June Week 3 2017
★ "Faker on Social Media"
"SNSで自分を偽っている知人、実態を知っているだけに腹が立ちます"



秋山曜子さま、
いつもこのコーナーを始め、秋山さんのコラムをとても楽しみにしています。 最近時々似たような相談コーナーを見かけるのですがアドバイスのレベルが全然違うのが良く分かって、ますます秋山さんのアドバイスの素晴らしさを痛感しています。

私がご相談をしたいと思ったのは知人のことで、私とはさほど仲が良い訳ではありませんが、共通の知り合いが多いのでよく噂話を聞く人です。 その噂話は必ずしも常に芳しいものではなくて、どちらかというと悪口の方が多いのです。 それは本人に原因があって、人を利用したり、さんざんお世話になっておきながらその人の悪口を言うためなのですが、 その人は頻繁にSNSを使って実際の自分よりも良く見せるフィードをしょっちゅうアップしていて、 自分をお金持ちに見せようと躍起になってます。 自分のものじゃなくても、手に取って写真を撮影して、まるで自分のものみたいに演出したり、 初めて会った人でも親友気取りで写真をアップしているそうです。 それだけでなく、以前海外生活をしていたという経歴を頻繁に持ち出してくるのですが、私のお友達の間ではつじつまが合わないと評判です。

外食をするたびにレストランの写真をアップするのは多くの人がやっていることですが、 一緒に出掛けた友達などのことを、日ごろは悪く言っていたり、馬鹿にしていたりするのに 「大好きなXXXXさんと一緒」とか、「親友のXXXXさんと素晴らしいひと時を過ごしました」などと心にも無いようなことを書いていて、 そう書かれた人達も、日ごろはその人の態度の悪さや、頭の悪さなどを馬鹿にしているのに、 SNS上では 「いつも素敵な○○○○さん」、 「○○○○さんのオーラでパワーをもらいました」などと書いていて、 双方の白々しさに唖然とすることもしょっちゅうです。 写真も何度も撮影したり、プロに撮影してもらった写真にさらに修正を加えていて、 そんなスター気取りの写真の数々を見ているとあまりに実態とかけ離れていて呆れてしまいます。
毎朝スマホをチェックするたびにそんな写真や、白々しいコメントのやり取りを見せられると、一日が台無しにされたような気分になってしまいます。

先日ちょっとだけ友達にこの指摘をしたら、まるで私がヤキモチを焼いて批判しているみたいに思われてしまいましたが、 これはジェラシーとかではなくて、事実を捻じ曲げているのを見せつけられているストレスなんです。 私は問題の知人を羨ましいと思うことなどありませんし、彼女のようになりたいなどとは夢にも思っていません。
「見なければ良いだけ」とか、「SNSのフォローを止めればよい」と言えばそれまでなのですが、 友達をやめると 逆にヤキモチを焼いているように思われそうですし、 たとえやめても知人が私の友達をタグ付けするので、結局は同じことになります。 SNS自体をやめるというのは、ちょっと過剰反応に思いますし、 その人以外のSNSはチェックしておきたいのでそういう訳には行きません。

何か良い知恵や、心の割り切り方があったら教えて頂けると嬉しいです。 よろしくお願いします。

- F -





Fさんから頂いたご相談内容に似たコンプレインは、私のニューヨークの知人からも何度か聞いたことがあります。
特にビジネスでソーシャル・メディアを活用しているような人は、自分のイメージを良く見せたり、 自分が売っているものを身に着けて、それを良く見せるセッティングで 時にプロに写真撮影を依頼しますので、 実際よりも写真写りが良かったり、イメージが良くなるものですが、見方を変えれば そうでなければ意味がなかったりします。
またビジネスが絡んでいても いなくても、自分についての何らかのイメージ戦略をしている人にとって ソーシャル・メディアは 自己申告制のセルフ・プロモーションです。 したがって誰がどう自分をプレゼンテーションしても構わない訳ですし、 それを見る側も 100%そのまま受け取る訳では無いというのもまた事実なのです。

またセレブリティではない 一般人のソーシャル・メディア上のコメントというのは、その性格上 社交辞令で埋め尽くされるべきものです。 Fさんは知人の女性が ” 「大好きなXXXXさんと一緒」とか、「親友のXXXXさんと素晴らしいひと時を過ごしました」などと 心にも無いようなことを書いていて、” とメールで指摘していらしたのですが、 どんなに正直な人であっても フェイスブック上で 「大嫌いなXXXXさんと一緒」とか、 「親友のふりをしているXXXXさんと つまらないひと時を過ごしました」といったコメントを書くことはあり得ません。
むしろそういう正直なフィードがあった場合は アメリカではヴァイラルになるかと思いますが、 通常はタグ付けする知人、友人についてポジティブな内容を書いて、 それに返信する側も好意的なコメントを返すのは当たり前のことだと思います。
同じようなことは 日ごろからフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの中でも行われているもので、 それは特に似合うと思わない服や、さほど美味しくない手料理を褒めるなどの形で、 誰もが日常的に行っていることです。むしろそれが社交のマナーでもある訳ですから、 ソーシャル・メディア上で それが行われていても批判の対象にするべきではないというのが私の考えです。

さらにFさんは、お友達との会話で その知人のソーシャル・メディアについて批判的な指摘をして、 「まるで私がヤキモチを焼いて批判しているみたいに思われてしまいました」と 書いていらしたのですが、例えお友達が同様の見解を持っていたとしても、 そうしたコメントは一般にはジェラシーと受け取られる傾向があると思います。
でもFさんがジェラシーから そうおっしゃった訳ではないと 私が理解できるのは、 他人のソーシャル・メディアについて批判をする人の方が、往々にして 批判の対象よりもリッチであったり、ルックスが良かったり、交友関係が広かったりする状況を何度も目撃してきたためです。
そうした人々にとっては、実生活では自分に比べて劣ると思う人物が、ソーシャル・メディア上では 実態の伴わないセルフ・プロモーションで 自分と同等、もしくはそれ以上に見せかけるようなポストをする様子を 嫌う傾向にありますし、自分と比較されるポジションにある人が ソーシャル・メディア上で華々しい様子をポストしているのを見て、 心穏やかでなくなる人は決して少なくありません。
中には子供や子供の行事についてのポストでも張り合ったり、批判する親も居ますが、 ソーシャル・メディアの怖いところは、そうした自分を良く見せるためのポストが 実は思わぬ敵を作っているケースが多いという点なのです。

2年くらい前のことですが、私の友人のところに彼女の友達から ある共通の女友達のフェイスブックのポストに 暫く何のコメントも、「いいね」のリアクションもするべきではない というボイコット要請のメールが届きました。 その理由は、ボイコットの対象の女友達が ある結婚式で花嫁に恥をかかせる酷い事をしたためだそうで、 その女友達がソーシャル・メディアに自分の行動をアップするのを生き甲斐にしているような人物であったため、 結婚式のゲストとして彼女の行動を目撃した人々が中心になって、彼女の交友関係に ボイコット要請のメールを出したというのがその背景でした。
その時に友人が語っていたのが、問題の女友達がパーティーやヴァケーションなどに出掛けた様子に フェイスブック上では好意的なリアクションをしていた友達が、実はこぞって彼女に批判的な目を向けていたということで、 結婚式の事件が引き金になって、皆が本音の悪口を言い出した様子に私の友人は驚いていました。
そのエピソードにはさらに続きがあって、ボイコットの対象となった女性は 問題の結婚式以来、フェイスブック上のコメントや「いいね」が激減したことで、 暫くうつ病のようになってしまったとのことでした。

そうかと思えば、かつては華々しくフェイスブックでセルフ・プロモーションをしていた人が、 自分よりもフォロワーが多い人が出てきたために、フォロワーをお金で買って増やしたところ、 「その増え方がおかしい」と指摘されて、フェイク・フォロワーを批判されるという事態も起こっていますが、 そんな状況を見るにつけて、ソーシャル・メディアというのは どんなに上手く利用しているように見える人でも、 見えない敵を作っていたり、問題の火種を自ら提供しているケースが決して少なくないのです。
ですからソーシャル・メディア上で 誰がどんな内容をアップして、自分のどんな偶像を築き上げようとしていても、 個人的な感情など持ち込まずに、静観を決め込むべきなのです。 それを批判すれば、自分のフェイク・プロモーションをする人と 同等のレベルに自分を落としてしまうことになりますし、それを見てストレスを感じることも同様に ご自身のステータスを落としてしまうことだと考えるべきです。

頭を切り替えれば、Fさんの知人のソーシャル・メディアのポストを眺めることは、 平常心を育むためのトレーニングでもあります。 Fさんの知人がどんなにフェイクと思われるポストをしていても、それを無関心に眺められるようになれば、 Fさんはこの先も様々なストレスを乗り切っていけるはずですから、 そんなご自身の精神面でのトレーニングのためにお友達のソーシャル・メディア・ポストを利用することをお薦めします。
そのチャレンジを楽しむようになれば、知人のポストが無い日は物足りなさを感じるようになるかと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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