良い人がきっと現れるから」と言っても単なる慰めだと思って聞く人が殆どですが、 それを占い師が言う場合、言われた側は たとえ占い師が適当に言ったセンテンスであったとしても 占いという後ろ盾の根拠があると思い込むので、説得力やインパクトのレベルが全く異なるのです。
どんなに理知的な人間でも 傷ついたり、落ち込んだりしている時には、自分を知る人間の同情や慰めとは異なる、何かに基づいた 助言やエンプティ・ホープにすがりたくなる時があるものです。ですからAさんが落ち込んだ時に占いで励まされたのは 良い事だと思いますし、悩みを聞いてもらうことが大切な時など、自分が必要だと思った時に商業的な占いを使う事は否定しません。 ですが、それに未来の人生の展開を委ねるような使い方は明らかに間違っています。

またAさんは「自分が弱いので、将来の事を知っておくのがとても大切」とお考えですが、実際には 将来を知ることはかえって自分を弱く、消極的で魅力の無い人間にする場合が多いのです。 もし Aさんが別れた男性について「やがて結婚を目前に別れて、自分が傷つくことになる」と最初から占いで分かっていたら、Aさんは彼との関係に用心深くなって、 結婚を考えるレベルの恋愛などできなかったはずですし、最初から彼を避けて デートさえしていなかったかもしれません。 そんなことを続けていればAさんは人間として成長する機会を逸するので、経験も魅力も無い、単に臆病な人間になるだけで、しかもその占いが当たっているという保証も全くありません。
占いにお金を払い続ける多くの人々は、良い事を言われてぬか喜びをして、起こってもいない事を心配したり、警戒したりしますが、 往々にして そんな事が起こらないから、もしくは全く状況が変わらないから また占い師のところに出かけるのです。 すなわち それほど占いによって受け身になって、中身の無い人生を過ごしているのです。

Aさんのように自分が弱いと思う人ほど 将来に何が起こるかを占いで察知して自分を守る事よりも 自分を鍛える事を考えるべきなのです。 どんなに自分を守ろうとしても 不運や衰運は誰にでも訪れますし、自分が弱ければ弱いほど、その頻度や苦しみが増えるだけです。 逆に自分さえ強くなれば、小さなトラブルに動じないだけでなく、大きなトラブルに見舞われることがあっても 最善の解決法に最短で辿り着くサバイバル力が備わります。
人間は強く生まれてくるわけではなく、強くなる生き物です。自分を守ってばかりいれば弱いのは当然ですが、 鍛えればそれだけ強くなるということを頭に入れて、占いの活用法よりも まずはご自分の生き方を改めて考え直すことをお薦めします。

Yoko Akiyama


このセクションへのご質問は、ここをクリックしてお寄せください

プライベート・セッションはこちらからお申し込みください


執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

Shopping
home
jewelry beauty health apparel rodan

Q&ADV プライベート・セッション

PAGE TOP