June Week 2 2017
★ "Worrying About Being Sick Makes You Sick"
"病気を恐れるあまり、病気になりそうです"



秋山さま、
はじめまして。 もう何年も前から、秋山様のコラムを愛読しております。 いつも見識の広さ、ぶれない姿勢を尊敬しています。 このコーナーも、他の方の悩みを読んで、秋山様がどういう風にアドバイスされるんだろう?私ならどう答えるだろう? と考えてから秋山様のアドバイスを読んで、毎回心が開かされ、何度も読み返してしまいます。
私も秋山様のお考えをお聞かせ頂けたら……と思い、思い切ってメールさせていただきました。

私は何年か前に不正出血があり、病院に行ったところ、ある婦人科系の病気でした。 幸い悪性ではなく手術で取り除いたのですが、検査結果が出るまで本当に恐怖を味わい、 体重も一気に減り、夜も眠れず、毎日涙を流して過ごしておりました。 子供もまだ小さいので、この子たちを残していかなければならなかったら?等、最悪の事ばかりを想像してしまっていました。

結果が良性だった事もあり、しばらくは気持ちも晴れやかだったのですが、 ふと自分の身体の今まで見て見ぬ振りをしてきた事が気になりはじめ、症状をネットで検索したりしているうちに、 自分が今は気づかないだけで、重篤な病気をかかえているのでは? 癌の初期症状では?とどんどん悪い方向に考えて、ちょっとした鬱状態になっています。
これは良くないと思い、思い切って1番気になっていた箇所の病院に行ってみたら、大学病院を紹介され、 ますます悪い方に考えて毎日が辛いです。紹介してくださった先生は99%は良性だと思うといっているので、 それを信じればよいのですが、疑心暗鬼というかつい悪い方向に考えてしまい、大丈夫と言い聞かせつつも、 もし癌だったら……と思考のループです。

私は今は吸いませんが、タバコを10年ほど吸っていた事もあったり、お恥ずかしながら過食嘔吐も20年近く続けていたり、 と褒められた生活ではありませんでした。 (今はどちらも止めました)
若いうちは、全く気にしていなかったのが、40代に突入してどんどん色々と気になりだし、 その症状をネットで必死に調べて落ち込んで…の毎日で本当に疲れています。 自分の未来を考えると怖くなり、過去の自分を後悔しています。

以前、秋山さまがコラムで乳がん検診時に先生に大変怖い思いをさせられたとおっしゃってましたが、 病気、とくに重大な病気への不安、恐怖感にどう対処されましたか? 逆に身体によくないと分かっているのですが、毎日毎日癌だったら……と考えて涙を流したり、ぼーっとして家事がとどこおったりしています。 他の身体で気になる事も、怖くて仕方ないのに病院にいくのが怖かったり……。 何時間もネットで検索したりする事がよくない事は分かっているのですがなかなかやめられず、悪循環です。 夫は気にしすぎで大丈夫だといってくれるのですが、なかなか感情のコントロールができません。 厳しいお言葉でも構いませんので、ぜひアドバイスをお願いしします。 - JW -





私も生涯でたった一度だけ婦人科系の手術を受けたことがありますが、その後2年ほどは 定期検診に出掛ける際に 再発を心配してかなりのストレスを感じたのを覚えています。
ですのでJWさんの不安なお気持ちは理解できるのですが、メールを拝読した印象では現在のJWさんの状況は 少々不安の度が過ぎるように思えたと同時に、”病気”というものが気の病であることを痛感した次第です。 今のJWさんのように病気を心配していたら、どんなに健康な人でもガンになってしまうのでは?と思いますし、 そのストレスレベルもかなりのものだと思います。

JWさんをうつ状態にしてしまう不安の要因とは何なのでしょうか?  世の中には良いことが続くとその先に悪い事が待っているのでは?と恐れて、自ら幸せを台無しにしてしまう人が居る一方で、 悪い事が続いてもその先にもっと悪い事が待っているのでは?と不安をつのらせて自滅してしまう人も居ます。
こうした人々は自ら不運や悪運を招き入れている訳ですが、そうなってしまう人は 往々にして潜在意識の中で 「不幸になるのは簡単、幸福を掴むのは難しい」と考えていると同時に、 自分が弱い人間だと思っているケースが殆どです。 だから大変な思いをして幸運を掴んだり、幸運を持続する力があるとは思えない自分に「やがては不幸が訪れる」、 「このままだとどんどん不幸が悪化する」という気持ちを知らず知らずのうちに抱いているのです。 そして「いずれやって来るのなら、早くそれが分かった方が良い」と、自らその不幸に突進して行く傾向が強いのです。
その状況はスポーツの試合で 強そうな対戦相手の姿を見ただけで、精神面で萎縮して戦う以前に自滅してしまうのに似ていて、 厳しい言い方をすれば 自我が弱く、自分に自信が無いということでもあります。

このコーナーに何度も書きましたが、私の母は占い師で その母から学んだのが、一生を通じて幸運に恵まれる人など居ないという事でした。 どんな人の人生にも幸運と不運が巡って来るのです。JWさんが日頃から羨ましいと思っている人にもJWさんと同じように、 幸運と不運が訪れているのです。 でも不運に見舞われても「自分はそれを乗り切れる」という自信や、 「今は辛くても、やがては幸運が巡って来る」と信じて頑張る強さがあれば、 不運を生かして幸運期の収穫を益々大きくすることが出来るだけでなく、その幸運期を与えられた運勢以上に長引かせることも可能です。
逆に起こっても居ない事を恐れたり、将来の不安や破滅のシナリオを常に頭に描くということは、 自分のための墓穴を掘っているのと同じことで、やがてはその墓穴に葬られるような事態しか待ち受けて居ません。

JWさんにはこれを機会に病だけでなく、”幸せも気から” だということを学んでいただきたいと思います。 幸せというのは達成するべきゴールではなく、自分が気付くだけで周りに溢れているものなのです。 すなわち幸福感というのは心理的なコンディションであって、苦労して獲得するものではないのです。 気の持ちようで誰にでも実現できるものなのです。
JWさんはご自分が如何に恵まれているかを考えてみたことがあるでしょうか。 五体五感満足な身体を持ち、健康の不安を抱いているJWさんを心配してくださるご主人、可愛いお子さんがいらっしゃる JWさんを恵まれていると思う人は世の中に沢山居ます。 本来ならその恩恵や幸せを実感して、感謝するべきところを、 病気を恐れるあまり目もくれないというのが今のJWさんの状態なのです。
ご自分の恵まれた状況を自覚して、それに幸せを感じる習慣をつければ 人間が如何に簡単に幸せになれるかが分かるはずです。 そして幸せというものが 自分の気持ちのコントロールで得られるという意識を持てば、 それが不要な不安を払拭して、JWさんのフォーカスをポジティブなものに向けてくれるはずなのです。

JWさんがメールに書いて下さった私の乳がんの検査については、もう10年以上も前のことで、JWさんの状況とは異なるものでした。
日頃出掛けている産婦人科ではないプライベート・クリニックにマンモグラフィーのために出掛けたのですが、 マンモグラフィーをする段階になって ネックレスをしていることに気付いて外そうとしたところ、 「つけたままで大丈夫」とナースに言われ、 そのままにしておいたところ 案の定そのシャドウと思しきものが写ってしまいました。 この日私の担当になったアジア人男性のドクターにそれ説明をして、マンモグラフィーの撮り直しをリクエストしたのですが、 替わりに強く勧められたのがウルトラサウンドを受けること。
その時のドクターの説明は、彼の義理の妹が ガン家系ではないアジア人で、私と同じような年齢、私同様に運動をして食生活にも 気を遣っているけれど 乳がんになったというもので、ウルトラサウンドで初期発見をしたので、大事に至らなかったというもの。 すなわち私もガンになりかかっているかもしれないという脅しのようなことを言われた訳で、 仕方なくウルトラサウンドを受けましたが、胸に触れているのがウルトラサウンドの器具とは言え、 男性のドクターに胸を触られているような感触が極めて不愉快だったのに加えて、 そのウルトラサウンドの最中に 私同様にガンのリスクが全く無かったはずの彼の義理の妹が 実は20代で子宮ガンを患っていたと言ったのを聞いて、私は唖然としてしまいました。

ガン家系でなくても、一度ガンを患っている女性の例を持ち出して来て 「ガンのリスクが全くなかった」と言うのは、 医者とは思えない発言です。最初から彼の義理の妹が子宮がんであったことを知っていたら、私はウルトラサウンドなど受けずに マンモグラフィーの撮り直しを主張していたと思うだけに、悪質な脅しとさえ思いました。 加えて事前に価格の説明も無しに、いきなり660ドルをチャージされたことにも驚いてしまいました。
その日は仕方なく帰宅しましたが どうしても憤りが収まらなかったので、 翌日クリニックに電話をして そのクリニックのトップに事情を全て説明したところ、丁寧に謝罪をしてくれて、ウルトラサウンドの支払い分は全額返金されました。 でもお金が戻ろうと、謝罪を受けようと、この時の不愉快な記憶は今でも鮮明に残っているので、それ以来は 私が納得しない限りはドクターに言われるままに検査を受けないと決めましたし、 どんなに待ち時間が長くても、NYUホスピタルのような信頼できる大病院にしか行かないとも心に決めました。

今から振り返ると、当時私がこれだけの憤りを覚えたのは 恐らく自分の健康管理に自信があったからだと思います。 だからこそ何の根拠も無しに いい加減なことを言って それを揺らがすような脅しを掛けてきたドクターが許せなかったのだと思います。
健康管理についての私の自信は、「たまたま それまで病気をしないで来ただけ」というような空虚な過信や思い込みから来ているのではなく、 「医療費が膨大なアメリカでは、健康を損ねたらお終い」と常日頃から自分に言い聞かせて、 長年自分の体調やライフスタイルに気を配ってきた結果、 「自分の身体のことは自分が一番良く知っている」という確信から得られたものです。 ですから「自分が何らかの病に掛かっていたら、まず自分が気づくはず」というのが私の信条とするところです。

かく言う私は、仕事柄ヘルス、ビューティー、エクササイズ、ダイエットのリサーチをして、効果がありそうなものは 自分でもトライしてみるのを趣味にしていますし、メディカル・ジャーナルが発表する医療関連のニュースも 逐一チェックするようにしていますが、そうした習慣は自分自身のライフスタイルをヘルス・コンシャスにするのに一役買っていると思っています。
ですからJWさんも病気の症状や、身体の不調の兆候などを検索するよりも、 自分がどうやったら病気にならない健康体になれるか、どうやったら若さと美しさが維持できるか、というような 自分をヘルシーで活き活きさせるためのリサーチを行って、それを実践するべきだと思います。 そうすれば実際に体調も向上するはずですし、「常に健康に取り組んでいるのだから、 自分は病気にはならない」という自信が沸いて来るはずです。
そうなれば体調が優れない日があったとしても あらぬ病気の疑いなど持たず、自分のコンディションを冷静に捉えて 無理をせずに休養を取ったり、胃や消化器官に負担が掛からない食事をしたりと、建設的な対処が出来るようになるはずです。 また自分の健康についての理解が深まって、何を心配するべきで、何を心配する必要が無いかも明確に分かって来ます。

病気に限らず 不安と戦うためには、その不安の原因となる問題と向き合って 改善や解決に向けて取り組むことによって、自分がそれに対処できるという自信を持つことが最も有効なのです。
特にJWさんの場合、お子さんの成長を見届けるという確固たるモチベーションもあるのですから、 日頃インターネットでやっている検索のアングルをポジティブに切り替えて、前述の幸福感を毎日のように感じるだけで、 そこからどんどん”気の病”が改善できると思います。 母親の心が不健康であれば、それがお子さんの心理にも当然影響しますので、 大切なお子さんの精神面の健康を保つためにも JWさんには強く、前向きになって、明るさを示していただきたいと思います。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。 丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。

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